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【小学生から素朴な質問】 地域の未来から受け取った企業の答え

新型コロナウィルス感染症の影響で、3月〜6月までの学校で授業や講演をする機会は全てキャンセル、もしくは延期になって、徐々に世の中の規制が緩和されて行くにつれ、延期になっていた依頼が戻ってくるようになりまして。また少し緊張しながらスライドを作る日々が始まります笑

そこで一度(正しい言い方が未だわかりませんが)コロナ前とコロナ後…コロナと共にある時代と言ったほうがしっくりくる感覚ですが、今まで話してきた内容とこれから話す内容は著しく変化していることに気がつきました。

・何気なく使っていた言葉に抵抗がある
・示唆するための図が示唆できてない
・扱う写真によっては語弊が生まれそう

上げたらきりがないですが、様々感じながら地元の子ども達に話す(伝わる)ポイントを探り探りスライド作りに明け暮れています。

そんな中、ふと思い出したのが以前(2018年)地元の小学5年生の子ども達から「MGNETさんへ質問!」と元気にお題を頂いて回答したもの。

コロナ時代、これからのものづくりにとって本当に大切なことを捉えているのか?と少しストイックではありますがそのことを2年前に自分自身が回答した内容に通して、心の変化を改めたく、内容を公開してみようかと思います!

お時間が許す限りご覧ください。
※質問の順番は子ども達の出席番号順なので前後の繋がりはありません
※全ての回答は内容のみで、挨拶やお礼などは省いています

Q、武田金型さんとMGNETさんの関係はどのようになっているのですか?

みんなとお母さんお父さんの関係と同じです。親子ですね。MGNETの社長(わたし)のお父さんが社長をしている武田金型製作所。その武田金型製作所から、ひとつのお仕事を任されてMGNETは生まれました。

MGNETは、武田金型製作所ができなかった、金型の魅力をもっと大勢の人たちに知ってもらうための仕事を任されました。父は金型をつくり、息子が金型の魅力を届ける。まさの親子の関係、親会社と子会社にあたります。

Q、この先の目標を教えてください

「仕事って楽しそうだな!」と子どもたちから思ってもらえるような社会にすること、そしてこれからも社員みんなが楽しいと思ってもらえる会社を支え続けることです。

みんなから、楽しいって思ってもらえたらきっとこれからの将来はとても明るく、楽しい町になると思うので、MGNETの仕事の目標にしています。

Q、(仕事をする中で)地元を背負うというプレッシャーは感じていますか?

少しは感じるかもしれませんが、どちらかというとワクワクしています。

きっとみんなも、何か大事な時間や場面で、プレッシャーを感じて緊張して、うまく行かないこともあるかもしれません。ただ、それはとても良いことで、別の言葉を使うと、みんなにとってそれは「とっても大事なことの証」で素晴らしいことです。

そのことばかり考えてしまうと、どうしてかうまく行かないよね。だからやっぱり楽しいって思えることが一番だなと思います。もちろん楽しいことも、例えば発表会や運動会など、大事な時間や場面を迎えた時には少しはプレッシャーを感じるかもしれません。けどやっぱり大好きで楽しいことなら「よし!」って思う気持ちを勝ってしまいます。MGNETはやりたいことを仕事にします。だから仕事は大好きで楽しいことだからプレッシャーよりも、ワクワクしちゃうんだと思います。

Q、MGNETという会社の名前に込められた思いはなんですか?

