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「空気感染だからマスクは無意味」は誤り

[2023/7/23更新]
「空気感染だからマスクは無意味」は誤り。新型コロナはエアロゾルで感染するが、同時に飛沫でも感染する。マスクは飛沫なら80%、エアロゾルでも50%を捕捉できる。同じ空気感染でも、マスクでの予防が難しい結核や水痘、麻疹とは、現時点では異なるとされる。

⚠️注:「空気感染」は誤りではないが古い言葉。事象を表す「経空感染」か、媒体を表す「エアロゾル感染」が正しい。定義に明確な違いはない。

【解説】
口から伝播する感染には以下の種類があり、新型コロナは飛沫感染とエアロゾル感染とされる。(日本呼吸器学会 COVID-19 FAQ広場より)
◎飛沫感染
・飛沫(細かい水しぶき) 直径5μm以上
・1〜2m程度の至近距離を飛散
◎エアロゾル感染
・エアロゾル(微小飛沫) 直径5μm以下
・空中を漂い、数時間(3時間〜)は感染性を維持
◎空気感染(結核,水痘,麻疹等)
・飛沫核(水分が蒸発した菌やウイルス)
・長時間空中を漂い、強い感染性を維持

◾️日本呼吸器学会 COVID-19 FAQ広場
https://www.jrs.or.jp/covid19/faq/infection/20220225171851.html

くしゃみや咳嗽時には、エアロゾルだけでなく、寧ろ飛沫の方が多く排出される。

2021年度第2回計算科学フォーラム

不織布マスクは、飛沫の80%、エアロゾルの50%を捕捉でき、エアロゾル感染でも、感染防止効果がある。
懸念されるマスクの隙間からの漏れは、エアロゾル粒子で30%程度である。

2021年度第2回計算科学フォーラム

◾️第2回計算科学フォーラム (2021/3/24)
「ウイルス飛沫・エアロゾル飛散シミュレーション と計算科学の社会貢献」
現実には一般向けのマスクをぴったりと付けることはできないため、隙間ができる条件でシミュレーションを行っている。
https://hpcic-kkf.com/forum/2020/kkf_02/data/tsubokura_kkf2020-02.pdf
当記事で参照した「咳時の飛沫の粒径分布」の図は、以下の論文がソースになっている。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7126899/

◼️テレ朝News (2021/5/9)
「不織布」マスクは漏れ率が96.60%と、3%程度しか粒子をカットできなかった。然し、「不織布」マスクのつけ方を変えると漏れ率は16.38%と8割近く減少した。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000215535.html?display=full

マスク効果に関する他の論文は以下を参照ください。

◾️「マスクの効果は証明されていない」は誤り
https://note.com/osamu_iga/n/nea8aa648a5c0