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三度目の朝劇『朝日に願え』まもなく開幕

「まさか出演できることになる」とは、というところから始まる。出演オファーの連絡をもらったのは稽古開始の約2週間前。
「よくぞ私を思い出してくれました。ありがとうございます」
という言葉に尽きた。
やっぱり当たり前じゃないから。自分のことを思い出してもらえるって。だから、素直に嬉しかった。同じ役を三度もできることも有難い話だった。

まだ観たことない方にお伝えすると、朝劇というのは朝から芝居をするという演劇。
「一日の始まりに芝居を観るとその日一日の見え方が少し変わるかもしれない」
そんな想いで10年近く前から始まった朝劇。今では都内各所でやっている。

カクシンハンの舞台で初めて共演した野村龍一さんが主宰の朝劇。私が出演する『朝日に願え』の初演は野村さんと出会った2019年の冬から始まってコロナ禍でストップして、2022年の夏に再演。そして今回が三度目の上演になる。

この5年の年月というのは、もう、色々ありすぎた。ありすぎて、ちょっと記憶が薄れてるし、薄めたい記憶もある。
だから当たり前かもしれないけど、2019年の時の感覚とは全く違うものがあったりする。
芝居を通してそういう目に見えない変化に気づいた時に、「あ、ちゃんと時間って経ってるんですね」っていう事実をハッと実感する。

まだ4月だけど、この丸3ヶ月の間にも色々ある。
そんな私にとって非常にナイスなタイミングで、日常にこの稽古が入り込んでくれた。キャストスタッフ陣の目に見えない優しさのおかげで、私にとって忘れられない顔合わせになったし、芝居というものに活力をもらって明らかに生活が変化していく自分も知れた。

例えば、いつぶりだろってくらいに自分でマニュキア、、、ん?変換が出てこない。久しぶりすぎてなんか違うな、、、あ!マニキュアか!どんだけ爪塗ってないんだよって自分でツッコみつつ、それだけゆとりのない狭い心の状態だったのかと思ってしまう。
あ、そんなことじゃなくて、もっと明るい話をしたかった。はい。
それくらい、久しぶりにマニキュアを塗ってみた。久しぶりだからいきなり派手な色じゃなく、役柄にも合わせてベージュ系。

次の日の稽古終わりに、稽古場のちょっとした補強をしている演出助手の畠山くんの隣で少し支える程度のことを私がしていたら、畠山くんがいきなり
「わぁ、爪めっちゃ綺麗ですね。綺麗すぎて今びっくりしました!」
と言ってくれて、私は内心飛び跳ねそうなほど嬉しくて、
「え、うれしい!実は昨日すごく久しぶりに自分で塗ったのよ。だからすごくうれしいです!ありがとうございます!」
と言いながら、「あーやっぱりこういうの気づいてもらえるの私うれしいんだー!しかも気づく人ってやっぱり見てるのねー!」と改めて思った。
言葉にしてもらえると、より自分の心の風通しも良くなってゆとりができるのかもしれない。

こんなの人から見たら些細なやり取りかもしれないけど、タイミングによってはそれだけで「あ、もうちょっとがんばってみよ」って綿菓子みたいなふんわり軽い気持ちで思えたりするから、だから人生面白いなぁってとこに行き着いてみたりする。

稽古場には、作品のためにさらなる高みを目指したいという想いが気持ち良いくらい強くて大きい人が集まっている。だから稽古が楽しいし、自分ができないとちゃんと悔しい。そう感じられること自体が「明日も生きていける」っていう実感にもなるから、だから、結局楽しいんだと思う。

こんなことも私の感受性が今バカになってるから書いているだけかもしれないし、平常心で感じていることかもしれないし、もはや平常心なんてずっと探していないと難しいことなのだけど、一番何が言いたいかと言うと、魅力溢れる素敵な人たちで稽古しているこの作品を一人でも多くの人に観てもらいたいということ。

三軒茶屋にある実際のお店で、そのお店での話を4人だけでする。それを1年間のロングランで続けていくという挑戦。季節やキャストによっても全然変わると思うから、一度観た方もまた観に来てもらえると何か新しい発見があるかもしれないし、あったらいいなって気持ちで私も挑みたい。

◯ピンクが春チーム

まずは春公演、お待ちしてます🌸
私が出演する春チームだけじゃなく、もう一つのキャストで観るのもまた違って面白いと思います。
チケットは下記からお願いします。
朝、お会いできるの楽しみにしてます!

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