Make Good Networks.(メイクグッドネットワークス)を短くしてMGNET、マグネットと読み「より良い環境をつくる」という意味です。

 よく磁石(Magnet:マグネット)を売ってるんですか?と言われます。残念ながら磁石は販売していませんが、磁石のような「引き付ける魅力的な存在」でありたいと思っています。そのためには繋がりや繋がるきっかけ、繋がる理由を作る必要があります。

さあみんなも鉛筆をとってやってみましょう。
まず「点」を書きます。そしてもう一つ点を書く。その点と点と結ぶと「線」になります。これが繋がりです。そしてまた違う点と点が結ばれ線になり、その線と線を繋げると「面」ができます。面になることで、点の時よりも、すごく大きく強そうですよね。 ではその面を遠くに置いてみてみましょう。すると面だったものは点に見えてきて、お友達が書いた面と結ぶことができそうだよね。点と点を結び面を作り、面と面をまた結び、網のようにしていくことでとても大きな繋がりができます。ちょうどみんなが集まったこのクラスみたいだね。そしてクラスがいっぱいあると学校になる。

何かと何か、誰かと誰かが繋がることをネットワークと言います。MGNETはそのネットワークを作ります。 今よりもっと楽しく、かっこよく、素敵に。そんな思いを込めました。

Q、どうしてこの仕事をすることになったのですか?

みんなと同じくらいの年の頃、お父さん(武田金型の社長)がいつも「どうだ!すごいだろ!」と仕事(金型づくり)を見せて、教えてくれました。でもその頃は何がすごいのかわかりませんでした。

燕三条にはすごい技術やすごい商品がいっぱいあります。でもみんなも、何がすごいのかわからない技術は商品って多いよね。だからMGNETはその「すごい」ことをわかりやすく、聞きたい人に、ちゃんと届けたいって思いました。

例えばみんなの大好きなお友達を考えてみて。もしかしたら勉強は苦手かもしれないけど走るのは得意!お料理が得意!絵を描くのが得意!っていうお友達のことを、お母さんやお父さんに紹介したいと思ったら「走るのが得意なんだよ!」と言うよりも「この間のマラソン大会で1番だったんだ!すごいよね!」「自分でお弁当作れるんだって!すごいよね!」「この絵は〇〇さんが書いたんだよ!すごいよね!」って教えてあげたほうがお母さんもお父さんもみんなのお友達のこととってもよくわかると思う。そしたらきっと「すごいお友達に囲まれて〇〇は幸せだね!」って言ってくれるかも。

みんなにとってお友達はとても大事なように、MGNETも燕三条を大事だと思うから、すごいって思うから、そのことを今よりもっとわかりやすく、聞きたいと思ってる人にちゃんと届けたいと思っています。

Q、文字を指で押すとまるで平面であったかのように沈む不思議な金属ブロックを作った時の反響はどうでしたか?

マジックメタルと言います。かっこいいですよね。でも作ったばかりの頃は全然反響はありませんでした。反響が出たのはツイッターで大勢が知ってくれて、テレビに出てみんなが知ってくれて、嵐の櫻井くんがきた時には工場のおじさんたちまで声を出して喜びました。すごい反響です。

マジックメタルは、武田金型製作所の技術の高さを誰でも一瞬で「すごい!」と思ってもらいたくて作られました。もちろんその後も金型がなんなのかはわからなかったとしても、「なんだかすごい!」と思ってもらえるところからはじめました。

みんなも今のお友達とお友達になる前は、「〇〇です、よろしくね!」「ああよろしく!」みたいに友達になるよね。そしてちょっとずつお互いを知って仲良くなっていく。でも例えばその友達が、みんなの話を聞かず、ずっと自分のことばかり、しかも知らない話をずっと続けられたら…なかなかすぐにはお友達になれないよね(汗)

だからMGNETはみんなにもわかる、まずわかってもらえる「すごい!」を形にすることにしました。

Q、女性でも働きやすい環境にするために工夫はありますか?

