夜の無限性を使う

夜は無限である。一度でも徹夜したことある人ならわかるだろう。どれだけ色々やってみても、なかなか時間が経過しない感覚になる。


私はこの現象は「夜が変化率に乏しい」為に起こるのだと考えている。人間はビフォーアフターの変化率でしか物事を認識できない。夜はずっと暗いしずっと寒いから、変化率が昼間よりも分からず、まるで永遠かのように感じるのだ。


この永遠に対しては、注意喚起をする声が多い。「いつまでもスマホ見てないで早く寝なさい」とか、「明日起きれないよ」などと脅しては半ば強引に寝かせようとする。


そして、やりたいことは朝にやれというのだ。朝は有限だから時間を無駄遣いしなくて済む、という主張は分からなくもない。

しかし、眠いものは眠い。朝は苦手なのだが世間は早起きを是とするようだから、息苦しいものである。


こういう私もついこの間までは、「夜はさっさと寝てしまった方がいい」と考えていた。夜に何をしてもあまり良い結果に至らないし、健康に悪いと思っていたからだ。


しかし、最近になって考えが変わった。夜の無限性は「思考する」のに向いているなと思ったのである。私の場合、それはこうして文章を書くことである。


昼間に文章を書こうとすると、どうしても急いでしまうのである。時間の経過が変化率として目に映るからだ。「あぁ、もうお昼か」「あぁ、もう夕方か」などと考えていては、ソワソワして集中できない。


ところが、夜だけは時がなだらかに流れてくれる気がする。ダラダラと夜更かしするのは良くないが、22時くらいからポチポチ書き始めれば、24時までには大概疲れて眠くなる。物思いに耽るのは、しばらくこの作戦で行こうと思う。


有限も無限も使いようである。

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