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場所の意味

名古屋市西区の那古野にある「なごのキャンパス」に初めて行った。

廃校となった那古野小学校の後者を利用して去年作られた施設で、オフィステナントやコワーキングスペースが入っている。

以前から気になっていて、名古屋駅周辺に用事があるときにでもいつか行ってみようと思っていたところ、たまたま仕事で会う約束をした人がなごのキャンパス内の会社の人(というか代表)だったので、ここぞとばかりに利用してみたのだ。

学校の跡地であり、「次の100年を育てる学校」というコンセプトにも表れているとおり、安心感もありつつ創造性もかき立てられる空間は、不思議とワクワクした気持ちにさせられる。

実際に訪れてみて、通常のコワーキングスペースと違うのが、ふたつのポイントに集約されている、と感じた。

まず、オフィスの入った施設の1Fにあり、そのオフィスに勤務する人たちも普通に利用しているということ。
そして、テナントを入れている施設そのものが「なごのキャンパス」なので、そもそもここに入っているオフィスがこの施設の理念に共感した企業であるということだ。

コワーキングスペースは、ビジネスマン同士のコミュニケーションの場にもなると言われるけれど、本当の意味でいろいろな人がゲリラ的に利用するようになってしまうと、なかなかそこから何かが生まれるということは起こらない。

何かしらの事務作業等をするためにスペースを利用するとなると、利用者同士(=知らない人同士)でコミュニケーションを取る理由がなく、たとえるなら図書館的な使い方に終わってしまうケースが多々あるのだ。

しかし、なごのキャンパスのように継続的に利用する環境が整っていて、かつ場そのものに意味があることで、そこで顔を合わせる人は共通の話題を持ちやすくなる。

考え方や志向に共通項を持った人間同士が集まるので、何をするにも話が早いのだ。

実際のところ、1度行っただけなのでなごのキャンパス自体がどれだけそういうふうに機能しているかはわからない。

ただ、テナントを入れるようなオフィスビルのひとつのあり方として、そのビルそのものを意味のあるプラットフォームにするという手法は、この先の社会でけっこう生きてくるのではないかと感じられた。
(なごのキャンパスの場合は、そこにさらにプラスαで「集まる場所」を設けていることになる)


オンラインでの仕事が当たり前になり、どこでも仕事ができるということは、自分がどこにいるかということに関して、より「意味」を問われるということだ。

逆に言うと、施設やプラットフォームを運営する側にとっては、いかにして場に意味を持たせられるか、という視点が重要度を増してくる。

さて、僕もこれから、どんな場にいるかをよくよく考えて活動していくことにしよう。

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