シリーズA12億円の調達と、Micoworksのこれから
この度、ALL STAR SAAS FUND、Eight Roads Ventures Japanの2社から、総額12億円の資金調達を実施しております。
顧客体験のパーソナライズを実現するマーケティングSaaSスタートアップ「Micoworks」がシリーズAで約12億円の資金を調達
今回の調達は、今後Micoworksが我々のバリューである「WOW THE CUSTOMER」を体現し、アジアNo.1を本気で目指していくための第一歩です。地に足のついた経営を心掛けつつも、関わる皆さまにワクワクをお届けできるビジョンを描いていきます。
これまで積極的に私から情報発信することは控えていましたが、今回の記事はMicoworksの過去を振り返りつつ、今後描いている未来についてお話したいと思っています。
事業領域を転換し、マーケティングSaaS企業へ
2017年10月の創業当時、私たちはLINEで就職活動ができる人材支援サービスの運営からスタートしました。
2019年にLINEでできる採用管理SaaSをリリース、その後現在のコア事業であるLINEを活用したマーケティングSaaS「MicoCloud(ミコクラウド)」をリリースしています。
ほんの1年半前(2020年8月末)までは、社員30名程度で3プロダクトを同時運営するというスタートアップの王道とは外れた会社でした。
当時の私は「マーケットの課題に対して自社の介在価値を創出しよう」との思いが強く、人的リソースが限られているにも関わらず、パワーが分散しすぎていたと思っています。(私自身の拙さが原因です。)
そのため、各プロダクトの業績は伸びていたものの、サービスをより良い状態に変えていくために必要なリソースが十分ではありませんでした。
大きな壁を感じつつもプロダクトを並行して運営し続けていましたが、様々な方から当然のごとく「なぜ3プロダクトなのか?」「何をやっていきたいのか?」といった質問をいただきました。
それを受けて、「自分は何を成し遂げたいのか」というとてもシンプルな問いに徹底して向き合うことにしました。
その結果、以下の結論に辿り着きました。
上記の軸で事業を見直した結果、「MicoCloud」を軸に事業展開することが全てを満たすポテンシャルを有していると判断し、2021年までに他2事業の売却を行いました。
その結果、事業売却とともに「MicoCloud」の成長スピードが早まり、SaaSの業界では一つの指標であるT2D3(※)のペースで今現在も成長を続けています。
また、これまで500アカウント以上でご利用いただき、直近99.4%の継続利用率を誇っています。
事業者とお客様をつなぐコミュニケーション課題の解決に向けて
弊社は、「知りたいと伝えたいをつなぐ、コミュニケーションプラットフォームを創る」をミッションに、事業者とお客様双方が抱えるコミュニケーション課題を解決しようとしています。
これだけテクノロジーが発達しているにも関わらず、お客様は自分たちが本当に求めているニーズを伝えられていません。また、事業者もお客様の今現在の興味関心を把握できていないため、一方的で無機質なメッセージが多くなってしまいます。
このような現状に対して、Micoworksでは「行動履歴の分析に基づくお客様一人ひとりの興味・関心に合ったメッセージを、リアルタイムで最適なチャネルから届けるコミュニケーションプラットフォームの構築」を行うことでより豊かな未来の実現を目指しています。
すべての人々がサービスとの出会いを通じて、豊かな生活を手にする。
すべての事業者が本来持っている強みを生かして輝き、大きな価値が生まれる。
事業者とお客様双方をつなぐ存在でありたいと考えています。
「MicoCloud」の原点
「MicoCloud」の原点は、LINEを活用した自社サービス運営経験からくる課題感です。
プロダクトやCSチームには、実際にLINE公式アカウントを使ったサービス運営に関わっていたメンバーたちがいます。
自社でHR領域サービスを提供している際に感じていた課題は、様々な場所で複数職種の人が異なる目的で活用することの難しさでした。
具体的には、
・1対1のやりとりを自分の対応すべき人だけが出てくる形で行いたい
・スピーディーに対応したいのでスマホで操作がしたい
・予約受付をしたいがチャットのやり取りが続くと埋もれてしまう
など、実際にサービスを提供する上で感じる悩みが数多く存在していました。
そこで、私たちが提供するマーケティングSaaS「MicoCloud」は
・様々な職種、拠点、役職の方が同時に操作しても最適化可能な分岐の柔軟性
・スマホで操作可能な操作性
・様々な外部サービスとの連携が可能な拡張性
が特長となっています。
例えば、WEBやアプリなどの行動ログを連携できるので、事業者のマーケティング全体の効率を高めることが可能です。
そして、スマホやタブレットからも操作可能であるため、業務上、常にパソコンを触れる環境ではない接客スタッフの方々にも無理なくご利用いただけます。
だからこそ、当初想定していた以上に多様な業種・職種の方々にご利用いただきながらも安定して高い継続率を誇っています。
書いてみるととても単純なことにも感じられますが、現在社会に存在するサービスの多くは実際に自社でプロダクトを使ったことがないチームで企画し開発されています。
一方、私たちは当事者としての課題感に即してプロダクト開発しています。端から見るとOne of themに見えても、事業者の皆さんが実際に利用する際に本当に必要なサービスが提供できていると考えています。
Micoworksが描く未来は「マルチチャネル化」と「ダイナミックセグメンテーション」
