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野菜を通じて思いやりを育みたい

買物に行くと日々当たり前のように、欲しいものを買う事ができます。季節を問わず食べたいものが食べたい時にあり、とても便利な世の中になりました。

日々そこに当たり前に売られている野菜や果物も、どんな天候にも負けず種から育ててくれる農家さんがいて畑から野菜を運んでくれる人がいて、愛情を込めて料理をしてくれる人がいて、人々の関わりの積み重ねの結果、初めて口に入ります。自ら意識を向けなければ、その当たり前に気付く事もなく日常は過ぎてしまいます。

本書では、野菜は種を撒いたら終わりではない事、美味しく安心して食べてもらえる野菜を育てる為に、暑い日も寒い日も雨の日も雪の日も1年365日頑張っている農家さんがいる事を知り、農家さんと消費者がお互い心を寄せ合えたらきっともっともっと素敵な未来になるのではないかと思い、想いを込め作成しました。

パッケージやPOPに農家さんの写真の掲載が盛んになったのは今から20年程前、食の問題が取り沙汰され、トレーサビリティの視点から誰がつくっているのかわからないものを食べるよりも、つくっている人の顔が見えるほうがその野菜が安全であるという考えが働くだろうと、消費者目線で始まりました。

しかし効果はそれだけではなく農家さんの写真がある事で、同じ人参でも「前回この農家さんの人参が美味しかったからまた買おう!」という消費者の行動が、出荷量を押し上げ目に見える成果として農家さんに伝わる事で、やりがいを感じられる様になった事は言うまでもありません。この様に、農家さんと消費者がお互いに意識を向け合う事が様々な相乗効果を生み出します。野菜は肉や魚と違い、命をいただく、大切にするといった気持ちが子どもにとっては持ちづらいかもしれません。

野菜自体が苦手で、食べる前から「いらない!」と拒絶される事もあるかと思います。私の4歳になる娘も例に漏れず苦戦しています(笑)

百聞は一見に如かず、農業体験をお子さんと一緒にするに越した事はありませんが、まずは本書で知る事から始め、お買い物のふとした瞬間にでも目の前にある野菜の裏側を想像してみてください。

「〇〇さんがつくった野菜だから一口食べてみよう」と農家さんを思いやって、一歩を踏み出したり感謝の気持ちをもって、食べ物を大切にしてくれるお子さんが増えたらいいなと願いを込めて。そして本書がその一助になれば幸いです。

株式会社ベジリンク 代表 塚田祥世

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