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エッセイ

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日常の様子を、徒然なるままに綴っています。
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記事一覧

広島・平和記念資料館を訪れて

小3の次男が私の腕にしがみつきながら、不安そうな顔でつぶやく。 そこは、大人の私でも目の前のものを直視するのが苦しくなるほどだった。 私たちがいるのは、広島にある平和記念資料館である。 今年、私たち一家は、7月20日から旅行へ出かけた。 香川→高知→愛媛→広島の順に回った。 香川から広島の午前(厳島神社)までは、とにかく楽しい毎日だったが、最終日は長男のリクエストにより平和記念資料館へ行くことに。 そもそもなぜ平和記念資料館へ行くことになったのか。 実は、旅の当初では、全

超絶コミュ障かつ人前で話すのが苦手なHSPが勉強会の講師体験をしてみた話

ある日、参加しているコミュニティで勉強会をしたいねという話になった。 おぉー、いいね。勉強になるし、楽しそう。 心の中で鼻歌を歌ってワクワクしていたら、 「おおしま、講師をやってみないかい?」 メンバーの1人が、zoomの画面越しで、そう言った。 ……。 ん? 聞き間違いかな? ん? 私が? 人に? 教えるとな? 待って、待って。 私以外、みんな実績つよつよな方ばかりなのよ。 いつもふざけたnoteしか書いていない人間が、圧倒的な実績を持つ皆さんに、何

私は吉岡里帆になれなかった

最高気温は28度まで上がる気候となり、春服を着ていると、じっとりと汗ばむようになってきた。 そろそろ、夏服の出番である。 ところが去年までの服は、襟がビロンビロン、色あせもひどく、とても着用して人前に出ることなどできない。 むしろ去年まで、この服を着て外に出ていたのかと、自分のオシャレ関心度の低さに驚いた。 試しに着用して鏡の前に立ってみたが、自分に向かって「かわいそうに……」という感情が沸いてしまった。 それくらい、みすぼらしい。 これではいかん!ということで、とあるシ

バーバーババア開店

春休み終わりも間近の平日。 我が家で「バーバーババア」が開店した。 「バーバーババア」とは、我が家の中にのみ存在する、子ども向けのヘアカットサロンのことだ。 オーナーは、私。 バーバーは床屋を意味する。 ババアは、そのまんま、ババアである。私のことである。 自虐的に、自分でババアと言っているだけなのだが、妙に響きが良くて、家庭内で定着してしまった。 弊社は、基本的にお金を取らない(美容師資格がないので当たり前だが)。 ただし、相手の望む髪型にできる可能性は3%程度と、限り

誰か雑談スキルを売ってくれ

私は雑談が苦手だ。 何気ない会話が、うまくできない。 誤解のないよう言っておきたいのだが、嫌いではない。 上手く話せないから、ただ苦手なだけなのだ。 だから、誰か雑談スキルを売ってくれ。 子どものお迎えに学校へ行くと、保護者同士で話をしている場面によく出くわす。 話が盛り上がっており、一向に途切れる気配がない。 みんな、なんでそんなに話題がポンポン出てくるの…? 戦闘能力雑談力3%の私からしたら、みんな魔法つかいのように見える。 「弟子入りさせてもらえませんか」と声をかけた

13回目の3.11

(東日本大震災が起きた当時の様子を記しています。津波に関する記述もありますので、ご注意ください) 今年もやってきた3.11。早いもので、もう13回目になる。 東日本大震災が起きた時、私と長男は実家にいた。 そのとき、長男は0歳1ヶ月。生まれたてホヤホヤで、授乳間隔が2時間も開かず、私はまとまって眠れない日々が続いていた。 起きていても常に頭がポーッとしていて、毎日フラフラの状態だった。 2011年3月11日も、いつも通り眠かった。14:40過ぎに授乳とおむつ替えを終えて

痛い目にあわないと、健康のありがたさがわからない

先日、洗濯物を取り込んでいるときに、左足のふくらはぎに激痛が走った。 「あた、あたたたたたすけて神様」 当然ながら、痛みに対する心の準備をしていなかったため、いきなり訪れた足の痛みに、半ばパニックになった。 右手にハンガーを、左手にはカーテンをつかみながら、私は普段信仰していない神様に助けを求めた。 都合のいい時だけ助けを請われ、神様も困ったことだろう。 この痛みはヤバい。 直感でヤバい痛みだとわかった。 いわゆるこむら返りである。 こむら返りの痛みを経験した方ならわかっ

