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シリーズB 35億円の資金調達に寄せて

今回Micoworks株式会社はVertex Growthをリード投資家として、ジャフコグループ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、および既存投資家(ALL STAR SAAS FUND、Eight Roads Ventures Japan)を引受先とした第三者割当増資によって、総額約35億円を調達しました。

弊社の可能性を信じ、投資を決めてくださった新規投資家の皆さま、ここまでとても献身的にサポートをしてくださっている既存投資家の皆さま、本当にありがとうございます。言葉だけではなく、必ず大きな成功でお返しして参ります。

そして何より、WOW THE CUSTOMERの体現に向き合ってくださっている社内のチームの皆さま、本当にありがとうございます。

今回の調達はチームのWOW THE CUSTOMERに向き合う姿勢と成果が評価された結果の賜物です。
いつも献身的に支えてくださり本当に感謝です。

このような大きなイベントがある度に、自身の力でできることはとても小さいこと、周囲の皆さまのお陰で自分が生かされていることをいつも以上に強く実感しています。

Micoworksが掲げる「Asia No.1 Brand Empowerment Company」のビジョンに向けてまだまだ始まったばかりですが、シリーズA資金調達時から現在、そしてこれからのMicoworksについて本noteで記載させていただきたく思います。


シリーズA資金調達時から現在までの変化

2022年2月に実施したシリーズA資金調達時から現在に至るまで、おかげさまで事業・組織ともに大きく成長することができました。

また、社外との関係性にも大きな変化がありました。

  • MicoCloudが「BOXIL SaaS AWARD 2023」BOXIL SaaSセクション LINEマーケティングツール部門 1位を受賞

  • 「LINE Biz Partner Program」において「Technology Partner」のコミュニケーション部門「Premier」に認定 2023年度の認定バッジ「Engagement」を取得

  • 高度なパーソナライズ配信を実現する「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」をCriteoと共同開発


もちろん、他にも多くの変化がありましたが、シリーズA調達以前は「3プロダクトからの選択と集中」、シリーズB資金調達に至るまでは「SaaS企業への転身に紐づく変化」が中心だったように感じます。

まだまだ課題は多いものの、備忘を兼ねて経営へのインパクトが大きな変化だったと感じている4点を記載させていただきます。

1.会社の未来を創造できるタレントの採用
2.プロダクトのリニューアル
3.エンタープライズ領域への展開
4.パフォーマンスに向き合うカルチャー

1. 会社の未来を創造できるタレントの採用

前提として様々な変化や要因があるものの、採用に関する考え方/在り方の変化が大きかったように感じています。 その中でも、特にマネジメントレイヤーの採用においては「会社の未来を創ってくださる方なのか」の視点で考える重要性を感じました。

大前提として、弊社のように仕組み化が追いついていない状況下で、マネジメントとしてパフォーマンスを発揮するには
・自身で組織が成長する課題設定と仕組みを作ること
・制約条件がある中で確度の高い意思決定をスピーディーに行うこと
・意思決定や目標に対してチームとしてやり切ること
が必要です。

何より、仕組みが整った中でオペレーションのみを行う役回りではなく、調査と方針策定、意思決定と執行をスピード感とともに繰り返し求められることから、成果達成の難易度が高い傾向にあるとも感じています。

そのため、決して簡単な採用/登用ではありませんが、今後の成長にインパクトのあるタレントが集まるのか否かで会社の成長角度が変化し、組織コンディションを大きく変化させることを体感しています。

弊社の例を挙げると、前職でデジタルマーケティングの会社にて副社長兼取締役CSOを担っていた現COOの八重樫さん、Salesforceで世界No.1を獲得した現VP of Salesの架谷さんがとても大きなインパクトを与えてくださっています。(もちろん他にも多くの方が様々な貢献をしてくださっています)


2. 主力プロダクト「MicoCloud」のリニューアル

今後の成長へのインパクトという観点で見ると、主力プロダクト「MicoCloud」のリニューアルがとても大きかったと感じています。

ありがたいことに急速に導入企業も増加し、エンドユーザー数も増え続ける中で、高いセキュリティ環境への対応や、今後の拡張性を鑑みてリニューアルを行ったほうがよいのではないかと感じるようになっていました。

一方で社外の有識者からも、リニューアルは一般的に失敗しやすいという話もあり、社内においても繰り返し議論を重ねましたが、アジアNo.1になることを鑑みるとリニューアル以外選択肢がないことは明らかでした。

その後、リニューアルの意思決定を2022年の春に行い、2023年GW前後にリニューアル版のリリースに至ります。
現時点では当初の狙い通りの改善ができており、リニューアルをやり切ってくださったプロダクトチームの皆さんには本当に頭が上がりません。
急速にチーム自体も拡大し、お客様も増加する中とても大変だったと思いますが、本当にありがとうございます。

