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幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 20.効果②

こんな状況のなかで、僕は誕生日を迎えた。

SNSの通知で知ったのであろう咲笑ちゃんは、僕のためにメッセージを送ってくれた。


「まーくん、お誕生日おめでとう。
自分の心をちゃんと一番にできる日々に満たされますように。」



「咲笑ちゃん、ありがとう。

そうだね。自分の心を自分で満たすことができるように、カウンセラーとしての道を進んでいこうと思います。

つらいことも多いけど、共に生きていきましょう。」



「いい誕生日を過ごせましたか?

私の父は生まれたことを恨んでいて、誕生日を祝うと叱られました。

贈り物をあげたくても、いらないと怒鳴られ、泣いていました。

まーくんは娘さんからどんな風に祝われたんだろう。祝っていい父親っていいなぁ。


バロンが来てから、強く死にたいと思ったのが今日で2度目でした。

まだ飼い始めて3週間足らずなのに。

彼がいなければもう私はこの世にはいません。

うまく動けずまた食事を疎かにしてしまって、真夜中にお風呂を上がっても、起きて待っていて私の姿を見たら尻尾を振ってくれます。

それが申し訳なくて、つらいです。虐待しているのかな。

寝室に連れてきたら布団の上をしばらく跳び跳ねて遊んで、すぐ寝ました。

申し訳なくて、つらいです。

バロンの寝息が聞こえるのと聞こえないのとは全く違います。


母が『愛着障害を克服しようとしている咲笑を誇りに思います。』とメッセージを送ってきました。

原因が解消されないと改善されないのに、他人事の様に言います。

今でもたまに、父が実父でなかったことを思い出してぞっとします。

受け入れられていません。


4月も後半になりました。

桜の満開の頃に死ぬ予定でした。

まだ生きていて偉いと思います。

犬を貰ったのは正解でした。

生存への唯一の道でした。」



「咲笑ちゃん、生きていてくれてありがとう。

バロンには感謝しかありません。

娘からは初めて誕生日プレゼントを貰いました。

僕は、こんな何気ない幸せを噛み締めないといけないね。

誕生日を祝えないって寂しいことだよね。

はっきりしているだけに、解決できなくて余計に悲しくなるんだね。

毎日つらいことがあるかも知れないけれど、必ず幸せも来るから。今日も生きようね。」




 咲笑ちゃんは毎日を苦しみながら生き続けていた。


「まーくん…とてもとても気持ち悪い夢を見ました。文字にするのも気持ち悪いですが診断してください。

・私は実家にいて、高校生くらいの妹もそばにいる状況で、母に強姦されていました。私は家族だからこれは義務だから仕方ない、と耐えていました。


起きてからずっと気持ちが悪く、吐き気が治らず、まともに食べられません。

仕事にも行けませんでした。

母に、もちろん父にも、そんなことされたことないし、最近の私の実生活でも性的な接触は誰ともありません。

とにかく気持ち悪くて胃が苦しいです。

薬を飲みましたがまだ苦しいです。

バロンがいるから生きてます。つらいです。」




「性的暴行の夢が実際の性的トラブルを暗示することはほとんどないらしく、心的外傷や被害意識を指すみたいです。

そう思うと結構理解しやすい内容かもしれませんね。いつも通り、可能性の話ですが。


嫌な夢を見てつらかったと思うけど、大丈夫です。

きっと今は過去の自分に向き合ってる時期なんだと思います。

今日はいい夢が見れるといいね。おやすみなさい。」










幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~



最後までお読みくださり、ありがとうございました。



死を意識したとき、自分が守らないといけない命があると、それを思いとどまることができる場合があります。


そして、命って温かく、安らぎを与えてくれるんです。


そういう意味では、自分の命も、誰かの温もりや安らぎになっているのかもしれませんね。




次回はまた明日更新します。

よろしければ是非おつきあいください。

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