選択と強制、そしてUX改善におけるKPI
Webサービスを運営していて、UXを考えるに当たって、選択させることと強制させることっていう軸が大事だなって思いました。
UXにおける選択とは
結論をいうと、Aという選択肢とBという選択肢が選べるということなので、ユーザーさんの使いやすい方法に委ねるという話です。
noteさんのログイン方法の例で言えば、
A: email, passwordによるログイン
↓
A: email, passwordによるログイン B: Facebookログイン
の選択肢を増やすということで、ユーザーさんに選択肢を増やしています。
こうすることによって、Facebookでログインしたいというユーザーさんの要望も答えつつ、emailでログインしたいというユーザーさんの要望も答えています。
逆にいうと、提供側の意図として、Facebookログインをどうしても使って欲しいとなっても、emailでのログインの要望が一定数いる以上、Facebookのログイン方法を極論90%にしたいなどのKPIを追うのは現実的ではないとお思います。
UXにおける強制とは
かたや、強制の方は先ほどの例でいうとこのようになります。
A: email, passwordによるログイン
↓
A: Facebookによるログイン
こうすることにより、作り手のKPIとしてFacebookのログインを100%にするといったKPIは達成できると思います。
しかし、ユーザーさんの要望的にはemailでログインした人の意向は汲み取れず、emailでログインしたいユーザーさんは満足度が低下してしまいます。
そこでKPIの話
ここで、KPIの設定ですが、下記を設定してしまったらどうでしょう?
提供した機能自体の利用率
で、提供した機能自体の利用率を上げるために考えられる施策とは下記が考えられそうです。
Facebookのボタンをemailログインより目立たせる
Facebookログインによるボーナスポイントの付与
email, passwordログインの禁止
最後の施策に関しては、email, passwordログインしたいユーザーさんを無視する施策ですね。なので、KPIを達成するために手段を選ばなくなると、自然とアンチユーザーファーストになる結果を招きます。
したがって、UX改善におけるKPIとは
じゃあ、ユーザーファーストを実現するUXのためのKPIってどうなんでしょう?
セッションタイム時間を短くして、ログイン数を計測する?
全ユーザーを強制的にログインさせての復帰率?
ここに関して言えば、そもそも単一機能リリースにおけるKPIは設けないが良いかなと思いました。
理由は簡単で、計測する数字の策定する時間と計測コストに対して、対価がそこまで見込めないから。
Facebookのログイン率がemailより上回っていることから得たい情報ってなんだろう?そもそも何%の人がログインしてたらよかったと言えるだろう?・・・それって、チーム自身が幸せだと思える数字なので、主観的でしかないですよね?
そもそも、KPIの設定により、よかった数字と悪かった数字から何を語るかが明確になってなければ、設定すべきでないというもの言えると思います。
では、UXを改善していく上での正しいKPIとの向き合い方とは何かというと、まずはグロースモデルを書くことかと思います。
上記の記事でも書いてある通り、サービスがうまく回る仕組みをサークル図に当てはめ、最低限サービスがうまく回っている数字をチームで定義しておく。その数字がそこまで上振れ、下振れしないのであれば、KPIは持つべきではないかなって思いました。
一連の選択と強制の部分も、Facebookログインの利用率をKPIにすえちゃうから発生してしまうBadノウハウな気がしていて、もっと俯瞰的にサービスのエコ状態をみて、打てる施策はバシバシ出していけたらなっていうのが、今日考えたことでした。
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