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留学向け銀行戦略②(日本)

こんにちは。
今回は、前回の内容を踏まえて、実際に検討してみます。
最初に断っておきますが、長いです。すみません。最後に私の考えを書いた蛇足部分以外は無料です。


はじめに

海外への送金は為替手数料+送金手数料+中継銀行手数料+受取手数料とやたら手数料がかかります。自分のお金なんですけどね。
前回書いた通り、結局私は送金手数料を重視することにしました。
為替は自分でコントロールできず、数十銭〜数円の手数料以上に動いてしまうし、工夫すれば為替手数料は下げられるからです。あくまで個人的な意見ですが。


ただし、留学を考えてるなら早めに外貨預金口座を開設したほうがいいと思います。為替レートがいつどう動くかわからないので、円高と思われるタイミングでこまめにドルに変えておくべきです。留学時に円高が進行してる可能性もあるので絶対とは言えませんが。

WISE, Revolutでもいいですが、上限100万円なので少し少ないです。


そして送金手数料や海外サービスの充実度を考えると、今日本で選ぶ銀行はSMBC信託銀行(プレスティア)かソニー銀行です。
両社は同じようなサービスを提供しています。
ただし、いずれも上級会員優遇が重要です。
以下の説明は基本的に新規に口座開設して、ローンや投資信託などの他の取引は無しを前提として考えます。
また、ドルに両替してアメリカに送金する前提で書いています。ご了承ください。



①プレスティア

かつてのCiti bankで国際金融に強みがあります。

デジタルゴールド

上級会員にはデジタルゴールド、ゴールド、ゴールドプレミアムの3つがあります。
3つのうちゴールドプレミアムは別格で、外貨預金だけで1000万円かつ、総残高も5000万円以上とかなり厳しいです。デジタルゴールドとゴールドの差は、テレホンバンキングでの優遇の有無で、ネットバンキングではほぼ同じ扱いです。デジタルゴールドでも送金手数料は無料にできます。

 デジタルゴールドは外貨預金の月間平均残高300万円以上で達成できます。ちなみに総残高も1000万円を超えていればゴールドになります。
この月間平均残高が曲者で、判定は1ヶ月の平均残高が基準を超えた翌月20日から適用されるので、例えば1月15日に300万円分のドルを預けて置いておいたとしても、1月の平均が300万円を満たさないので、デジタルゴールドになれるのは3月20日になります。
 逆に降格については「条件を満たさない状態が続いたとき」となっており、外貨預金300万円を下回ってもすぐには下がらないようですがいつまで維持されるのかは不明です。

メリット

デジタルゴールドのメリットはいくつもありますが、関係しそうなものを挙げます。

  • 海外送金手数料無料:通常は送金手数料7000円ですが、デジタルゴールドなら無料です。

  • 為替手数料半額:1ドルにつき1円の手数料がデジタルゴールドは0.5円になります。

  • GLOBAL PASSの海外利用で1%キャッシュバック:通常は0.25%還元ですが、1%にupします。なお、キャッシュバックの代わりにANAマイルがもらえるコースもあります。私はJAL派なのでよく見ませんでしたが(^^;)

  • 円からの外貨定期預金の金利up:その名の通り金利がupします。最低金額は10万円以上で、さらに円からの預入限定なので為替手数料がかかるのが微妙です。

などがあります。
 また通常会員でも利用できるメリットとして、定期積立または為替指値注文をすることで為替手数料を無料にできます。
ただし定期積立の積み立て金額を変更するときは電話で一度取消して再度注文が必要です。また為替指値注文は最低の注文額が50万円で、こちらも注文価格変更はできず取消しかできません。

デメリット

 プレスティアのデメリットとしては月2200円の口座維持手数料がかかります。ただ、これは前月の平均外貨残高が20万円以上or前月の平均残高が50万円以上or外貨積立の設定で無料になります。
 あとは他の銀行に比べて環境が整っていないのか、オンラインだけで終わらず、郵送や電話が必要な手続きが多いです。

