戦場で跳ねる魚

ここは私のチラ裏。 ポケモンが好き。 ツイッターよりも気軽に、軽率に、気持ち悪い事も周りの目をも気にせずに。 ブックメーターの文字数制限に引っかかってしまうような感想文などなど含め。 色々メモとして使っていくつもりです。

戦場で跳ねる魚

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 久し振りにやってしまった。青空にまだらを描く白い雲があまりに鮮やかで、今日この日の晴天を約束していた。冬のはずが陽射しが目に沁みる。カーテンを締め切って本の世界に入り浸ってしまった事が運の尽きだった。静かな雨は音を残さない。干したままの洗濯物は、しっかりとした重みを持って哀しげにぶら下がっていた。  雨の匂いが強くて、溜息が出る。衣服は洗濯機に放り込んだ。もう黄昏時だ。何故か彼女の事が脳裏に過った。切り揃えられた襟足、微風では散らばることのない毛先、軽やかなスカートだけが足

    • アルケミスト・ジン

       かなり昔の話だ。数ヶ月程、不思議な女性と過ごしていた事がある。名前を名乗らなかったので、彼女を月子さんと呼んでいた。中性的な面立ちに青みがかったショートカット、ロングのワンピース姿が多く、極端に薄い体型の所為かあまり性別を感じさせない。香るか香らないか薄らとしたストラスクガン。一歩間違えれば学生に見える風貌だが、きっと私より年上だろう。  月子さんと会うのは夜だった。仕事が終わり彼女の家へと呼ばれて行く。職場からは電車で一本だったし、その頃の私はと言えば家に帰りたくなかった

      • スカーレット

         立春も過ぎれば、寒さが雨に濡れて徐々に暖かい春へと近付く。季節の変わり目の話をしたら「初めて聞きました、詩的ですね」と笑顔を向けられ、小馬鹿にせず聞いてくれるこの人はきっと優しい人なんだろうと思った。彼は春を目前に退職した。今は素晴らしい仕事をしているだろう。  冬は寒いから憂鬱だと嘯く事ができるけれど、春は何の理由もなく私の気を最も狂わせる。4月から始まる事ばかりの学生時代は必ず出鼻をくじかれるので、春が一番嫌いな季節だ。春が芽吹きの季節なら、それに対して死をおもわずには

        • 2021年に読んだ本からベスト3を選んでみたかった。

           お友達が「今年は毎月2冊読もうと思ってるんです」と楽しそうに話していたので「具体的に目標を持って数える読書も面白そう!」なんて思いつつ、2022年の2月が終わろうとしている今日この頃。去年借りたままなかなか読み終わらなかった本を、前の方に戻りながら読んでみたらあまりの面白さに夜を更して深夜の3時。こんな読書の仕方は久し振りでした。  基本的に電車時間と休憩でしか本を読まず、家では別のことをする事が多いので「借りた本はなんとなく外で読めないな……」なんて言い訳して読み終わらな

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        • 月を泳ぐ魚
          10本

        記事

          2月12日の感傷。

           冬は大体憂鬱で、特に2月は酷くなる。立春を過ぎても暖かくはならないし、電気代もガス代も1年で一番高い気がする。  ガーベラの花を1輪買った。煙草はパーラメント。500円でお釣りが来るつもりだったけれど、店員さんは620円だと言った。  父が危篤状態だと知らされたのは、年末だったか年明けだったか。父と母は色々な事を片付け既に離婚をしており、沖縄では完全に別居をしていた。私はといえば病院通いをしながら、生まれ育った横浜に人様の家でご厄介になっていた。急な呼び出しに着の身着のま

          2月12日の感傷。

          これがバトルなのか。

           2nd D.R.Bの中間発表がされました。あまりにも心が、感情が揺さぶられてしまったので、今思う事を勢いのままに書き連ねてしまおうと思います。  一次のライブ投票、二次のCD投票の結果。言葉を失う程の投票差。僅差とは言え側から見ればそれは下克上的で。そして信じてはいてもその結果に半ば現実感が失せて放心状態になり、そして徐々に湧き上がる高揚感。それぞれの戦いに思わぬ番狂わせがあったのではないでしょうか。  自分はというと、このコンテンツを知ってから日がまだ浅いので、いわゆる”

          これがバトルなのか。

          その次の世界へ連れて行きたい。

          "ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 6th LIVE <<2nd D.R.B>>"を見てしまった話。どうしても文字にしたい衝動に駆られてしまったので、思いの赴くままに。思いついた順にパラパラとメモのような散らし文で。 ヒプマイライト層で(私は腐ってもポケモン勢)、あまり知識がないのと、そこまで色んな考察をしたり拝見したりもしておりませぬ。解釈違いや勘違いを大いに含みます故、ご容赦くださいますよう。  とにかく真っ先に書かなければならないのは"ピンク

          その次の世界へ連れて行きたい。

          差し詰め、35等星。

           2月18日。空はこんなに明るいのに、雪が降ったり止んだり時々吹雪いたり。でも陽射しは暖かいのでこのまま昼間のうちは積もる事はなさそう。雪が降るだけで簡単に心が揺さぶられる私は軽率に感動してしまい、この日に展示を見に行くだけでどことなく特別さが増すような気がして、気分はさながら文学人だ。  という事で、今日はずっと楽しみにしていた最果タヒさんの展示『われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。』を見てきました。われわれを星に(しかも6等星に)見立てる

          差し詰め、35等星。

          私の好きな人は、あなたがすき。

           学生時代の思い出。何故か集まる三人がいた。私と、彼女と、彼。私は彼がそこまで好きではないけれど、何故かなかなかに話せる奴。私は彼女が好きだった。彼には恋人がいて、彼女にも恋人が居たけれど、彼女と彼はどうやらちょっとただならぬ関係。惚れた腫れたというよりも、世界を共有する間柄。だから三人集まったところで、私はなんだか蚊帳の外。ただ彼女を見詰めるだけだった。私にしてみれば二人はちょっとお似合いだし、付き合ってしまうのかもしれないとすら思っていた。でも私は彼女が好き。二人だけの世

          私の好きな人は、あなたがすき。

          2021年1月29日

           2021年1月29日。朝に天気予報を確認して雨の降る気配がない事を確認。洗濯物を干し、今日発売予定の商品を買いに大きな街へ。お店に入ってみたものの、実は明日が発売日。ちょっと落ち込み「そういえばずっと欲しかったと思ってたイヤリングだけでも買って行こう……」と探してみたら全てピアスしか残っていない。ここまで来て何も得られず帰宅するのは少し嫌だと思い、唐突にピアスを開ける事を決意。ピアスを買ったその足でそのまま病院へ行きピアスを開ける。とりあえず試しに右耳へ一つ。外に出てみれば