Kindle unlimtedのおすすめ:『超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天外!!』

 『超美麗イラスト図解 世界の深海魚 最驚50 目も口も頭も体も生き方も、すべて奇想天外!! 』というタイトルの通り、深海魚が図解されている。深海魚のイメージはある程度広く共有されていると思う。一言でいえば、「きしょい」見た目をしている。同じ魚でも、普段我々が目にするような魚とも違った見た目をしている。それは深海という特殊な環境に適応した故の姿であるのだが、地上で活動する動物に馴染みのある我々としてみては、やはり気持ち悪い見た目をしている。
 しかし、その気持ち悪さは深海においては合理的な姿だ。そうした説明がなされているのを読むと、なるほど、そういう理由があってそういう姿なんだな、という事が理解でき納得もできる。そうしてもう一度その姿を映すページを見直すと、気持ち悪いという当初の感想が180度変わ・・・いや、やっぱり気持ち悪い。しかしこれも考えようで、深海魚が我々の姿を見たら恐らく気持ち悪がるだろうし、宇宙人が人間を見たって気持ち悪い生き物がわんさかいるなぁ、と思わずにはいないだろう。

 見た目はわかりやすいが、見た目に限らない器官の機能も深海という環境に特化している。人間でいえば、両手が自由に使えるというのは身体の構造の特徴で、見た目に該当する。深海魚のグロテスクな見た目というのも、このような外見という意味では同じだ。見た目に限らない器官の機能というのは、人間でいえばやはり脳だろうか。人間の脳は言語も出来るし、計算も出来るし、道具も使える。そのような特徴と同様の機能、体が光ったり、恐るべき視力を備えていたり、擬態を見抜く目の構造をしていたりと、そうした特徴を備えている。
 『人体 失敗の進化史』を読むと、ここら辺の理解が深まるのではなかろうか。これを読んだ後ならば、深海魚の姿も決してバカに(きしょいというのは勿論褒め言葉)出来ないという事がわかるし、我々人類の体の構造も負けず劣らず、実験的で特徴的なアクロバティックな存在である事が判るはずだ。
 深海という環境に焦点を当てるならば、『深海のパイロット~六五〇〇mの海底に何を見たか~』が助けになろう。こちらは深海の有人調査艇を通して、深海の環境や、調査の風景を知る事が出来る。

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