見出し画像

散歩記録 内川

23区内の橋紹介シリーズ、今回は大田区を流れる内川に架かる橋です。

本編

内川は大田区の大森地区を流れる川。
本来の内川は全長4㎞程ですが、現在は大半が暗渠化され
開渠部は東海道本線JR橋梁~平和島運河に注ぐまでの1.5㎞のみ
都内を流れる川の中では比較的控えめなサイズの二級河川です。

一応、暗渠化された源流にも碑があるので今でも存在を確認できます。

川沿いの景色は上流部~河口で大きく変わり、上流部は町工場や閑静な住宅街が広がる下町と比較的新し目なマンション達が入り混じった独特な風景。


中流部は整備が進み架け替えられた綺麗な橋と隣接するように遊歩道が設置されたりしています。


そして下流部は何といってもビーチ。
厳密には内川水門より外側なので川沿いではありませんが、内側の河口部より少し先には「白砂の波辺」という人工ビーチが広がります。

雨が降った日の午前中は10人もいませんでした。

住宅地の合間を縫うように流れる内川の流れつく先はまさかの景色。
23区内にいくつか存在するビーチの中でもかなり異質なこの場所、少し東に行けばより規模の大きく視界の開けた城南島海浜公園があるからか休日でも大混雑はしないためちょっとした気分転換にお勧め。
なお、遊泳は禁止です。


短いながらも特徴的な景色を楽しめる内川。
そこに架かる橋の写真を上流から順にご覧ください。

内川の橋

(勝手橋)

内川の開渠部最上流はJR線の橋梁下から始まります。
で、この線路を歩行者や自転車が通り抜けるには上下それぞれ
4,50m程の遠回りを要するのですが、それを不便に感じた民間の方が架けた所謂「勝手橋が線路下を横断しています
厳密には川に架かる橋ではないですが、風貌が余りにも特徴的で面白いので初めに紹介しておきます。(2022年3月17日封鎖済み

勝手橋の入り口。 高さ的にかなりギリギリなので橋の高さを下げて対応している。
爆音を鳴らしながら真上を電車が通過し、とても橋の入り口とは思えない強烈なインパクト。
注意書き。 地域住民にしてみれば生活の利便性を高めてくれる橋なので有難くても、行政としてはこの橋が原因で事故が起きたら責任は取れないのでこの対応も致し方なし。

肝心の橋の内部はこんな感じ。 高さは170㎝ほどで成人男性の平均身長だとかなりギリギリ
何なら足場の一部は穴が開いていたり、凹んで抜けそうな部分もあり渡っていてかなり恐怖を感じる状態になっていました。
話によると何十年も前から架かっている橋だそうで、単に寿命が近づいていたのかもしれない

右中央が橋の基礎部分。 現場でよく見る足場のような感じ。

そんな勝手橋も2022年3月17日以降封鎖中です。


新田橋

強烈なインパクトの勝手橋の次は新田橋(しんでんはし)。
勝手橋と比べると流石に地味ですが、この橋も中々趣のある橋。
昔ながらの武骨な造りが格好いいです。
現在封鎖中の勝手橋もまだ解体されていなければここから少し見えるかもしれません。


三ツ木橋

内側に架かる橋は歩道が無く横に歩道橋が併設された形式の物がいくつかあり、三ツ木橋もその一つ。
橋の欄干は古く煤けていますが石造りで風格があります。
また、桜のプロムナードの一部になっているようでしたが桜はありませんでした。


境橋


この境橋も歩道はありませんが、接続している道路が細いためか歩道橋は併設されていません。
また、この橋もかなり古いようで親柱の塗装が剥げかけていました。


富士見橋(仮橋)

富士見橋は2022年3月当時大規模な工事中、車道とは別で川の上流下流に
1本ずつ歩行者用の仮橋が設置されていました。
親柱や名板は撤去されていたため撮影ならず。
が、桜のプロムナードの案内板での名前確認は出来ました。

