21時に眠剤飲んでログアウト。
ストーリーがないと
自分の悲しみさえ持てないような
不感症の群れに
自分自身が含まれていること
言葉では否定できない
夜の情報の渦
こんな世界
21時に眠剤飲んでログアウトです
*
「言葉にしなければその感情は無かったことにされてしまう、だから叫べ、叫べ、叫べ」って
ミュージシャンの人が
必死に黙って文字で打ってたの笑ったっけ
哀しくって
*
今どきの若いもんは
記憶容量に恵まれすぎて儚さが足りない
*
先生こうも言ってた
「つまるところ、生き物の本能は子孫を残すこと一点に尽きる」
それは
多分違うよ
自分が創るものだけじゃなく
たまたま見つけたものまで撮って残して
自分で得た喜びも
一瞬で通り過ぎた苦しみも
理解されない悲しみも
とにかく
自分と紐付くものは何もかも
この世に残したいんじゃないかな
遺伝子じゃなくて分子
せめて何か分子1つでもこの世に残ればって
そういう
春空を埋め尽くす花粉と同じことなんだよ
月夜のサンゴの産卵だよ
自分そのものをバラバラに拡散させて
この世界に溶かしこむような
不確かなやりかたを愛してやまない
だから
儚さが失われた世界は
かえって空気が濃すぎて苦しい
*
結局
なんだかんだ まだ生き苦しいと思ってる
けど世界の死者数の増加は止まらないし
自分サイドは
何かに護られてると言わざるをえない
「生きる」「死ぬ」って
軽率に言うとわがままになる
自分が何に護られて
今生かされているのか
それを1から詳しく説明できる専門家がいる
そいつは俺のことなんか何も知らないけど
そいつは筋道の通った解答を用意していて
それを咀嚼して消費できるかどうかは
受け手たるこちらの「自由」だという
気に食わなかったよね
結局 誰だったんだあの連中
*
強い光は
部屋に影を作り
強い闇はスクリーンになって
自分の見たい幻が投影される
自分が
自分の時間を決めているのだと思い込みたい
デジタル表示が 22:00 を示せば
ぼくはラジオをつける
まだまだ情報は続きます