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幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 23.告白

「バロンが来て3か月が経ちました。

今月15日に私は32歳になります。不思議な気分です。

たぶん生きて誕生日を迎えます。誕生日はもう迎えないだろうと思っていました。


1か月ほど前、卒業した高校の体育祭に行き、『思い出のマーニー』の小説を読み、その頃から私の中で何かが変わりました。

死なない方向に変わってきました。




私には愛着障害があると分かり、お手上げ状態でした。

バロンが来る少し前のことです。

それからずっとそのことを頭の片隅に置きながら日々を過ごしてきました。

これまでのいろんな不遇は私のせいではない、と思うように努力しました。


『人間失格』を読んだもの大きいです。

とても共感して、またお手上げだ、と思いました。

愛の欠如はもうどうしようもありません。

ああなってしまうんです。


でも私は、薬物もせず、男に狂うこともなく、本当にギリギリのところで頑張ったと思います。


2週間ほど前に、ある発見をしました。


もう本当に、笑うくらいにお手上げで、どうやって治していったらいいのか、または壊れるまで無視を決め込んだらいいのか悩んでいます。


まーくんは男性なので告白するのをためらっていましたが、私の抱える欠陥に多岐に渡り影響を及ぼしている、もしくは全ての元凶なのかもしれないという事柄を知ってしまいました。


私のカウンセラーだと言ってくれている方にこれを隠すのは失礼かと思い、告白する決心をしました。





友人が教えてくれたことです。私は、Daddy dom & Little girl(DD/LG)という性癖があるようです。

これはBGSM(日本語でいうところのSMプレイ)のひとつだそうです。

日本ではまだあまり認知されていないDD/LGという世界らしいのですが、無理に日本語で言うと『赤ちゃんプレイ』に属するようです。


SNS画像でDD/LGと検索すると、ため息しかでません。

完全にお手上げです。(検索はおすすめしません。普通の人にはかなり気持ち悪いものです)


自分は子供服を着て(おむつ姿の人もいれば、ローティーンのような服装の人もいます)パートナーをダディと呼びます。

ダディに甘え、ダディの指示に従い、ダディの許しを乞います。

おしりを叩かれたりすることも喜びとするようです。



私はそこまでは進行していません。

でも否定は出来ません。

パステルカラーにフリルやリボンのついた服を着て、かつての恋人をダディと呼び、お風呂に入れてもらい、食事を作ってもらい、寝かしつけてもらっていました。





涙も出ないくらいです。

絶望でも失望でもありません。

心の一部が麻痺したのかな、と思いましたが、麻痺よりも壊死に近いです。

なぜ私がかわいい服を着たいのか、かわいいと言われることを『生きていていいよ』の同意語と捉えてしまうのか、その他諸々私の不具合の元凶が判明しました。


DD/LGを患っている女の子たちの投稿に共感できて、落胆しました。

もう、どうしようもありません。

お父さんが欲しいです。

世間からは援助交際と呼ばれるであろう世界に足を踏み入れたら私の渇きは癒されるのか、それとも泥沼にはまるだけなのか、どうでもいいからお父さんが欲しい、と頭の中はもうお手上げです。