1年以上の時間と大きな投資を必要とした一大プロジェクトでしたが、このような判断に理解を示してくださった投資家の皆さまにも感謝しています。


3. エンタープライズ企業にも受け入れられるように

2022年夏頃からMicoCloudをエンタープライズ領域へフォーカスしていくことに決めました。
今後も継続的にトップラインを伸ばしていくためには、エンタープライズ領域への展開がベストだという経営判断で舵をきったのですが、今までのやり方とは異なるスキルセットや顧客アプローチが求められるようになり、一部のメンバーには大きな適応負荷をかけてしまっていたと思います。

そんな中でも着実かつ、スピーディーに改善を行った結果、その後、順調にNew MRRが伸びている成果に結びついています。
経営方針の転換を受け入れ、WOW THE CUSTOMERを含めたカルチャーを忠実に体現し続け、実際にやりきってくださったチームの皆さんを本当に誇りに思います。


4. パフォーマンスに向き合うカルチャー

タイトルだけ見ると、シビアに捉えられかねないですが、パフォーマンスに向き合うこと= WOW THE CUSTOMERの体現を重視しました。

前提として、まだ何一つ成し遂げていない我々は会社として勝ち切らなければ存在価値を証明することができません。そして、社員の皆さまにも株主の皆さまにも最大のリターンでお返しするためには、成果から逃れることができません。

また、SaaSを含むスタートアップを取り巻く市況の変化から、利益と成長双方を重視する必要を強く感じ始めました。
そのような変化がありつつも、SaaSというビジネスモデルについて誰もが科学できるほどにノウハウが公開され、戦略も似通いやすい領域において勝ち切るには、それだけ強いパフォーマンスへのこだわりが必要不可欠だと考えています。

そこで、パフォーマンスにこだわるカルチャーづくりの一環として、「経営チームの360度評価」と「グレードのフルオープン化」に踏み切りました。
結果的にマネジメントチームが必要な緊張感を持って仕事ができるようになり、全社としてもグレードとパフォーマンスの歪みを減らすことに繋がっています。

何より「役職は単なる役割であること」や「経営メンバーこそバリューの体現やチームの信頼獲得など、模範となる人間でなければならない」という当たり前のことを徹底する役割も担い始めています。


シリーズB資金調達以降のチャレンジ


さて、ここまで順調に進んでいるような記載をしていますが、もちろん多くの課題にも向き合い続けています。
その中でも今後の大きなチャレンジだと感じていることを3点記載させてください。

1. ソートリーダーシップの獲得
2. テックによるWOW THE CUSTOMER
3. 第ニ、第三の柱づくり

1. ソートリーダーシップの獲得

やや馴染みのないワードだと思いますが、正式な定義だと下記のような意味合いになります。

企業が特定の分野(業界・テーマ・社会問題)において、将来を先取りした革新的なアイデアや解決策をいち早く発見し、示すことでその分野における主導者となること

特定の分野で先導者に!今注目のソートリーダーシップとは?

弊社のミッションは「Empower every brand for the better future」であり、世界中全てのブランドをエンパワーすべき会社です。
世界を見渡すと、様々なコミュニケーションチャネルでブランドと生活者のコミュニケーションが営まれており、マルチチャネルでのコミュニケーション支援をする必要があります。

一方で現在はまだまだ「LINEのマーケティング会社」というような認知であり、到達したい場所やプロダクトとして目指したい姿とは今後乖離が起きていくことが想定されます。

そのため、弊社が創り出すべき未来であり、WOW THE CUSTOMERの体現にもつながるソートリーダーシップを獲得していくことが今後とても重要になってくると考えています。

もちろんここには現実的なプロダクトバリューが必要になりますので、プロダクトの進化とともに変えていこうとしています。こちらは、公表できるタイミングでまたお知らせいたします。

2. テックによるWOW THE CUSTOMER

「Empower every brand for the better future」を実現していくためには今の何十倍・何百倍ものブランドにWOW THE CUSTOMER(成果で驚かす)を届けることが必要です。

それだけ大きなプロダクトになるためには様々なチャレンジがあるものの、お客様を起点としたWOW THE CUSTOMERの継続した体現が必要不可欠です。

弊社のようなマーケティングサービスは、他社よりも高い効果が出るからこそ継続され、良い口コミが増加し、結果的に新たなお客様が増加したり、既存のお客様のお取引金額が増え続けたりという正の循環に繋がると考えています。

そして、まだまだ課題は多いものの、今でもこのような思想があるからこそ、高い継続率や後発ながらも年間No.1をいただける現状に繋がっているはずです。
しかし、まだまだCSやお客様の献身性に依存する側面が存在しています。

だからこそ、テックによるWOW THE CUSTOMERを体現できるプロダクト開発、及びチーム組成が必要不可欠と考えています。

そこで、そこへのアプローチとして、直近2つチームとしてのアップデートがありました。

1点目は、SmartNewsでSenior Product Directorを務められていた小越さんの加入です。
小越さんはSmartNewsで海外主体の50人以上のチームを率いられ、大きな売上を創出されてきた経験に加え、サイバーエージェントグループにて2社の子会社取締役を担われ、様々なデジタルマーケティング事業/基盤開発に携わられていた経験を有しています。
事業領域、グローバルチームづくり、データ利活用、考え方等あらゆる方面でとても高い親和性を感じました。
事実、ジョインしてまだ数ヶ月ではあるものの既にプロダクトチームが大きく進化を始めています。

