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西宮ストークス観戦記#63 between the lines

オフシーズン真っ盛り。選手の去就や新しい契約情報に、各チームのブースターが一喜一憂する季節です。いやー、楽しいですね。私は西宮ストークスのファンですが、わりと俯瞰しながら楽しめるタイプなので、オフシーズンの選手の入れ替わりもまたプロバスケットボールを観戦することの一部だと捉えています。新しい選手の獲得や再契約などのポジティブなニュースだけでなく、契約満了や他チームへの移籍のニュースも全部まとめて味わい尽くすスタイル。むしろ「おかず」くらいに思っています。

Bリーグは契約満了や移籍が決まってから情報がリリースされるのが当たり前なので、これでもまだ情報量としては物足りないくらい。オフシーズンの各チームの編成に関する情報が増えると、開幕後やシーズン終盤の「答え合わせ」の楽しみが増します。つまり、チームはどのような方針で選手を獲得(あるいは放出)し、それがどのような結果をもたらしたのかを考えられるようになる。それを数シーズン繰り返せば、チームの中長期的な戦略がどのようなものかを見極めることもできる。長い目で眺める方が面白いというのが私の持論です。

前置きはさておき、ストークスにもまたいくつか動きがありました。これまでの動向については過去2回で触れているのでそちらをどうぞ。

よくもまあこれだけ根拠のないことをツラツラと書けるものだと呆れるかもしれませんが、あながち間違ってないぜ。

◉バーンズ&ブラッドとの契約満了

さて、フィッシャーHCの再契約、3選手との契約満了に続いて発表されたのは、意外や意外、ドゥレイロン・バーンズとブラッドリー・ウォルドー、外国籍選手2人の契約満了のニュースでした。

これは予想外。てっきり2人ともすんなり再契約かと思ってたよ。フィッシャーHCとの再契約から察して、来季もあまり陣容は変わらないと思い込んでいたので。

「移籍しちゃうの?」と涙目のストブーも多いけど、前回の3選手との契約満了とは異なり、実は再契約の有無をはっきりとは明示していないんだよね。よくある「引き続き交渉を続けます」的なコメントはなかったにせよ、球団のリリースには選手からのコメントもなく、明らかに前の3選手とは雰囲気が異なります。この2人の貢献度やチームへ示してくれた愛着から推して、何のコメントもなく去るとは考えづらいところ。アメリカに帰国しているからなかなかコメントがもらえない? いやいや、今、2020年だぞ。

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比べてみると、バーンズ&ブラッド両選手の契約満了のリリースには、谷口・土屋・内藤選手にはあったお別れを告げるコメント(赤線部分)がありません。これは両選手の再契約に含みを持たせていると考えていいのではないでしょうか。いやいや単なる偶然だって? うん、そうかもしれない。

でも、こういう風に限られた情報の「行間を読む」のがオフシーズンの醍醐味。選手のツイートの背景を想像し、契約満了に込められた編成の意図を探り、外国籍のリスト入りにFA市場の相場を読み、選手獲得にまだ見ぬ戦術を勝手に想像する。こんなに楽しいことはないよ。何より妄想は自由。

すると、案の定、こんなニュースが。

記事によれば「西宮は今後、両選手を含めた外国籍選手の中から、来季のメンバーを検討する」そう。つまり、再契約の可能性もあるってことだ。

◉再契約の可能性はあるのか

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Bリーグの規定では、球団は契約更新の意向がある場合、シーズン終了から7日以内にそれを伝えなければいけません。球団が再契約の意向を伝えると、その日から2週間の交渉期間が設けられ、チームは来季の契約条件を提示し、選手と交渉することができます。2019-20シーズンの終了日は4月24日とされているようで、従って球団から選手への更新通知期限は、連休の谷間の5月1日でした。とすると、この日までに契約更新を通知されなかったために両選手は自由交渉リスト入りし、その発表が連休明けの5月7日になったということなのでしょうか。

