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筋肉ほぐれる春の風

今日はネイル屋さんに行ってきました。最近通っているお気に入りのネイルサロンは電車で1時間、乗り換え2回でJRと私鉄をつぎはぎ乗るのでけっこう遠足。これが4回目なんだけど、前回までの担当さん指名だと人気で予約が取りづらいので恐縮しつつ新人さんを指名。同じ内容の施術でも新人さんだと2000円も安いし、特に仕上がりに不満もないので大満足でした。今回はガチガチに用意した要望を叩きつけてしまったけど、また彼女にお願いするとしたらなんかおまかせしてみたいな。

そして今回のネイルはコチラ

神聖かまってちゃんイメージネイル……
どうして今さらってネイリストさんも思っています。痛ネイルやイメージネイルをやってるネイル屋しか行かんのであたしが話したことがあるネイリストは全員オタクだし、他ジャンルのオタクにもやさしい。今回の方も例外ではありません。好きなアルバムのジャケットやツアーの日程表?とかの子が書いたイラストとか送ったらイメージに合う感じでシールをペタペタ貼ってくれました。やるねえ。
あたしのこだわりでひまわりつけてもらいましたこれは「犯罪者予備君」の「ひまわりの首飾り」にちなんだものです。神聖かまってちゃんてまだ活動してたんだ久々に聴くか、くらいのノリでたくさん聴く時期とまったく聴かない時期がある。その中で「犯罪者予備君」は偶然ちょうど動画がアップロードされた通知をガッツリ踏んでリアルタイムで心を掴まれた曲なんです!高2か高3かな。一番誘拐されたいって思ってた時期です。けっこう大人の年になってもまだ日常が破壊されることを夢見ていたんですね。たしか当時あたしは倫理政経の先生(38・既婚)に恋していたのでたぶん先生が実は変態であたしみたいな野暮ったい女の子が好きで旧校舎に監禁されて偏った「知」だけを餌に奇形の赤ちゃん人間に育て上げてくれる……みたいな妄想をしていたはず。不謹慎とかでなくロマンチックな被害者になることを夢見る心はたまにちらつくものですよね。全然、絶対、やだけどさ。理性でも本能でもないとこにある小さくて無駄な一瞬の気の迷いの感情だからこそそれを我がものにしたくて(自分の理性もしくは本能?感情?の支配下に置きたくて)「魔が差しちゃってる」感じの話ばっかわかりたくて読んだりしてた。そんなLJKのあたしに「犯罪者予備君」はクリティカルにヒットしたんですなあ。

あたしはもちろん桐野夏生が好き。ネイル屋が遠いので電車の中で読もうと図書館の本を入れていたんだけど、めざまし占いでラッキーポイント「長編小説」だったので急遽この桐野夏生の「残虐記」をかばんに入れて出発。本日で4回目となるネイルサロン遠足ですが、見事に4回とも綺麗な青空。今日なんて特に気温も高めで早起きしててとても清々しい気分で遠足を楽しめました……この「残虐記」を片手になアッッ!春の兆しとキモイ本。向かうところはネイルサロン。かわいい天候の日にかわいいお洋服きてかわいいところに行くのになんでこんな気持ち悪い本読んでるんだろーと思っていたけど、読了すると今日のすべてが絶妙に噛み合っている気がしました。どこに行っても自然とつまはじきにされる性質の女の子がおじさんに誘拐・監禁される、というのが軸にあるお話。現実に根ざしていない雰囲気で本能的に嫌悪される存在。変わった髪型をして年甲斐もなく白いふりっとしたロングワンピースをきて爪には「神」と書かれていて電車で自分の両サイドだけ誰も座らなかった今日の自分はこの本の読者にふさわしいのかもしれないね。少女趣味のまま歳を重ねていくと桐野夏生が書く女性みたいになるかも。やだ〜。誘拐が題材みたいなお話を読んで、誘拐が題材みたいな曲のイメージでネイルしてもらって、容姿と言動と服装がちぐはぐな赤ちゃん人間っぷりで周りにちょっと気を遣わせて、こんなシナジーいらねえ。
はじめて神聖かまってちゃんのライブを見た日は大森靖子との対バンだった。靖子ちゃんのライブで一曲だけ強烈に覚えているのが「夏果て」。その日はじめて聴いた曲だったが、あたしが取り憑かれている物語が、この人に歌われてる!とめちゃくちゃびっくりしました。やっぱ誘拐は夏なんだ!やっぱ殺人は夏なんだ!と心高鳴った。幼稚な心が。でもあたしなにか事件が起こるなら春もいいな。夏より奥ゆかしいから。

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