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一億光年の宝

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北海道別海町中春別の小幡牧場の日常をモデルとした考察の中から産まれたポエム、エッセイの数々。酪農と宇宙を探偵作家土木警備員の著者がコラボさせるなど、好き放題やっている。創作なので…
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#犬の十戒

『男は荒野を進め』

僕だけが一億光年分の価値のある宝物を探しに行く。それは荒野を一人で歩く事と同じ位孤独な行為だ。 誰も僕の背中を押してはくれなかった。 誰もが一億光年分の価値のある宝物の存在を認めてくれなかった。 だから僕は、言葉で言葉で殴り付けてやることにした。 生かすか殺すか。生きるか死ぬか。 殴り付けても、殴り付けても、殴り付けても、誰も宝物の存在を信じてはくれなかった。 もう我慢の限界だ。 いつでも男は、荒野を一人で進む。 ヒタヒタと音を立てる。 足音が、僕の意識を軽

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小幡牧場の番犬、じゅうばんばんです。 水浴びには早かったかも。  出てきた。ご主人さまが。 早く、早く、飛び付きたい❗

『番犬、じゅうばんばんです2』

小幡牧場の番犬、じゅうばんばんです。 新緑眩しい、どこまでも続く牧草地を放たれた牛たちが遊び、戯れる、素敵な季節が来ましたね。 今年も私は、数えて十五回目の夏を大好きな小幡家のみんなと一緒に迎えることが出来そうです。 私が生まれる前から小幡牧場はあったのかもしれないけれど、実は私は小幡牧場の歴史の生き証人なのかもしれません。 何故なら、昔おそらく相当ヤンチャしてたご主人さまが、放蕩の果てにこの地に流れついたことも。 過酷な労働の果てに、一から牧場を始めたことを決意した

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顔は男の履歴書 小幡牧場 じゅうばんばん

『番犬、じゅうばんばんです』

北海道別海町中春別、小幡牧場の番犬、じゅうばんばんです。私は、あなたと同じ、数えて十四度目の季節を迎えました。 私はあなたと一緒に、野の花咲き乱れる春も、新緑眩しい夏も、木の葉散りゆく秋も、一面銀世界の冬も経験しました。 私は無邪気に野原を走り回り、いたずらっ子でおてんばで、まるで変わりゆく季節のように、笑ったり、怒ったり、楽しんだり、涙に暮れるあなたの背中をいつもいつも追いかけてきました。 お出かけですか?保育園の帽子がかわいいですね。ランドセルは重たくないですか?制

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僕は君が大好きだ。君を愛する為に僕は生まれてきた。早く、早く君の側へ行きたい。僕の人生は限りあるから、出来るだけ深く君を愛していたい。 『早く君の側へ行きたい』 写真 小幡マキ 文 じゅうばんばん