![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34202271/rectangle_large_type_2_58035697a140c23aa435d109ada6c38d.jpg?width=800)
今は亡き寝たきりの親友と語り合い、実現させてきた現実と目指し続ける未来
私には番田雄太という寝たきりの親友がいた。
人生で最も影響を受けた3人を挙げろと言われれば彼は入るだろうし、最も影響を与えた3人を挙げろと言われれば彼が入るだろう。
4歳の時に交通事故による頸髄損傷となり、首から下を動かす事ができず学校にもほとんど通う事ができなかった番田が、2013年の冬に顎を使ってPCを操作し、OriHimeの研究をしている私に1通のメッセージを送ってきたのが出会いだった。
この文章を全て顎を使って入力していた事を当時の私は信じられなかったが、それまで6000人にメールを送り続けていた事を後で聞く事になった。
2014年、盛岡の自宅へ会いに行き、その場で意気投合した。その後、私の私的な秘書を経て、秘書兼広報担当としてオリィ研究所のメンバーとなり、当時開発中だったOriHimeのユーザーとして改善点を提案すると共に、講演活動で全国を一緒に周る相棒になった。
【名作ドキュメンタリーをもう一度】
— the SOCIAL / ポジティブニュースお届け中📪 (@thesocial24) May 1, 2020
分身ロボット、OriHime(オリヒメ)
福祉の分野で急速に普及しているこのOriHimeの開発の裏には、亡き親友との友情の物語がありました。#OriHime #ロボット #福祉 #NNNドキュメント #日テレtheSOCIAL pic.twitter.com/fYChbvnNkW
2017年に亡くなってしまうまで3年間、一緒に働き、チャットだけでも数万チャットし、全国を講演して周り、「孤独」と「寝たきりの先」と「生きるとは何か」を語り合った。
「私の寝たきりの20年間は、明日少しでも長く生きるために今日何もするなと言われた、”生かされた”20年だった。同じ病室の隣のベッドで、お互いの声も届かず、亡くなっていく子ども達をただ見送り続けてきた。彼らは、私は一体何のために生かされたのだろう。私は明日死んでもいいから、今日、自分の好きな事をして”生きたい”。」(番田)
私がいま行っている分身ロボットカフェの構想や、重度肢体不自由であってもできる事を増やせる発明や活動は彼の諦めなかった願いや、対話の中から生まれたものが根幹になっている。
私や番田が夢見た事、
番田のようなベッドやストレッチャーで寝たきりの子ども達が、
自分で移動できて、
お盆最後の新開発
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) August 18, 2019
インターン達と、寝たきりの子ども達がストレッチャーごと乗れてOriHimeeyeで自分の意思で走り回れるカートを開発。今日特別支援学校でお披露目してきた
人生初めて自由に移動した先天性ミオパチーの少女の様子
寝たきりの人達が走り回る未来は近い#orihimeeye pic.twitter.com/EJfxWSLpOE
PCも操作できて絵を描いたりもできて、
眼しか動かせないALS患者の榊さんがOriHime eyeを使い、視線入力で描かれた最新作がこちら。
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) October 8, 2017
おそらく、眼だけでここまで絵をかける人はおらず、人類未踏の領域。人の可能性を更新しているのは痺れる。 pic.twitter.com/y6HEG7cmC8
OriHimeで普通の学校生活にも参加できて、
全国の友達と一緒にチームを組んで遊べて、
うちのエンジニアとインターンとパイロット達による放課後のOriHimeサッカー
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) November 14, 2019
いつか全国の外出困難な少年少女がチームを組んで、親や友達に応援されながら頑張れるサッカー大会とかになったら楽しいな#OriHimeサッカー pic.twitter.com/ifOjt3xyAK
自分の身の回りのものにも干渉できて、
たぶん世界初
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) June 16, 2018
寝たきりの患者が分身ロボットで来客に珈琲を出す事に成功!
ALS患者の岡部さんが唯一動かせる眼で視線入力し、120cmOriHimeの視界を見ながら操作。部屋を走り回り、人を出迎えたり飲み物を配った
未来では自分の身体を自分で介護できるかもしれない。研究は続く#orihime#orihimeeye pic.twitter.com/2UMSf0OHbC
自分で好きに姿勢を変えれて、
10年前から「自分の身体を自分で介護できる未来が来る」と言ってきたが、最近車椅子工房と組んで開発してるこれなどはその一つで、寝たきりの人が視線や身体の一部を使って自分の意志で体位変換し、身体を捻ったりストレッチでき、褥瘡予防できる(ついでにyoutubeとかも見れる)
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) June 1, 2020
隙あらば自由研究 pic.twitter.com/833msduwae
簡単に行けないところにも友達と旅行して、
記念日も一緒に過ごせて
コミケ出展が終わったマサ&インターン一行がうちに遊びに来て、年越ししたのち初詣へ。OriHimeでニ礼ニ拍手一礼。今年初のたぶん人類初
— 吉藤オリィ@対孤独の発明家 (@origamicat) December 31, 2019
あけましておめでとう
今年も皆で良い年を創ろう!#OriHime pic.twitter.com/37uDbV8VED
友達を増やして実際に行きたくなって、
自分の行ったが誰かの行きたいに変わって、
日本中どこからでもカフェで働き、接客トレーニングもできて、
企業から声をかけてもらって就職できて、
お金稼いで納税して家族や友人にプレゼント贈って、
ALSになり、自由が奪われていく中で娘にも、手助けしてもらう事が増え、母親らしいことをしてあげられないと悔しい思いでいました。
— みか (@mikarinnomahou) December 4, 2018
このカフェで、働いたお給料で、私から娘へプレゼントしたいと思っています。
まだまだ母親として世話をやきたいのです。#分身ロボットカフェ pic.twitter.com/sa6PTtkgf7
そんな姿にあこがれる人達も出てきて、
彼女たちが、OriHimeのパイロットに見ているのは、憧れなんてもの以上に近い未来の自分達の姿なんだなぁと、「もしかして私はすごい事に参加させていただいているのではないか」と、今更ながらですが、良い意味で鳥肌が立ちました。 pic.twitter.com/dURuPUAQ0v
— 桜 (@nexttrap16) October 24, 2019
障害や年齢関係なく、誰しもいつか寝たきりになる後輩たちのよき先輩となって、その人の悩みごと、生き方を支援する。
私はそんな未来を信じているし、まだまだ足りない要素は多いけど力を合わせれば本気で作れると思っている。
私や番田、多くの仲間らが生きて挑戦した証が同情や悲しい話ではなく、次の世代へのバトンとして遺せるのなら、私達は胸を張って「生きて良かった」と言えるのではないだろうか。
「孤独が解消される世界」と「心が自由ならどこへでも行けて、なんでもできる世界」へ、挑戦と研究はこれからも続けていく
2020.9.7
吉藤オリィ
追伸:
吉藤の活動を応援・支援するよ、重度障害や寝たきりの人達の生活や困りごとの解決方法を知りたい、一緒に何かやりたいと言ってくださる方はこちら。新たな発明や挑戦を発信し、資金は全て研究開発に投資していきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?