31年間不倫をしなかった私は本当に強いし偉いと思います。



昨日養父に会いました。会話は『おやすみ』のみでした。

養父には何も望んでいません。


動くか動かないかは決めていません。
舌を噛んで死んででも不倫はしないつもりです。


長々と失礼しました。ご報告まで。





いま、『あしながおじさん』を読んでいます。

父親を全く知らないと、まだ夢を見る可能性があるようです。


父親がいるのに、姿はあるのに関わりがないというのは、きついものです。

求めても求めても返事がない、というのはつらいです。

ひとりでいる寂しさよりふたりでいる寂しさの方が寂しい、とはよく言ったものです。





私は、まだ性的に父親を求めるところまでは進行していません。

そういう人もいるそうです。

親子ごっこのみを求める人達、私はそのひとりです。

それでも日本語で言うM属性ということになるようです。

笑っちゃうよね。私、変態だった。


甘えたい→頼りたい→自主性を奪われたい→M属性、という流れなような気がします。

ちやほやされたい、飼い慣らされたい、とは思います。

どこで食い止められるか、頑張りどころですが、『もういいかな、どうでも。』とも思います。





今日、映画版の『人間失格』を見ました。

主人公が最後に、小説には登場しなかった鉄という女性に甘えます。

かなり年上の女性です。映画では性的な関係を結んだように描かれていました。

母親に抱かれる幼児のようなシーンで映画は終わりました。


私には逃げ場はありません。

堕ちるのは時間の問題のような気がして、笑ってしまいます。

無視を決め込んで海外逃亡すべきか。


日本語で甘やかされると、英語の倍以上癒されます。

先日、家庭のある39歳の男性(大阪出身)とお話ししました。

とてもとてもかっこよくて面白くて父性に溢れていて、傍にいてとろけてしまいそうでした。


それでも不倫はいけないと手を出さなかった私は鉄人です。偉いです。負けていません。

相手の奥さまのことを考えて、傷つけてまで手に入れるものはないと大人しくしています。


バロンがいるから生きています。
私はバロンのお母さんですから。」




「咲笑ちゃん、僕をカウンセラーとして信じて自己開示してくれてありがとう。




人は大なり小なり性癖があって、特にsexの時には身体が裸になるように、心も裸になって、ぬくもりを確かめ合い、お互いが癒しを求める部分があるんじゃないかと思います。


だから、咲笑ちゃん自身は自分を変だと思ったのかもしれないけれど、それは変じゃないと僕は思いました。


年上の男の人に魅かれて、同時に怖さも感じる状況はとってもつらいよね。

でも、頑張ってる咲笑ちゃんを僕はいつも応援しています。


自分が変わっていくことへの違和感、これからもきっとあるんだろうね。

でも、その変化こそが前に進んでいる証です。

バロンのお母さんとしても、しっかり愛情を注いで、また愛されてください。」





「まーくん、お返事をありがとう。

お忙しいとは思いますが、機会があれば『パパが遺した物語』という映画を見てみてください。

このケイティという女の子は母を亡くし、父はしばらく一緒に暮らしましたが、たくさんの欠陥を抱えて苦労します。

作中、ちゃんとした恋人が出来ますが、愛されることが怖くなり逃げ出すシーンはとても真実味に溢れていました。

そう!それ!という感じでした。」


「ありがとう。これ観たよ。
考えさせられる映画だったな。

咲笑ちゃんには共感できること多いんだね。」



「悲鳴レベルで泣きました。」



「愛されることが怖くなる…そうなんだね。

愛情をかけられることに慣れていないから、そこから逃げ出したくなる。

でも愛情を求めることはやめられない。

悲しい話だった。


だからこそ、幸せになるための勇気、幸せを普通のものとして受け止める努力が必要なんだろうね。

つらい事でも。」



「そうなんです。大人になったケイティが、恋人のキャメロンに不貞を責められて泣きながら『怖い』と訴えるシーン、ほんとそうなんです。

こうなるのが怖くて本当に好きな人とは付き合わないんです。

むしろ正当に愛されるのが怖くて浮気したんです。

試したんではないんです、これ以上愛されるのが怖くてふられようとしたんです。」


「愛されるのが怖い。

自分が幸せになれる道が分からないから、自分が分かる道を選んだってことだよね。

頭で分かっているから変われるって訳ではない。難しいね。」



「そうです。キャメロンほど気の長い人はなかなかいませんが、存在することは分かっています。

でもそんな人に出会えるとは限らないので、信頼するのが怖いんです。

キャメロンはものすごく優しかったし、ケイティはものすごく勇敢でした。

私には出来ません。」



「うん、ケイティは勇敢だったね。

でも咲笑ちゃんは自分には無理だと思うんだね。

僕は、咲笑ちゃんなら辿り着けると思ってるよ。『今は』無理なだけで。」



「それまで生きてるかな?」



「生きようね。咲笑ちゃんのいる世界で僕は生きてたいな。」



「父は、特にそんなことは思ってないと思います。
考えたことないと思います。

いつも、優しいことばをありがとう。」










幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~



最後までお読みくださり、ありがとうございました。



本を読んでも、映画を観ても、自分をあてはめてしまうこと、多いと思います。(心理学用語で『投影』といいます)


過去の出来事や両親、自分などを投影して苦しくなる。


そこで誰かを攻撃しようとするのか、ただただ落ち込むのか、人によって様々です。


苦しければ苦しいほど、身近な人には話せないことも多いと思います。


そんなとき頼れるのがカウンセラーだと思います。

アメリカでは専属の弁護士とカウンセラーをつけることがステイタスだと聞くこともあります。


日本ではまだ認知度が低いですが、是非知っておいて欲しいと思います。




次回はまた明日更新します。

よろしければ是非おつきあいください。

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