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作品制作中の男の日記③

昨日まではアニメーション制作でしたが、今日は 6/19開催の主宰タンゴコンサートの譜面制作でした。きっと明日はまたアニメ作りに戻ります。8月末まで何かしらの制作でびっしり埋まってしまったので「作品制作中」状態は夏まで続きます。
作曲をするとき、出来上がった音楽のうち「どこまでを譜面に書くか」について熟考します。作曲時はその曲に必要不可欠だと信じている~装飾音符、リピート時にちょっとだけ変わるメロディ、小洒落た複雑なコード~などの大半は勇気をもって削ってしまいます。飾りを削ぎ落としてなるべく「骨」の状態の譜面を目指します。そうすることで、奏者によって違った肉付けが出来得る素材となります。
簡潔に仕上げるのにはもう一つ理由があって、予習・練習をしない忙しい日本人の活動スタイルに合わせている、というものです。海外だと本番の有無に関わらず週1・月1でバンドのリハーサルをするなんてことも普通ですが、日本ではコンサートの直前に大抵1~2回・多くても3回程度のリハーサル限りということがほとんどです。両者の良し悪しについては言及しませんが、日本で曲を書き・バンドを率いるということは「そういった活動スタイルの上に成り立つ種類の音楽をやる」ということに同義だなと最近感じます。
奏者を活かすべく限界まで素材(譜面)を削る。基本的には音楽にとってプラスに働くことがほとんどですが、もしかしたら、知らず知らずのうちに失っている何かがあるのかもしれません。

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