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Vol.2 料理はありがとうで満ちている

「ありがとう」この一言が人生を豊かなものにします。
全ての人や物への感謝の気持ちを素直に言えるのって素晴らしいですよね。
そして誰かに「ありがとう」と言ってもらうのも嬉しいものです。

自分は幸せだな、と自己認識できている人は、世界が感謝の気持ちであふれています。私たち親は、子どもに幸せでいてほしい。そのためには、感謝の気持ちを感じ、それを言葉で表現する大切さを教えなければなりません。
でも「『ありがとう』って言いなさい!」だけではどうしてそれが本当に大切なのか本質的に理解しづらいですね。
「ありがとう」の大切さを学ぶ一番の方法は、「ありがとう」と言われる経験をたくさんすること。
実は料理って「ありがとう」で溢れているんです。
子どもが一生懸命ひとりで作った一皿。それを大好きなパパママに食べてもらって「美味しい!ありがとう!」と満面の笑みで言われる。
この時の子どもの気持ちってどんな感じでしょう。ちょっぴり照れくさいけど、飛び上がるほど嬉しい。「『ありがとう』って言われるとこんなに嬉しいんだ!」子どもは肌で喜びを実感します。

私のお料理教室に無口で恥ずかしがり屋さんの子がいました。お母さんが、「ありがとう」がすんなり出てこないのが悩み、と仰っていました。はじめは食材を渡しても受け取るだけ。でも回を重ねると小さな声で「ありがとう…」と言えるようになり、変化が見られてきます。そこですかさず、「ありがとうって言えて偉いね!嬉しい気持ちになる。」とこちらの気持ちを代弁します。そのやり取りを繰り返して、今では、何でも「ありがとう!!」と大きな声で言えるようになりました。初めて会う人が「ありがとうがたくさん言えて偉いね。」と感心するほど。

一朝一夕というわけにはいきませんが、幸いにも(!)お料理って毎日ありますよね。お母さんの心にちょっと余裕がある時は、お料理をお願いして、「ありがとう」と感謝する機会を作ってみて下さい。子どもの目が、嬉しさでキラキラに輝き、その日の食卓では家族に誇らしげにしていることでしょう。そしてみんなからありがとうと言われる。こんな経験を通して自然と感謝の気持ちを身に付けることができたら幸せですね。

料理を通じて、親子でたくさんの「ありがとう」を言い合う機会を作ってみて下さい。きっとそれが子ども達の素直な心に響き、素敵な未来に繋がっていくと私は信じています。

筆者:リトルシェフクッキング(株)代表 武田 昌美

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