Kindle unlimtedのおすすめ:『日本軍の怪奇話』

 kindle unlimitedに登録されている作品でも、怪談の類は様々あるが、『日本軍の怪奇話』。これは正統派怪談、と言った趣がある。怪談に正統も異端もあった物ではないのも確かだろうが。
 日本軍というのはもちろん、旧日本軍の事だ。時期は日露戦争から太平洋戦争の間、場所も中国大陸だったり、南洋の島国とそれなりの幅がある。
 そもそも、軍隊と怪談話とはどういった関係にあるのだろうかというと・・・

軍隊における怪談とは、どういったものなのか。従軍経験者たちの残した 史料を読んでみると、「どこの部隊であっても怪談は好んで語られてい た」 ということがうかがえる。俗にいう「学校の怪談」のような文化であったのかもしれない。
藤本泰久. 日本軍の怪奇話 (Kindle の位置No.106-108). Kijibato. Kindle 版

 仕事先や学校や特定の場所等に固有の霊的現象の言い伝えや体験、これが怪談だ。それを体験する集団が、会社員や学生ではなく、軍人であるだけだ。そういう意味で、怪談というカテゴリ―それ自体に特別な事はないが、怪奇現象が起こる状況や、現れる霊というのに個性を見て取れる。怪談の面白さというのも、現象そのものにあるというよりかは、その前後と現象の繋がりにあるのだろう。
 話を進めやすくするために、一度「怪談」そのものをざっくりと定義しても良いだろう。これは霊や妖怪などの痕跡や活動を記述する物語と定義出来よう。霊や妖怪の活動が人間にとって不思議であったり、恐怖を与えるのであって、怖い話それ自体や受け手の恐怖で判断すべきではない。
 
 話を戻そう。現れる霊や現象については、時として個性が現われる。この場合でいえば、タイトルに有る通り日本軍に関係する霊が登場する。『沖縄の怖い話 琉球怪談物語集』もkindle unlimited登録作品だが、こちらも日本兵という個性的な霊が現われるし、米兵の霊に至っては英語で話すために、意思の疎通が難しいなど、幽霊にも言語があるらしい。
 怪談の面白さを説明するのは難しいが、この手の怪談が好みであれば、漫画になるが高橋葉介の作品もお勧めできると思う。『ストーリィ・テラー』だとか、『怪談少年』などがそうだ。この両者はkindle unlimitedの対象作品なので、『日本軍の怪奇話』が面白かったら、あるいは高橋葉介作品が面白ければ『日本軍の怪奇話』を読む事を検討してみてはどうだろうか。
 ちなみに、『日本軍の怪奇話』で紹介された『幻談』についてはパブリックドメインの物を入手できる。推薦されているだけあって、これも面白い。

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