アウトドア携行食「リゾッタ」は、食べられるお守りだと思いました。
どうやら山での飯には、「リゾッタ」という携行食が便利らしい。
アウトドア仲間たちが声を揃えておすすめする噂の携行食を食べてみた。
リゾッタってなに
リゾッタとはアウトドアブランド・mont-bell(モンベル)が開発したフリーズドライ食品である。
「はやい! おいしい! 食べやすい!」をキーワードにしたこの携行食は、わたしの友人でも愛用者が多い。
最大の特長といえば、3分で熱々ごはんができあがることだという。
3分で食べられるのは本当にすごい。他にもレトルト系米食品はたくさんあるが、最低でも15分は待たなければならなかった。キャンプなどで腹を空かしてぼ〜っと待つだけならいいが、山で行動時間が限られているケースで15分はかなり貴重だ。待機時間を1/5に圧縮できるのはかなりありがたい。
10種類も味があるらしい
登山前日にアウトドアショップに買い出しへ出かけ、リゾッタを購入した。ガーリックやコーン、ガパオ、カレー……それにしても種類がたくさんある。
なんと味は10種類! そんなにもあるのか。3食オールリゾッタサバイバルをするとしても、3日間は飽きずに過ごせるのだな。
同行者にも協力してもらって、今回はビビンバとカレーの2種類を食べてみた。
そのままでも食べられるらしい
お湯を沸かしながら、ぼんやりとパッケージを眺めていたら驚いた。なんとそのままおやつ感覚でボリボリ食べてもいいらしい。
ほんまかいな、と思いながらも空腹に耐えきれずリゾッタを開封。
うむ、これは明らかに調理前のフリーズドライ食品だ。理性は「これをそのまま食べちゃうのッ!?」と囁くが、あまりの空腹具合とモンベル公式の「食べられるようになっています」の文言に背中を押されてしまい、つい……。
おお、酒のアテだ。うまいぞ諸君。
個人的には『ベビースターラーメン米版〜ビビンバ風〜』だと感じた。食べる前はおかず風ポン菓子かと予想していたが、ポン菓子ほどサクふわ食感ではなく、ザクザクとした噛み応えがある。味もしっかりと付いているので、小休憩時にぽりぽりやってもいいかもしれんよ。
作った
気を抜いてつまんでいたら結構なくなりそうになった。あぶない、本命の食べ方を忘れるべからず。
お湯が沸騰したら袋内の線までお湯を注ぐ。
フタをしめて3分待つ。
以上だ。簡単すぎて言うことがない。
食べた
体内時計でなんとなく3分をはかり、完成ということにする。お米を天地返しをしていただきま〜す。
あ、うまうま。リゾット風ビビンバじゃん。ほかほか温かくてなおかつ米が柔らかくて食べやすい。そしてしっかりと腹にたまる。味わいもしっかりしており、味変をしなくても飽きなく食べ続けられる。あとキクラゲが食感のアクセントになって、とても良い感じ。
お次はカレーを味してみる。
カレーはビリヤニ風なのかと思っていたら、洋食屋のピラフ風な味付けだった。結構まろやかでリッチ。辛いものが苦手な人や子どもでも美味しく食べられそうだし、チーズをトッピングしてもおいしそう。
わたしは辛いものが好きなので、追いガラムマサラをしたくなった。でも十分にこれだけでおいしいよ。
おわりに
人々が声を揃えて言う「リゾッタ」は、確かに大変便利な携行食だった。なぜ今の今まで食べていなかったかが不思議なくらいだ。
良かったところ
すぐ食べられる
そのまま食べてもOK
とても軽いし省スペース
食べ終わったらゴミ袋として使える
腹持ちがよい
ざっと利点を書き出してみた。1〜2は前述の通りだが、3はパッキングをしながら感じたメリットだった。
カップ麺はカップを潰さないように押し込まなければならないため、コンプレッションをかけるときも少々気を遣う。袋麺も麺を砕ききらないよう、少し繊細に取り扱わねばならない。けれどコイツはチャック付き袋に入ったスマートな飯なので、多少乱雑い扱ってもビクともしない。
そして食べ終わったあと、リゾッタの袋をそのままゴミ袋として活用できるのも便利だった。もちろん携行ゴミ袋は持参しているが、水分を含んだものなどを密閉するにはリゾッタの袋がピカイチだ。
最後に感じたのは、腹持ちの良さだった。この日は正午頃に山頂付近でリゾッタを食べ15時前には下山完了をしたが、その間に腹が減ったり物足りなくなることはなかった。たっぷり食べられて、しかも温かい。消化も良さそうだが、すぐに空腹になることはない心強さもある。
注意したほうがいいところ
乾燥剤を抜き忘れないように
スプーンを忘れないように
容器が熱くなる
リゾッタを食べる時に注意したいのはこの3点だ。とはいっても、おっちょこちょいじゃない限りノープロブレムなことばかりだ。
まず中には乾燥剤が入っているので、お湯を注ぐ前に抜き取るように。これは最初に多少ボリボリつまんでいたら気付くので問題ないと思う。
スプーンは同行者が忘れていたので注意。他メーカーのアルファ米だとスプーンが付いていることもあるが、リゾッタには付属していない。忘れないように気を付けてね。でも、もし忘れたとしてもそこら辺の木の枝をどうにか加工してお箸代わりにすればいいので、問題はなかろう。
容器が熱くなるのは、そりゃ自明。食べる時も依然熱いので、端っこを掴んだりタオルを活用するなどして火傷をしないようにね。
おいしかったし、魯肉飯味を出してほしい
寒い時期のアウトドアは、空腹時に気を抜くとすぐに心細くなる。そんなときの特効薬は、温かくておいしいごはんだ。リゾッタはそれらの全てを満たしてくれる、おふくろのような食べ物だと思う。
お湯が沸かせない緊急時でも食料としての役割を担ってくれるし、賞味期限は5年6ヶ月。これからはエマージェンシー用のアイテムとしてザックに常に入れておくつもりだ。自宅の防災備品としてもストックしておきたい。
家族や恋人で登山が趣味だという人がいれば、安全のお守り代わりにリゾッタを送りつけよう。喜んでくれるに違いないし、いざという時に命をつなぎ止めてくれるかもしれない。
そしてこれは勝手な要望だが、ぜひ味のバリエーションがどんどん広がっていくことを期待している。だってその方が楽しいじゃない。
個人的に食べてみたいのは台湾料理の魯肉飯風リゾッタだ。五香粉をきかせたあのアジア飯が大好きなのだ。きっとみんなも魯肉飯が好きだし、販売した暁には売上も上々!……だと信じている。
もしこの記事をお読みになってくださった読者さんで、モンベルの方がいらっしゃいましたらぜひご検討の程よろしくお願いいたします。