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おじいちゃんの"砂肝"

#私の晩酌セット


『砂肝』

もちろん焼き鳥さんの串に刺さって焼かれたモノも好きだけれど、私の中での砂肝はこれを指す。

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『砂肝の煮たの』

コリコリッとしていて、味はさっぱり。生姜がピリッと効いて食べだすと止まらなくなるのです。


砂肝との思い出

『砂肝の煮たの』は私のおじいちゃんが考えた、オリジナルのレシピ。

おじいちゃんは昔から料理が上手で、自分のレシピを沢山持っていました。

りんごのワイン煮や焼きリンゴ、茄子と茗荷の醤油漬け、青大豆の煮物、特製昆布巻き、もつ煮…

どの料理も美味しくて大好きだけれど、中でも私の大のお気に入りは『砂肝の煮たの』。

どのくらい好きだったかというと、オヤツにつまみ食いするだけでは飽き足らず、高校のお弁当に持って行ったほど。

女子高生のランチ、かわいい小さいお弁当箱を開けると茶色い砂肝がぎっしり詰まっている…

中々珍しい光景だったと思います。

友達にも「それは何⁇」ってよく聞かれてたなぁ

私にとって、テンションの上がる最高のおかず!

そうそう、高校入試の時のお弁当にも砂肝を入れてもらいました。
誰もが皆んな緊張していて、シン、と静かな教室で食べた砂肝…

コリコリ、おいしかったなぁ。

このように、私の学生生活=砂肝といっても過言ではないのです。


砂肝と大人になった私

大人になってからの砂肝は、お弁当からビールのお供にポジションが変わりました。

食べ出すと、もはや自動的にポイポイ口に入っていってしまって止めることができないのです。

エンドレス砂肝。

どんなに山盛りに作ってもらっても、その日の内になくなってしまいます。ほぼ全て私が食べてまう…止められないんだもの。

おじいちゃんはそんな私を見て「食べすぎるとお腹を壊すから気をつけなさい」と顔をしかめた後、「また作ってあげるから」と必ず言うのでした。

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そんな私もいつしか実家を離れ、一人暮らしをするように。

ふとした時に、実家の味、おじいちゃんの『砂肝の煮たの』が食べたくなる事があります。

ネットで似たようなレシピを検索して作ってみるのですが、何だか違う…というか全然違う…

砂肝煮のレシピはしっかり目に濃い味を付けるものが多くて、食べ続けているとくどくてしょっぱく感じてしまう。

おじいちゃんの砂肝はもっとほんのりした塩っけと、ちょうど良い味付けで、いくらでも食べられる優しい味だったのです。

「いつでもあの味を食べれるようになりたい!」

食に対する熱意はすごいもので。
結構前ですが、実家に帰った際にレシピをゲットしてきました。

長くなりましたが、ここから『砂肝の煮たの』を作っていこうと思います。


砂肝の煮たのを作る 


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砂肝は800g用意しました。

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お塩を入れて沸かしたお湯で15分茹でます。
アクがかなりでます。

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茹でられてさっぱりした砂肝と生姜。
生姜は大量に入れます。

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醤油・酒・みりん・めんつゆ、お砂糖少々で煮汁を作ります。
煮汁の量は気持ち多めに。

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砂肝・生姜・一味を合わせて煮ます。

最初10分くらい煮たら、煮汁をすくって半分より少し多いくらいをカップ等に取り出します。

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こんな感じ。
味を見ながら、薄かったら煮汁を少しずつ足していきます。

一気に調味料を染み込ませないのが、優しい味にするポイントなのかもしれない。

最終的にカップの半分くらいは足しました。

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最後に胡麻油をほんの少し、たらり。

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完成。

アク抜きを含めて1時間くらいでできます。

おじいちゃんの砂肝で乾杯

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コリコリ、でも柔らかくて美味しい〜

甘過ぎず、濃すぎず、優しくていくらでも食べれる味です。
生姜のピリッとして、口の中の旨味がリセットされる感じも好き。

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お酒と砂肝は相性ぴったり。
無心で口に運んでしまうから、すぐ無くなっちゃう。


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このレシピ、おじいちゃんがワープロで打って紙で出してくれました。

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(慣れないワープロを頑張って練習しながら、一文字一文字打ってくれた。)

頑張ってね。

の一言にほっこり。

おじいちゃんは御歳85歳。

有り難い事に病気怪我なく元気でいてくれています。

でも実家に帰って久しぶりに顔を見る度に、やっぱり少しずつ歳を取っていくんだな、と寂しいような、なんとも言えない気持ちになります。

レシピを教えてもらった際も、
「もう歯が悪くて砂肝は噛めないから、煮汁の味はみるけれど、最後の確認は頼むよ」
と言われて、あぁ、そっかぁ…、と…。 

それでも私が帰ってくるとなると、リクエストした砂肝を自転車に乗って買いに行って、煮て待っていてくれるパワフルで優しいおじいちゃんです。


実家にも頻繁には帰れないこの頃。
家族みんなでお酒を飲んで、ご飯を食べてワイワイしたいけれど、しばらくは1人でお家飲みです。

今度帰った時は、私が砂肝を煮ようかな。

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そんな事を思いながら、夜な夜なコリコリ、砂肝の煮たのを食べるのでした。







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