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【中東アフリカタイムズ】ガザから世界へ!メッセージをぶつける11歳ラッパー

パレスチナ、とりわけガザ地区と聞いたとき、どんな印象を持つだろうか。
未だ解決の糸口が見えない中東和平問題や、イスラエルとの衝突、紛争など、なんだかいつもきな臭いイメージが強いのではないだろうか。
もちろんこの問題自体に様々な意見があり、世界中で多種多様な議論がされています。しかしそういった政治的なトピックは一旦置いておき、今回は意外にも盛んなパレスチナの音楽シーンに関するニュースを紹介したい。

ガザから世界へ!11歳ラッパーのメッセージ

こちらはカタールの報道機関アルジャジーラの今日のニュース。

「ガザに住むパレスチナ人の現状や僕ら子供が置かれている境遇が、そのあるべき姿からどれほどかけ離れているか、壁の外の世界に伝えたい」
と語るのはガザに住むアブドゥルラフマン君。なんと11歳!
今月の初旬にインスタグラムにアップした綺麗なアメリカンアクセントでラップする彼の動画には、たちまちアメリカやイギリスの有名アーティストから絶賛の声が!
それまで800人ほどだったフォローワーは9万人を超えるほどに。

そんな彼がラップを始めたのは9歳の時だそうで、自分でもその才能を自覚するほどだったとのこと。そしてさらにすごいのが、ラップの技術からその流れるような英語まで、すべてスマホ1つで覚えたそうで。

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窓の側でスマホをいじるアブドゥルラフマン君

「これからもラップを続けていきたいし、アルバムだって出してみたい」
と語る彼の今の夢は、アメリカに行って、影響を受けた多くのアーティストに会うこと。そしてもっと上手いラップが書けるようになることだそうだ。

パレスチナで実は盛んなヒップホップ

パレスチナでヒップホップが盛んなことは、そんなに日本では知られてないだろう。私もいざ仕事でイスラエル在住になるまで想像もしなかった。
しかしパレスチナのフェスには必ずと言っていいほど何処にでも登場するし、その人気も絶大である。スタイルは英語で歌ったりアラビア語で歌ったり、ヘブライ語と混ぜてみたりといろいろなのだが、ラップやヒップホップのことなんて1ミリもわからない私が見ても、とにかくカッコいいのである!
そしてなんと2008年にはこんな映画まで撮られている。

ヒップホップというジャンルだからということもあるかもしれないが、やはりその歌詞の内容にはアイデンティティには政治的なものが多い。でもそれもイスラエルとパレスチナという政治的な軋轢や、様々な制約がある環境で育った彼らだからこそ生み出すことのできる独自の音楽文化なのかもしれない。
そういう意味では今後パレスチナのヒップホップが、そしてパレスチナのラッパーがどんな曲を作り出し、どんな詩を紡ぐのか、注目したいところである。

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