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【日記 vol.9】”かかし”のせいで徹夜した話。

こんばんは。就活生なのに今私は徹夜をしてnoteを書いています。なぜこうなってしまっているのか……。

諸悪の根源は”ヤツ”です。そう、あいつ……。

”かかし”です。

まったく……。エントリーシートを書かないといけないはずが、こんな時間の使い方をするとは本当に思ってもみませんでした。

さて、ことの運びを説明しましょうか。

就寝前、最近の習慣である辞書読みをしていました。三省堂さんの新明解 語源辞典はめちゃくちゃ面白いですねぇ超オススメです。

この辞書をパラパラと読み進めていくと”かかし”について気になる語源が記載されていました。

鳥や獣の害を防ぐため田畑に置かれた人形。古く獣肉を焼いて串に刺し、その臭いをかがせて、鳥獣が近づかないようにした。「かかし」は古く「かがし」「かがせ」とも言ったが、これはこの臭いをかがせることであった。
新明解 語源辞典(三省堂)より

かかしって嗅がせるってことなの?!

自分の無知を痛感すると同時に湧き上がる好奇心。どうしても気になる。調べなきゃ気が済まん。

もうESなんかしらん!徹夜してでも調べたる!

好奇心に飼い馴らされている私はただ従うしかありませんでした。

そこで人類の英知の結晶こと、Wikipedia大先生の知恵を借りることとしました。そしてそこで得た情報を日記として共有していきたいと思います。


かかしの意義

皆さんは、かかしを見たことがありますでしょうか。田んぼや畑にいる”あいつ”です。見た感じは藁で造形された人形のみたいなものですよね。個人的には両手を広げた仕草の印象が強いでしょうか。

なぜ人型かというと、人間が農作業を行っている間は鳥獣が近寄らないことからであり、直観に即した理由です。これは周知のことですね。しかし、そんなかかしも様々なフォーマットが存在しています。

まず目玉を模した風船型です。

そもそも動物は大きな目を恐れます。その習性を利用したものがこの目玉型かかしというわけです。というか、ぼくも大きな目の動物が得意ではないのですが、これ人間にも当てはまりませんか?

調べてみると同じように感じている人も一定数いるようですね。ぼくも昔から目がやけに大きい動物の顔を見ると恐怖感を抱いてしまうのですが、皆さんも理解していただけますでしょうか(参考画像調べていると鳥肌が止まらなくなったので画像は載せません……)。共感して下さるとあったかい気持ちになります。

本題に戻りまして、この大きな目を恐れる習性は、あの強敵のカラスも強くみられるのだそうです。

ですがカラスはとても頭が良いのです。カラスは動かないかかしは無害であるということを見透かしてしまいます。ぼくでさえもかかしと人間を見間違えたことがあるのに……。自分の何倍も頭が良い動物ですね……。くそっ……。

もちろん、そんな賢いカラスに人間も対策を考えました。

それが風によって不規則に動くかかしです。

その例としてカラスを模したかかしを見たことはありますでしょうか。そう、あれです。ですが、これを読んでぼくはすぐには腑に落ちませんでした。なんでカラスを模す必要があるのかが分からなかったのです。自分と同種の生物がいたところで避けようとするのでしょうか。それではカラス避けにはならないような気がしてしまいました。

しかし、さすがのWikipedia大先生。こんなお悩みもまるっと解決してくれます。僕は知らなかったのですが、あのカラスってカラスの死骸を模していたんですね。

カラスは「仲間の死骸」=「そこには罠があり危険である」という理解をします。そのためカラスは近づかなくなり、カラス避けとしての効果を発揮するのです。

またまた残念なことにカラスは慣れてしまうと無害であることを悟ってしまうらしいです……。いやぁ、カラスは本当にすごいですね。ヤツらはうそはうそであると見抜けるのです。これなら某掲示板も容易に扱えそうです。

伝説のインタビューより

こういった鳥獣対策は視覚からのアプローチだけではありません。

近年考案されたもののなかで、爆音を用いて威嚇する装置や、肉食獣の匂いのするものを田畑の近くに置いておくという方法も試みられています。

音に関しては、古くは鹿威しもその一つであると言われているそうです。「なんか風流な竹のやつ」という最低の解像度でしかなかった鹿威しですが、これも良いお勉強になりました。というか漢字を考えれば意味を推察することができましたね。「鹿」に「威す」ですもんね。そのままやんけ。

臭いに関しては、ライオンなどの日本には野生生息していない動物の臭いでさえ、イノシシなどはそれを警戒して近づかないそうです。これもなかなか興味深いですね。かかしの本来の形も嗅覚からのアプローチでしたが、本能的に恐怖心を感じるのでしょう。まさに、強者の風格(オーラ)。

強者の風格といえばこの方、範馬勇次郎さん(0)
範馬刃牙2巻より

かかしと習俗

ここまでかかしの機能的な側面を共有してきましたが、民間習俗の中でのかかしもなかなか興味深いものでしたよ。

そもそも、かかしは田の神の依代(よりしろ)と考えられていたそうで、霊を払う効果があると言われていたみたいです。というのも、当時の鳥獣害は悪い霊が関係して起こるものと考えられていたそうで、人形としてのかかしは、神の依り代として呪術的な側面によって人型に形成されていったと推察できるそうです。また、蓑や笠を着用しているのは、神などの他界からの来訪者を示していると考えられています。

一種の偶像崇拝的な感覚なのでしょうかね。神を宿すものとして人型というフォーマットを選んだんですねぇ。

いやぁ、かかしが人型の形態をとった理由一つでも推察の余地があって素晴らしくおもしろい!かかしたまらん!


なかなか興味深いWikipediaの記事だったので長々と共有してきましたが、最後まで見てくださった方がいらっしゃるのかは定かではないですね。

これを書いている現在はもう朝の5時過ぎです。もう朝が来ますよ。かかしについて調べた挙句に徹夜する就活生なんてぼく以外にいるのでしょうか.....。オンリーワンであっても不名誉です。さっさとエントリーシートを書くべきでした。

とは言え、とっても有意義な時間だったと思うので良しとしましょう。

明日(もう今日)からも元気に生きていきましょうね。

〈学ばせて頂いた有難いページはこちら〉

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