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散歩記録 港区の秘境?「狸橋」

本編

今回紹介するのは、東京都港区南麻布 古川に架かる「狸橋」

最寄り駅は東京メトロ日比谷線の広尾駅。

この一帯は「恵比寿」「白金」「麻布」などのハイソな街が集結して
街並みはもちろん歩く人々もなんだかちょっと優雅な感じがする。
(散歩で連れられている犬すら優雅に見えた)


そんな街の路地裏に、ひっそりと佇む「狸橋」

航空写真で見るとこんな感じ。

中央分離帯に木が植えてあり、作られた自然を感じられる明治通りから
少し横に曲がっただけのところにある。

中々都会のど真ん中な場所に架かっている橋だが
橋の様子はと言うと

川では水鳥が休憩していて人通りもかなり少なく落ち着いた雰囲気。
また、23区内の川にしてはめずらしく堤防がコンクリートではなく
石積みのものとなっている。


橋のたもとには名前の由来が記載された石碑もあり

文字が読みづらい写真ですみません

狸橋の由来 

むかし、橋の南西にそば屋があって、
子どもを背負い手拭をかぶったおかみさ
んにそばを売ると、そのお金が、翌朝は
木の葉になったといいます。
 麻布七ふしぎの一つで、狸そばと呼ん
だのが、地名から橋の名になりました。
 ほかに、江戸城中で討たれた狸の塚が
あったからともいっています。
          昭和53年 港区

とのこと。

話の内容自体はなんてことない小話だが
口伝で伝えられたであろうその話が、橋の名前の由来になるまで
地域に馴染んでいた
となるとなかなか面白いなと感じた。


他にも、橋の由来に出てきた蕎麦屋は福沢諭吉が通った店である
橋だけでなくその周辺にも特徴的なエピソードがあるようだった。

慶応義塾の機関紙。橋の南にある幼稚舎周辺の歴史が掲載されている。



まとめ

何も知らずに橋を渡ればなんてことない地味な橋でしかないが
土地の歴史を知った上で渡ると、先人達の物語を感じられるようで
平凡な体験が少しだけ昇華された気がした。

ハイソな街を路地裏から見守り続けている
ユニークな名前の由来を持つ「狸橋」
是非訪れてみてください。


おまけ

漢字の名板と親柱の写真。親柱の形が古風で面白い。
平仮名で書かれるとなんか可愛い。


狸橋の架かる古川と、その上流に当たる渋谷川の情報を纏めてある
東京都建設局のサイト。
中々面白い。

おしまい。


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