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Vol.5 「やってみたい」という気持ちが初めの一歩

大好きな子供に一番伝えたいこと。それは、あなたは何でもできる、ということ。自分に自信を持って成長し、豊かな未来を切り開いてほしいと願っています。

「ママ、私もお料理したい!」今から遡ること2年前。イヤイヤ期真っ盛りの娘が料理に興味を持ち始めました。何をしても「イヤ!」のとっても気難しいお年頃。一旦、料理をしたいと思ったら最後、達成するまでひっくり返ってバタバタする光景が目に浮かびます。それをなだめるよりも、実際にやらせてあげた方が楽かも…。これが我が家の親子クッキングの第一歩でした。

この時は卵焼きを作るところでした。試しに「卵持ってみる?」と聞いてみました。すると、目をキラキラに輝かせて「うん!」と満面の笑みで嬉しそうに卵を受けとると、そのまま思いっきり握りしめました。卵は派手に飛び散り、ポカーンと立ち尽くす娘。
まさか卵がこんなにも繊細なものとは思いもよらなかったのでしょう。
衝撃的な展開に、泣いてしまうかな?と思いました。
しかし実際は、「本物の卵、壊れた!」と世紀の大発見に更に目を輝かせていました。

そこで「もう一個卵いる?」と聞くと「いる!」即答です。
彼女はすっかりおもちゃでは到底味わうことのできない本物の魅力にすっかり取りつかれていました。そして次は卵を、大切な宝物を扱うかのように、そっと両手で持ち、様々な角度から観察していました。今度は卵割りに挑戦したい様子です。
そっとトントン…あれ?割れない。ドン!…ぐちゃり。また卵はぐちゃぐちゃです。

娘の頭の中は「?」で一杯。「どうしたら卵が綺麗に割れるの?」彼女の探求心が爆発した瞬間でした。

失敗は成功の基
失敗、そう呼んでしまうのは気がはばかられますが(娘にとってはこれも大発見なので)、その日から娘のトレーニングが始まりました。卵が見えた途端、「卵割る!」と駆け寄ってきます。何度も言ってしまいますが、この時はイヤイヤ期真っ盛り。

断ろうものなら、床にひっくり返り卵が飛び散るよりも、もっと恐ろしい大惨事が待ち構えています。なので、彼女がやりたいようにやらせました。
するとこちらも驚くくらい、あっという間に上達し、卵というものを頭で理解し、それに連動して手も動かせるようになりました。
初めて上手に割れたとき、「ママ!できた!!」とその喜びと自信に満ちた表情を見て娘の成長を実感し、心から幸せな気持ちになったことを今も忘れません。

「できた。」が大きな自信になる
きっかけは卵割りでしたが、初めて壁を乗り越えた成功体験から、娘は「失敗しても、諦めなければできるようになる!」ということを、身をもって実感したようでした。
そして自分に自信がつき、何事にも果敢に挑戦するようになりました。お手伝いも進んで行います。それでもまだ小さな子供。たくさん失敗します。お米を研いでは、お米を排水溝にほとんど流してしまったり、卵焼きに塩を入れすぎてしまったり。その度に、「次はこうしようかな。」と自分なりに施行錯誤している様子です。

そしてたとえ失敗しても「まあいっか。次はこうしよう!」と失敗を前向きに捉えられるようになりました。
私は、子どもの「私できる!」の気持ちを信じてやらせてあげること、そして失敗を経験させて、そこから次へのステップへ繋げる方法を導いてあげることが大切であると実感し、この思いを多くの親子と共有したいと願い、Little Chef Cookingを創設しました。

筆者:リトルシェフクッキング(株)代表 武田 昌美

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