MGNETは、お母さんも働いてくれているので、家族と話してもらって、次にMGNETの社員達と相談してもらって、好きな時にお休みできます。

他にも、服装は自由で素敵に、仕事場は美しく、お菓子だってあります。女性にとって働くことが楽しくなるように、いつも考えて、女性社員たちに聞いて、良さそうならすぐ実行します。

みんなもお母さんが楽しそうにお仕事してたら嬉しいよね。きっと「どんな仕事してるんだろう?」って思っちゃうかもしれないね。みんなにとってもお母さんが大事なように、MGNETもお母さんがとっても大事だからこれからももっとお母さんたちのお話をきいて、お母さんたちが楽しいって思ってもらえるように工夫を続けますね。

Q、どのような思いで仕事をしていますか?

仕事をしているときはとにかく楽しいです。

大変なことも、失敗することもあるし、凹んじゃうこともあるけど、だからこそ諦めずに続けて、そしたら上手にできてるようになって、お客さんに喜んでもらえたら嬉しいです。それってとても楽しいことです。

もしかしたらお勉強も同じかもしれないね。最初は難しくて嫌になるけど、諦めないで続けているうちに、だんだんわかるようになって、そしたらスイスイ問題が解けちゃって。そしたらそれってなんだかゲームしてる時とか鬼ごっこしてる時と似ていて、何だか楽しい気持ちが出てくるよね。

お友達とか先生とかお母さんお父さんのために無理に楽しもうとしないで、楽しいことって楽しいから大変でもできるしずっと続けられるよね。そういうことを夢中っていうんだよ。夢中は「夢の中」って書くの。だからMGNETは社員みんなの夢やお客さんの夢のために一生懸命みんなで努力を続けている会社だと思ってます。そしてそれってとても楽しいことだなって思っています。

Q、MGNETのプライドは何ですか?

仕事も遊びも本気でやることです。

みんなは友達とケンカしちゃったり、テストがうまく行かなかったりしたらちょっと凹んじゃうよね。そしたら次の日も楽しく遊べないかもね。でもお友達と楽しく勉強できたり、テストの点数がよかったら、その日の帰り道、すごく楽しいよね。そしたら次の日のお休みなんてもっともっと、お友達と遊ぶのすごく楽しみじゃない?MGNETは、お仕事が終わってお家に帰って家族といる時や、お休みにお友達と遊んでいるときを、一番大事にしてねって言います。その方が絶対、お仕事は楽しいし、楽しめるし、だから夢中になれる。そしたらお仕事が上手にできて、お客さんも喜んでくれてみんな幸せだよ。きっと次のお休み、楽しくなるよね。

でもみんなはもう大人だからきっと「そんな簡単じゃないよ」って思うかもしれない。だからね、頑張るんだ。どんなに大変でもその先の楽しいを目指して、簡単じゃないことをちゃんとをやり切るために工夫や努力をします。そして一生懸命、社員みんなと力を合わせて仕事をしています。

Q、作りたい人の支援をするようになったのはなぜですか?

燕三条はものづくりの町なのに、ものづくりしにくいと感じたからです。

みんなも「遊んでいいよ」と書いてある公園で遊ぼうとしたら「走っちゃダメ」「遊具はクツであがっちゃダメ」「おやごさんと一緒じゃないとダメ」「大きい声出しちゃダメ」って公園の人に叱られたら、違うところ行って遊んじゃうよね。つまり遊びにくいなぁって感じちゃうよね。

MGNETは、その遊びたいけど初めてでまだ上手に遊べないお友達に「この公園はこうしたら楽しいよ!」って教えてあげたり、一緒に遊んだり、一緒に家の近くまで帰る友達になるのが仕事なんです。本当はただ素敵な商品をつくりたいと願っていたお客さんのために、ルールを守り、やり方を一緒に考えて、形になるまでずっと一緒にものづくりをする。いまの燕三条にとって必要な仕事だと強く思ったからです。

Q、なぜ(新潟の他に)東京にオフィスを作ったのですか?