メイク本に出会って今までの考え方が少し変わった話

私は人一倍、人目を気にする人間だ。 状況にもよるが、自分の意見よりも相手の反応に重きを置くタイプ。 「こんなこと言ったら、この人はどう思うかな」 「嫌われたくないな」 人に対して、いつもこんなふうに思って生きてきた。 だから、たとえ自分が乗り気でないことでも、勧められたら断れない。 そのため、結局中途半端に足を突っ込んでしまい、かえって人に迷惑をかけてしまうこともしばしばあった。 人との関わりだけではなく、メイクも服も、常に人目を気にしてきた。 だから、失敗しにくい無難な

黒歴史を発見した話

先日、クローゼットを整理していたらあるものが出てきた。 見つけた瞬間「ヒッ」と小さな声が出たと思う。 ヤツは花柄の巾着に入っており、ものすごい存在感を放っていた。 ヤツの名は「交換日記」。 しかも中学生という多感な頃に書いていたもので、見るからにヤバい雰囲気がプンプンしている。 恐る恐るページをめくってみる。 「ヒッ…!!」 さっきよりも大きな声が出た。 平成初期のギャグをかまし、変な絵が至るところに描かれている。 しかもそれを描いているのは、ほぼ毎回同じ人間である。 紛

40代主婦がSUPに初挑戦した話

今年の夏休みを利用して、長野県の青木湖でSUPをしてきた。もちろん生まれて初めての体験だ。 運動神経は母の胎内に忘れてきたのかと思うくらい、昔から私にはない。さらにこの歳になって体幹や筋力も衰えた私が、本当にSUPなんてできるのかと不安だらけだった。 しかし、そうそう経験できるものではないということで、思い切って挑戦してみることに。 というわけで、今回は40代主婦によるSUP初体験談を紹介します。 SUPツアーに参加する今回、ライジングフィールド白馬というキャンプ場で2

生まれてはじめて「よろしくてよ」という言葉を聞いた

すでにタイトルでオチを語ってしまい、申し訳ない。 つい先日、文字どおりの出来事が起こった。 「よろしくてよ」 漫画やドラマで見聞きしたことはある言葉。 上流階級のお嬢様や奥様方がオホホと笑いながら、相手を許したり、許可を出したりするときに使うワード(※完全に個人の感想です)だ。 あなたは生活の中で、誰かから「よろしくてよ」と言われたことがありますか?もしくは側で聞いたことはありますか? 一般市民の私は40年以上生きてきて、一度もない。 日頃よく聞いているのは、名古屋弁である

足裏で感じる成長

ある日のこと。 夜中にふと目が覚めると、次男の足裏が目に入った。 あれ? こんなに大きかったかしら。 目一杯、横に広げた私の手のひらよりも、大きい。 そう言えば、久しぶりに次男と会ったご近所さんが「次男くん、背が大きくなったね」と言っていたことを思い出した。 私は毎日見ているから、あまり成長に気づけないけど、実際に身長は伸びている。 身体だけじゃない。 言うことも、やることも、少しずつ変わっている。 一年前には口にしなかったことを言うようになり、驚くこともある。 半年前は

カマキリのカマ子ちゃん

今から2年前、我が家の庭にカワイイお客さんがやってきた。 裏庭から来たのか、空から飛んできたのかはわからない。 うちの軒下でゆっくりと歩いていた。 彼女は痩せ型のスリムなボディで、お目目はパッチリ、黄緑色の服がよく似合っていた。 こちらが近づくと少し警戒した素振りを見せたが、特に攻撃してくることはない。 彼女を見た我が家の長男が、こう言った。 「お母さん、このカマキリ飼ってもいい?」 私は迷った。 ちゃんと育てられるか自信がなかったから。 「まずどんなエサが必要なのか調べ

ただ今、中学の入学式真っ最中。

4月の荒ぶる天気の中、長男は入学式を迎えた。 今、体育館で生徒たちが下校するのを待っているところ。 40分近く待たなければいけないとのことなので、やることもなく、スマホのnoteアプリを使ってこの記事を書いている。 今年、我が家の長男は地元の公立中学に入学した。 毎年1学年につき、8クラスほどあるらしいが、今年は5クラス。 残り3クラス分はどこへ行ったのか。 ほぼ私立中学である。もしくは国立大学の附属中学。引っ越しをした子も、多少いるらしいけれど。 多くの子が受験するとは