私たちは国内に限らず、より多くの事業者の皆様に「売上が伸び、業務効率化を実現できる」という効果実感をいただきたいと考えています。今後ともエンドにいらっしゃるお客様の体験価値を高めながら、事業者の皆様への付加価値も高めていこうとしています。
そのための主要なキーワードが「マルチチャネル化」と「ダイナミックセグメンテーション」です。
「マルチチャネル化」とはメールも含め、様々なコミュニケーション手段で事業者がエンドユーザーのお客様と繋がれる状態に拡張させていくことを意味しています。
世の中には、LINEのやりとりが好ましい方もいれば、メールが良い方もいます。
中高生だとInstagramだったり、今後はまた別のチャネルが出てくるかもしれません。また、海外に目を向けるとWhatsAppやWeChatといったアプリが主流です。
そのため、より多くの事業者とお客様の「知りたいと伝えたいをつなぐ」ためにマルチチャネル化は必須であり、とても重要な要素となってきます。
事業を一本化した理由でもある「グローバルで戦える会社になること」、具体的にはアジアNo.1のBtoCコミュニケーションプラットフォームを目指すためにも必須です。
もう一つのキーワードである「ダイナミックセグメンテーション」とは、すべてのMicoCloudユーザーがお客様に最適な情報をお届けするために必要な仕組みを指しています。
技術的な話は割愛しますが、たとえば下記のことが実現できると考えています。
先日都市部でも大雪が降りましたが、困る人たちがたくさん出てきていました。
ダイナミックセグメンテーションを用いることで、雪が降っているエリアの住人の過去の回答や行動の情報をもとに、
「Aさんは子どもがいるからファミリー向けのキャンペーン」
「Bさんは独身だからひとり時間を楽しむための案内」
と自動でユーザーをクラスタリングし、一人ひとりにとって最適なメッセージを送り、行動を促します。
そもそもですが、今現在も多くの事業者さんは「20代・女性・大阪」という定性情報を軸に、メッセージを届けていました。
しかし、実は20代女性の中にも「大学生」「社会人」「主婦」「妊婦」のように、さまざまな生活環境におかれている人がいます。現在の興味関心が異なっているにも関わらず、画一的に情報発信がなされてしまいます。
これでは一人ひとりが求める「知りたい」に合わせた情報提供ができておらず、パーソナライズされた顧客体験が実現できているとはいえない現状があります。
しかし、これが今世の中で日々起きている事象であり、こうした負の状態を解決する一つのアプローチが「ダイナミックセグメンテーション」だと考えています。
「MicoCloud」を使えばあらゆるチャネルを通じて世界中の人々とつながることができ、お客様一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現できます。
そうすれば、社会全体がもっと豊かで心地良い場所になると思っています。
世の中を変えるインパクトを与えたい方々の力をお借りしたい
Micoworksが描く未来を実現するには、一緒にミッション達成に向かって走れる仲間がもっと必要です。
私自身は競争優位のあるプロダクトは、競争優位のあるチームから生まれると信じています。そのために必要なのは、優れたカルチャーと人だと考えています。
まずは徹底した顧客目線なカルチャーを軸に、競争優位のあるチームを創り上げたいと思っています。
弊社では「WOW THE CUSTOMER」というバリューを掲げています。
「顧客が感動する価値創造に向き合おう」という価値観です。
我々のお客様は直接サービスを利用いただく事業者の皆様だけではなく、その先にいるエンドユーザーの皆様も含んでいます。
両者から喜ばれるではなく、感動を生み出す価値創造にコミットし続けることで社会にとって本当になくてはならないサービス・会社となり、その結果アジアNo.1のサービスへと成長していけると考えています。
お飾りの言葉に止まらず、個人そしてチームとして体現していくためのカルチャーづくりにも積極的に投資をしていきます。
また、カルチャーに共鳴する優秀な方々の採用に注力しています。
特に募集しているのは、マネジメントレイヤーとプロダクトチームです。
・マネジメントチーム
全方位的に事業成長に対して追いついていないと感じています。
「やらないこと」を決断し、シャープなアクションプランを策定し遂行できる方を求めています。マネージャーのような存在から役員クラスまで募集中です。
・プロダクトチーム
技術的難易度が高いテーマが多い一方で、それら全てを実現する、それも最速で実現するためのリソースが必要です。
難易度の高いテーマに対してワクワクできて、自分の力を試したい方や一つのトラックレコードを作りたい方にお力添えいただきたいです!
エンジニアに限らず、UXデザイナー、PdMの方々も募集しています。
Micoworksでは、今年1年間で100名の採用を計画しています。
先述の職種に限らず、全方位で採用強化していきたく思っていますので、お気軽にご応募ください!
今回の資金調達はあくまで小さな一歩目にしかすぎません。
Micoworksはこれからが本当に面白いフェーズだと考えています。
国内No.1そしてアジアNo.1を実現していくために、これから出会う方々とも一緒につくっていきたいと思っています。
Micoworksをより知っていただくために、以下のコンテンツもご覧ください。
▼NewsPicks掲載のインタビュー記事
▼Micoworks採用資料
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