寝込んだ話

こうねつをだした。

40度近い熱を出しながら、お布団に踞る。冷たい飲み物を首元に当てると息苦しい中に生まれる気持ち良い感覚、いつぶりだろうか。

よく考えたら、こんな高熱が出るのは久々かもしれない。いや、普段は少し体調が悪くても熱を測るのがめんどくさいので熱自体に気付かないのかもしれないが、今回は只事じゃないぞと身体が言っていた。

私は平熱が35度台なので、37度という一般的な微熱でも死活問題なのだが、初日で38.9という高熱を叩き出した。

元々身体が丈夫でないし、梅雨の時期には毎日頭痛にやられていたが、今回梅雨明けからとんでもない体調不良に見舞われた。具合が悪いと気付いた日は、様子見で部屋に閉じこもり眠っていた。

明日また熱があったら病院に行こうなんて思っていたが、見事に悪化した。



このご時世、コロナウイルスにでも感染してしまったのか…と発熱外来に行きPCR検査を受ける。

結果は陰性だった。

そして、胃腸炎だねという診断を受けた。一先ず、コロナウイルスでは無いということに安堵した。


ストレスが溜まって体調を崩すことはよくあったが、毎回扁桃炎という形だった。声が出なくなるほど扁桃腺が腫れ上がり、高熱を出す。それすらここ最近はなかったので、ストレス性胃腸炎というワードに悲しい気持ちになった。

体調が悪くなったタイミングが彼氏と連泊で一緒に過ごした直後だったので(もしや、この人といる事がストレスに…?はしゃぎすぎてしまうのか…?私はやはり家族以外と一緒に生活ができないのか…?)と不安になった。そんなことは無いと思いながらもこの腹痛と高熱でわたしの脳内は良くない方向に考えが進んでいった。


こんなに酷い胃腸炎は初めてだったが、薬を飲めば直ぐに回復すると信じていた。しかし、私のこの熱は留まることを知らない。



今日で高熱が続いて4日目なのだが、もう飽きてきた。寝るのも飽きてきた。全然本当に下がらない。
解熱剤を飲んでも、3時間経てば余裕で元の高熱に戻っている。
暇すぎて、家の中を歩き回ってみるが、視界がぐらついて階段から落ちかけた。熱というものは、思うように動けなくなってしまうのだ。

早く熱が下がって欲しい。

もう、4日もベッドにいるとなんだか心は元気なのだ。病人気分はすっかり抜けている。寝たくない、と身体が言っている。ハンバーガーとかなんかそういうジャンクフードを口いっぱい頬張りたい。胃腸炎ということもあり、お腹の調子は悪いので、さすがに食べる事はしないがバク転でもしてやりたい。そんな気持ちでいっぱいである。


そんな中でひとつひらめいた。

クーラを消そう!

熱というものは体内のウイルスを殺す為に頑張っている戦いの証、なので一旦上げまくってウイルスを殺した方がいいと聞いたことがあるだろうか。
そう考えると今はクーラーがウイルスを倒す妨げになっているのではないか。そう、私はこの4日間、クーラーによって快適な温度に保たれた部屋に閉じこもっている。

私はクーラーを切り、眠りについた。

起きた頃には、汗がびっしゃりでTシャツも絞れるほど濡れていた。サウナから出たあとのような開放感を感じた。「整う」とはこういう事なのかもしれない。
熱も汗と一緒に流れ出たような気持ちだった。

謎の達成感も生まれ意気揚々と脇に体温計をさした。

ピピピピと、鳴る体温計を手にすると「39.5」と表示されていた。

あーーーーー、だめ、もう全然ダメ。ほんっとに、全然下がってくれない。
しかし、何度も言うが体調は39.5の悪さではない。本当に、感覚が麻痺してるのかもしれないが、穏やかにこの文を打ててるくらい元気なのである。

体温計が壊れているのではないかと思えてくるが、世の中のもの全てがひんやりして気持ち良いこの感覚でいくと、熱自体は相当高い。

幸い、腹痛も波があり1日2.3度痛くなる程度でそこまで辛くない。頭痛や吐き気もなく、喉も痛くなかった。


2日に分けてこのnoteを書いているので、ここから下は5日目の高熱レポなのだが、本当に熱は下がらない。



ふーーーーむ、そう思いながらお医者さんの『なにか危ないもの食べた?』という言葉を思い出す。

私は1週間程前に、姉の彼氏が持ってきた生レバーを食べた。

『あ。』

そして、その日ちょうど遊びに来ていた姉の彼氏に「俺、昨日まで胃腸炎だったよ」と告げられる。

『あー!!!!!!!!!!!!!!』

それだー!!!!!!!!!!!!
絶対生レバーじゃん!!!!!!!!!!!!
これが、俗に言う食中毒というやつか。

それにしてもこの男、よく5日寝込んでいる彼女の妹に対して「俺もだよ(^^)」なんて言えるな。強メンタルすぎないか。
そして、ストレスの原因として私の愛しの彼氏を少しでも疑った自分を殴りたいと心の底から思った。彼は心の底から心配をしていて「代わってあげたい」とまで言ってくれていた。帰省中でも「帰ってお見舞い行こうか」とも言っていたな。
マジでごめん。いや、ほんとにごめん。でもタイミングがタイミングだったんだ。

今思えば、生レバーを食べた組は漏れなく全員体調が悪くなった。熱が出たのは私だけだったが、あいつ(姉の彼氏)は大きな爆弾を持ってきたな…と憎悪が渦巻いた。

私は生牡蠣をよく食べる人間だが、1度たりとも当たったことはなかった。
今回、初めて食べ物に『当たる』という経験をしたのだが、生レバーは今後一切食べない。それどころか、生牡蠣などの危険が伴うものは今後食べないと誓うであろう。

むしろ、1度こんなに辛い経験しておいて何度も食べる人間はどんな神経をしているのだろうか。
この辛さは時間が経つと忘れてしまうのだろうか、リスクを背負ってまで食したいのだろうか、寧ろそのリスクが気持ち良いギャンブラー魂(ソウル)なのだろうか。

よく分からないが、私はこの5日で相当嫌な思いをしたし、ぜひ皆様も気をつけていただきたい。






余談だが、こういう高熱を出した時に、小さい頃の記憶が蘇るのはなぜなのだろうか。


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