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大切なのは「命」ではなく「その人」だと思う

人が自殺で亡くなると、お決まりのように「命の大切さをうったえる」みたいな話が出てくることに、いつも違和感を感じていました。大切なのは命ではなく、「その人」だと思うからです。

「命の大切さ」という話の分かりにくさ

命の大切さっていう話って、僕にとってはとても分かりにくい話です。まず、人間の命の話をしているのか、あらゆる種の命の話をしているのか、そこが分かりません。

また、「命」が維持されるということについての話なのか、「命」をどのように燃焼させるのかという使い方=生き方についての話なのかも曖昧です。

科学的な解説をしながら、「こんなに神秘的なんだよ」という話なら分かるのですが、「命を大切にしよう」と言われると、自分はそこに含まれていないような気がするのです。

「その人」であることを大切にする

僕にとってしっくりくるのは、「その人」を大切にするという発想です。

そこに「その人」がいて、「その人」は他の人とは違う。似ている人や同じような属性の人はこの社会に大勢いるけれど、どこをどう探しても「その人」は他に見当たらない。「その人」が自分らしくふるまっているのを目撃した人は、「こういう感じは、この人にしか醸し出せない」という感慨を持つことになる。

そういう意味では、「その人」を大切にするというのは、他の人と同じように扱うということでは実現しないと考えられます。その人がその人らしくあることを、尊重する。もしそれが出来ずに苦しんでいるなら、「だいじょうぶ? どこがどんな感じで苦しいの?」と声をかける。

そして、それが出来る人は、きっと自分らしく生きることを通して自分を大切にしている人だと思うのです。

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