ただ、もし仮にチームに契約更新の意図がないのだとしたら、4月30日の3選手と同じタイミングで発表する気がするんだよね。だって、分ける意味ないし。広報さんの仕事もまとめて済むし。ここからは完全に私の妄想ですが(今までもそうだけどさ)、おそらくチームは2人にすでに条件を提示しており、それと並行してBリーグ内外の他の外国籍選手とも交渉し、状況を見極めながら判断しようということなのではないでしょうか。

つまり、外国籍選手のアップグレードを狙いつつ、ブラッド&バーンズとの交渉の窓口も閉ざしたくない。いわゆる一つの「両天秤にかける」ってやつですね。そういうのは潔くない!と感じる方は、オフシーズンはあまり楽しめないかもしれません。でも、コロナの影響で来季の開幕がすんなりいくかどうか見通せない状況では、オプションを増やしておくというのは絶対的に正です。むしろ、どれだけプランの種類と幅にバリエーションを持たせられるかがGMの腕の見せどころ。

案外、もう話はついていて、「来季の開幕が決まったらサインしてね」とか言ってるのかもしれない。選手のサラリーは月単位で支払われると聞いたことがあり、だとすれば、契約期間を調整して不要なサラリーを払わなくて済むようにするのはチームとしては当然だよね。

一方で、もしストークス側に再契約の意思がないor薄いとしたら…という想像をするのも意味のないことではありません。たしか狼教授がツイートしてたと思うけど、バーンズ&ブラッドと再契約したとして、それは単なる現状維持ではないかという指摘は十分に成り立つものです。

ほんとその通り。ブラッド選手は確かにとてもいいセンターだけど、反面、対策の立てやすい選手でもある。献身的に動いてくれるけれど、決して「走れる」選手ではないし、毎試合30点取れというのは現実的ではありません。バーンズ選手だって、ストークスにとってかけがえのない選手ではあるけれど、やはり年齢による衰えは否めない。ここがもし若くてアスレチックな選手に代われば…あかん、優勝してまう!

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何が言いたいかというと、ストークスが本気で両選手のアップグレードを狙っているのだとしたら、これはいよいよ本気で来季優勝するつもりなんだとということです。だってブラッドさんタイプのセンターの上位互換って誰? ウェイン・マーシャルかエチェニケくらいじゃない? 両方ともB1行っちゃったよ。それを探すってことはさ、てことです。あるいは全然違うタイプを加えるならそれはそれでアグレシッブな姿勢だし、そこにはやはり球団の強い意志が垣間見えるわけです。

いや、もしかすると、条件提示はしたものの「その金額ではちょっと…」と選手側に保留されただけかもしれない。だとしても、「see you!!」とならずに済んでいるところを見ると、ストークスのフロントは案外、交渉上手なのではないかと思いさえするのでした。うん、完全に見えないものを見ようとしてるな。始めようか、天体観測。

ちなみに、スタメン2人が自由交渉リスト入りしたにもかかわらず、もう一人の劉瑾選手はまだ発表がないんですよ。前述の更新のルールからすると、チームから再契約のオファーがあったのは明らかで、これは来季から設けられるアジア枠でいこうということでしょう。これと合わせて、外国籍のベンチ入りが3人になるレギュレーション変更も踏まえて、大胆かつ慎重かつ柔軟な運用が求められる来季の外国籍選手のラインアップ。劉たんでビッグマンは1人確保できてるわけだから(勝手に再契約前提)、どういう組み合わせにするのか。楽しみは尽きません。

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個人的には外国籍3人体制はないんじゃないかと思っています。何の根拠もないただの勘。やっぱり資金的に難しいんじゃないかな。もしこれで3人にするなら、いよいよストークスの本気度が…(以下同文)。劉たんと再契約のブラッドでインサイドを固めて、走れてリバウンドに強い若い外国籍PFを新たに獲得というのが、現実的かつ最強の布陣ではないかと思ったりしています。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。

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