2点目は、AI/ML(マシンラーニング)チームの発足です。
LLMの登場とともに様々な会社でチーム組成に関するリリースが出ていましたが、弊社でも正式にチームを発足しました。
弊社では台湾のエンジニアを採用し、このチームを立ち上げています。
これまでに多くの実務経験を持つAI/MLエンジニアでスピーディーにプロダクトに価値を還元する目線で考えると台湾が適切だと判断しました。
元来、マーケティングプロダクトとAI/MLは非常に相性が良い事業ドメインです。
2024年から大きな変化をプロダクトに与えていきます。


3. 第ニ、第三の柱づくり

現在は、弊社の主力プロダクトである「MicoCloud」を起点に、領域ごとにプロダクトを切り出しながら最適化を進めています。実態としては主力事業の「MicoCloud」自体がマルチプロダクト化している状態であり、既に大型案件の受注やExpansionが生まれているなど、手応えを感じ始めています。

しかし、少し俯瞰で見ると、弊社のミッションである「Empower every brand for the better future」を体現するためには、ブランドのマーケターだけではなく、あらゆる事業者をエンパワーできるプロダクトが必要です。その一助となるべく今年から新規プロダクトとして飲食店向けLINEミニアプリサービス「ミコミー」の提供も開始しています。

また、本プロダクトはマニラ拠点のチームでデリバリーしています。
今後の非連続な成長には海外エンジニアを活用しながらのチーム拡大が必須と考えているためです。
新たな事業づくりとグローバルチームづくりを並行させるチャレンジになっていますが、MicoCloudを凌駕するプロダクトに成長させたいと考えています。

Software is local. Hardware is global.

実際にグローバル展開を実現している海外のSaaS企業の方々とお話させていただく中で、「Software is local. Hardware is global」という話を耳にしました。

要するに「ゲームやコップ、机などハードと言われるものは基本的に世界共通の仕様で通用する。一方でソフトウェアは国や地域のカルチャーに紐づいて生み出されるものであり、一定の地域性をはらむ。そして、カルチャーがドメスティックな場合はカルチャー外での展開が難しくローカルプロダクトとして成立しやすい」ということです。

日本に限った話ではありませんが、日本では結果的に日本独自のルールや慣習を元に成立しているソフトウェアが多く、他国に展開する際にはそのまま持っていくことが難しい。よって、国内でも難しい事業のグロースが、ランゲージバリアやカルチャーギャップがある中で更に難しくなっているといえそうです。
※あくまで一意見であり決してこれが正しいという話ではないと考えています。

しかし、マーケティング領域は国、地域ごとのカルチャーによる差異が少ないドメインだと捉えています。

マーケティング領域では、SalesforceやMarketoなどといった海外サービスが日本国内でも定着しています。これは、カルチャーギャップによる参入障壁が低いという証でもあり、裏を返せば日本発のソフトウェアがグローバル展開できるポテンシャルが十分にある領域であるということだと考えています。

もちろん、国・地域ごとに活用度を高めるためのサポートはローカライズした対応が必要と考えていますが、Micoworksでも十分にグローバルで戦うための素地があるとみています。

Micoworksは2030年に「Asia No.1 Brand Empowerment Company」になることをビジョンに掲げています。現実的には展開する国々で強いチームをつくるという大きな壁が存在していますが、国内での更なる成長をベースにアジア市場への展開を見据えたアクションを取っていきたいと考えています。

最後に

「アジアNo.1」に向けた挑戦はまだまだ始まったばかりですが、弊社サービスをご利用くださっているお客様をはじめ、投資家を含むチームの皆さまに本当に感謝しています。

まだ何一つ成し遂げてもいない事実を強く認識し、これからの数年で大きな会社に成長していきたいと考えています。
そのためにはまだまだ多くの採用も必要になってきます。

現在レイヤーや職種問わず、全方位的に採用を進めております。少しでも興味があればぜひ一度お話しましょう。


また、今回の資金調達にあわせて採用に関するオンラインイベントを開催いたします。グローバル展開を見据えた今後の戦略をお伝えできればと思いますので、少しでも興味があればこちらにもぜひご参加ください。

"グローバル資金調達35億円の裏側と”Asia No.1 Brand Empowerment Company”の実現に向けた戦略"

  • 開催日時:2024年1月16日(火)18:30 - 20:00

  • イベント申込URL:https://micoworks20240116.peatix.com

  • 開催形式:オンライン

  • 登壇者:
    Micoworks株式会社 代表取締役社長 山田 修、
    ジャフコグループ株式会社 西日本支社長 パートナー 高原 瑞紀氏

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