こういう時に便利なので名板以外の名前を確認できる存在は大事。


五之橋

漢字名板
歩道橋名板。

ここも車道と歩道で道が分かれているタイプ。


四之橋

漢字名板。
歩道橋名板。

ここも歩道と車道とで分かれているタイプ。
五之橋と違って橋の架け替えがされておらず造りが古いまま。


諏訪橋

水面が泡立っててなんか汚い感じがしますが、匂いは感じませんでした。

5→4ときて一旦諏訪橋を挟みます。
架け替え済みでかなり真新しくきれいな橋。
小学校に近い橋だからかガードレールもしっかりしていて、車の通りは多くないけれど配慮が行き届いてる感じがします。


貮之橋(仮橋)

しれっと参之橋が飛ばされていますが、恐らく区画整理で撤去されたか何らかの事情で諏訪橋に改名されたかだと思われます。
一応、この辺の川沿いは学校が複数存在するため学校建築に伴って元々あった道が無くなったと推測もできます。
こういった情報も地域の図書館で資料とか探せば調査でるのでしょうか。

2022年3月時点では貮之橋は架け替え工事中で仮橋のみ通行可能でした。
仮橋は本来の位置より20m程上流側にあり、歩道のみです。


一之橋

漂着物対策の浮きの上でカワウがお昼寝。

数字橋シリーズ、3を飛ばして5~1がコンプリート。

この一帯は埋立地であることを考慮すると、一之橋のすぐ東に通る国道15号線辺りまでがかつての海岸線のように見えるので、昔は本当に一之橋が内川の一本目の橋だったのかもしれません。


大森橋

サムネイルに使用した画像。 新しいマンションと昔ながらの構造の橋、穏やかな水面。
何となく落ち着いた内川沿いの街の様子が表れている気がします。
理由は不明ですが漢字名板が設置されているはずの場所にありませんでした。

漢字名板が見つからなくても案内板で漢字名を確認できます。
本当にありがたい。

橋の様子はと言うと、高架を大通りを挟んで2本設置されているタイプのいたって普通の橋。
Googleストリートビューを見るに欄干が塗りなおされているようです。


内川橋

橋の北から続く商店街に合わせてか、お祭りを想起する楽しい色合いの橋。

また、近くにあった碑によると元はするがや橋と言う名前だったそう


新橋

川沿いの道は枯れた木が寂しげ。

新橋は内川の最下流に架かる橋
ひらがな名板の「し」が「志」になっているのが面白い。
共通点はあまり無いはずなのに何故か『HUNTER×HUNTER』の「十二支ん」
を思い出しました。

内川はこの橋の先にある内川水門までが流路で
水門より先は平和島運河となります。

内川水門。



浜辺橋(平和島運河)

内川水門を抜け、小学校や団地横の道を歩くと浜辺橋が見えてきます。

写真は生憎の曇天でいまいち伝わりづらいかもしれませんが、大森地区の先端に架かる橋からの眺めは美しい。

橋の途中にはかつての大森海岸の写真や絵が飾られていて、変わり果てた今の姿と比較するとなかなか面白いです。

橋を南に抜けると冒頭でも紹介した白砂の浜辺に到着。
直接海に面していないので漂着物があまり目立たず、人口ビーチなだけあり整備がかなり行き届いているので遊泳目的でなければ安全にしっかり楽しめるはずです。


これにて内川(+α)に架かる橋はコンプリート。
浜辺橋の方まで含めると2㎞程です。


まとめ

短い流路ながら様々な表情を見せる内川。
最寄り駅は蒲田駅か京浜急行線の平和島駅、大森町駅。
旧内川源流から遡る場合は都営の馬込駅です。

お手軽に歩ける距離で、ちょっとした散歩に最適な内川。
是非歩いてみてください。




おまけ

内川開渠部最上流の少し先。

フレンチトースト(80円)美味しかったです。
格好いい自販機も。
今も使えるのかは少し怖くて試せませんでした。


東京23区内の橋マップはこちらから。


おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?