東京にはいっぱい面白いことがあって、燕三条では聞いたりみたりできないこともいっぱいある。そして何より全国から毎日そんな面白いことが集まってくるから、楽しいことに夢中なMGNETは、面白そうな場所にもオフィスをつくりました。

でも東京はとっても人がいっぱいいるから疲れちゃうし、とっても速いスビードで新しいことが生まれては消えていくの。そうすると、人のことばかり気になっちゃうし、速くしなきゃって焦っちゃって「何に夢中なんだっけ???」って忘れそうになるんだ。

だからMGNETはみんながいる燕三条にも会社があって、東京でしかできない新しくて面白いことと、燕三条でしかできない楽しくて夢中なことを仕事にできています。みんなが外に出て、先生から勉強を教えてもらいお友達と話して遊び、お家に帰ってお母さんやお父さんと話して、兄弟と遊ぶことに似てるいるね。MGNETもどちらも大事な場所なんです。

Q、(MGNETの商品は)東京や世界などで売られているのですか?

東京なら東京駅のすぐ近くの大きいお店で、世界ならアメリカとヨーロッパでMGNETの商品は買うことができます。その商品は、FOR(フォー)という名前のブランドの金属のケースです。

Q、アイデアが浮かんだら、それをどうやって商品化していくのですか?

一生懸命考えてくれたアイデアも、パッと思いついたアイデアもどちらも大切にするところから初めて、少しずつ形にしていきます。

商品というのは、たくさんのお仕事の最後の最後に、目に見えて、手に取れます。途中にはアイデア以外にも企画、コンセプト、デザイン、開発、試作、製作などなど他にも難しそうなお仕事が本当にいっぱいあります。だからMGNETはまず「どうして?」や「どうするの?」をいっぱい出していきます。

「誰にために作るの?」「どうしてこれを作るの?」「どうして今作るの?」「どうしてこの色なの?」「どうしてこの形なの?」「作るためのお金はどうするの?」「作り方はどうするの?」「作る人はどうするの?」「売る場所はどうするの?」とたくさん質問を変えてはたくさん考え、商品を作っていきます。そして何より「本当に欲しいの?」をずっと考えています。

きっとみんなも、何でも好きなものを作れたら、欲しいものを作りたいもんね。MGNETも同じです。だから「それでも作りたい!欲しいから!」という思いを大切にして商品化していきます。

Q、時代に合わせた商品の開発はしていますか?

残念ながらしていません。

時代を作るための商品づくりに夢中です。例えば漫画“ワンピース“で例えると「なんだか海賊が流行ってから俺らも海に出てみようぜ!」という海賊よりもやっぱり「俺は海賊王になってみんなが楽しく海で海賊ができる時代をつくるんだ!」という、麦わら海賊団のルフィーに憧れるのかもしれません。

みんなが将来「ものづくりって楽しそうだな、やってみようかな」と思ってもらえるような、MGNETはそんな商品を作り出したいんだろうと思います。

以上です。いや〜笑
読み返してみると恥ずかしいものも多く。。。

これもまた自分自身の過程として、大切に保存して、もっともっと地域の子どもたちにものづくりの魅力を伝える機会と伝わる内容に磨きをかけるのみですね。

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その後、子ども達とは一緒に修学旅行も行って東京の企業さんと子ども達で「誇りと夢」を交換したり。

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地元メーカーさんのご好意で場所をお借りし、自ら学んだことを発表したり。

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子ども達からみたMGNETを認めて(したためて)もらったりしまして。かえって自分たちMGNETの方がたくさん贈り物をいただいた経験だったなと。この小学生の素朴な質問から始まった2年跨ぎのプロジェクトは、20年後の地域の未来から受け取った自分たちの答えだな、なんて感じています。

今は色々ありますが、だからこそどんな時代が変わろうとも乗りこなす。このとき届けたこととと反応を真摯に受け止め、これから届けることを真剣に考え、次の時代のものづくりにしっかりとバトンを繋ぐべく、自分たち企業が出した答えに対して誇りを持って。

さらに駆け抜けよう。
モノにエンターテイメントを。
MGNET


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