見出し画像

夢中と義務

学生の頃、好きな文章をひたすら書き写していた。

確か最初に写したのは時間の形は無限…といった佐野洋子さんのエッセイだったのだけれど、ひたすらノートに書き写していた。勿論本も買った。
その時の私は好きな本やテキストの読解文、和歌、短歌、俳句、川柳などをひたすら書き写す癖があった。
写し終えてから何度も朗読もした。

「自分でも生み出せるようになりたい」という気持ちもあったけれど、それよりかは「自分の成分にしたい」という感情だったかも。
自分の中で書き記したり声に発したりすることは自分のもの(武器)にするような感覚があったのだと思う。

大人になって、写経やトレースはクリエイティブスキルを伸ばすと知るけれど、あの頃のような夢中さは勉強には叶わないと感じる。
夢中を義務にしたら本末転倒だけれど、また夢中になりたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?