見出し画像

【日記 vol.3】「ラーゲリより愛を込めて」を観てきた話。

 今日は遂に「ラーゲリより愛を込めて」を観てきました。その感想と頭の中で乱雑に湧いてきた思想を記録としてまとめます。

※ネタバレは不可避だと思われます。お気を付けて......。

 軽くこの映画の概要をまとめると、終戦後の旧ソ連における収容所に拘束された日本人の話でした。

 というか「ラーゲリ」って収容所のことだと知りませんでした。皆さんも同じでは?恥ずかしくないですよ。多分みんな同じですよ。

 さて、まず主人公の山本幡男さんについて触れましょうか。

 この方は戦時中にも関わらず、敵国であるロシアの文学やアメリカの歌を好んでいました。まさに「文化に罪は無い」の精神ですね。勝手な印象として、彼のような趣向を持つことって当時の日本ではかなり危険な部類になると思っていました。歴史の授業でも敵性語に対する弾圧があったとか無かったとか習った気がします。そういった自分の趣向を貫いている姿勢が既に格好良いですよね。

 そして彼はソ連に拘束され、ロシアの収容所に向かいます。そこでは様々な問題がありましたね。生きて帰られるか分からない恐怖、家族の安否、軍隊時代の上下関係による格差。それぞれの「絶望」をみんな背負っていました。そんな中、唯一「希望」を捨てなかったのが山本さんでした。生きて帰ると誰よりも信じ続けたのです。

 映画を通して数多の大きな「絶望」が1人の男の強い「希望」に影響され伝播していくことが描かれていたと思います。

 希望を捨てないことの重要性、またそれが周りにも希望をもたらしていくこと。んんん、、、良いですねェ。ドス暗い映像の中でも光が絶えた瞬間が無かったなと観た後に感じました。その光は形あるものなのではなく、とても曖昧でなかなか掴めないかもしれない。でも確かに、しっかりと輝き続けていましたね。

 演出面で気になったのはBGMの少なさです。直前に劇場版ドラえもんを観たせいかも知れませんが、音楽が無いことによって演技の圧力を感じることができました。このようなキャストさんの演技力と素晴らしいセリフによって素晴らしかったの一言です。

 ここでちょっとした思想ですが、こういった戦時中を描いたものや、某24時間放送するTV番組などで自分が感動したり泣いてしまうことがあまり好きではありません。映像に映る人々よりも自分は遥かに恵まれていて、自分にその立場が分かるほど思慮深く、同情できるような人間であるとは思っていないからです。今回の映画においても、終戦後に収容された人々の気持ちなど自分なんかに分かるわけもありません。ですがどうしても感動して泣いてしまいました。傲慢ですね。驕ってますよね。

 そんな自分への嫌悪や今の環境に対する感謝の両面性に触れることが出来た映画となりました。とにかく言えることは間違いなく良い映画でした。文字に起こしても全く考えがまとまらなかったのは秘密にしておいて以上とします。

今年も生きて良い1年にしましょう......。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?