その他

 口座維持手数料を考えると、とりあえず少額でもいいので定期積立を設定しておくか、50万円以上の預金をして口座維持しておくといいと思います。
 また、プレスティアはSMBC系列のため三井住友銀行と相性がよく、相互に送金手数料がかからないのもポイントです。

※GLOBAL PASS
しれっと書きましたが、VISAデビットカード兼キャッシュカードです。
外貨口座残高があれば、海外ATMで手数料なしで引き出せます。
また、VISAデビットの支払いにも為替含む手数料がかかりません。
少しですが海外利用でキャッシュバックorANAマイルがたまります。
海外旅行時や、移住/留学/駐在でクレジットカードを持つまでのつなぎにはいいかもしれません。
ソニー銀行にもSony Bank WALLETという類似のシステムがあります。



②ソニー銀行

Club S

ソニー銀行にはClubSという上級会員制度があります。
シルバー、ゴールド、プラチナがあり、
シルバーは月末総残高300万円or月3万円以上の外貨積立。
ゴールドは外貨預金残高500万円以上、プラチナは同1000万円以上です。
 月末に判定日があり、翌々月から優遇が適用されます。降格判定は3月と9月のみです。

 送金手数料が無料になるのはゴールド以上ですが、ソニー銀行はプラチナも比較的取りやすいので、もし余裕があるならプラチナまで取っておきたいところです。

メリット

プレスティアと似ています。

  • Sony Bank WALLET の国内利用で通常0.5%のキャッシュバックがさらに0.5~1.5%up

  • 海外ATMからの引き出しが月1~5回無料

  • 為替手数料down:通常は1ドルにつき15銭ですが、シルバーは10銭、ゴールド7銭、プラチナ4銭になります。また、ランクに関係なく月に1回くらい為替手数料無料キャンペーンをやっています。

  • 外貨定期預金金利up:0.01~0.03%が上乗せされます。

  • 海外送金手数料無料:通常1回3000円ですが、ゴールドなら月1回、プラチナなら月3回無料です。


デメリット

 特にないと思います。ほとんどの手続きがオンラインで完結できるし、口座維持手数料もかかりません。アプリも使いやすいです。いくつか気になることは「その他」に書きました。

その他

  • まだやっていないので真偽はわかりませんが、外貨送金の際には送り先をあらかじめ届け出る必要があります。その際、ソニー銀行はお金の出どころを証明するために、元の給与受取口座の取引証明書などの書類を沢山求められて面倒だったという話を見かけました。

  • また、優遇で海外送金手数料は無料になるのですが、手数料依頼人負担の場合は支払銀行手数料3000円がかかり、これは優遇がありません。これは中継手数料を送り主か受け手のどちらが払うかという問題ですが、今回はどちらも自分です。手数料受取人負担にしておけば送金手数料はかかりませんが、中継銀行手数料として受取額から引かれているかもしれません。ざっと調べましたが恐らくケースバイケースのため真相は不明です。

※Sony Bank WALLET
プレスティアのGLOBAL PASSに当たるデビットカード兼キャッシュカードです。
VISAデビットの支払いに為替含む手数料がかからないことや、外貨口座から海外ATMで引き出せるのは一緒ですが、Club Sがないと引き出し手数料がかかります。
また、マイルはたまらず、キャッシュバックの対象は国内利用時です。



比較

プレスティアの良い点

  • GLOBAL PASSは海外利用でキャッシュバックあり、デフォルトで海外ATM手数料が無料なので、海外で使うにはSony Bank WALLETより良さそう。個人的にデザインも好み。

  • 送金手数料は無料回数に制限のないプレスティアが良い。ソニー銀行は支払銀行手数料がかかる可能性もある。

  • 送金先口座登録はプレスティアの方が簡単かも?

  • 海外大学院サポートプログラムといって、大学院生として留学する場合には口座維持手数料や送金手数料などが無料になる特典がある。私はポスドクなので使えませんが…

ソニー銀行の良い点

  • ソニー銀行は口座維持手数料がかからないが、プレスティアはうっかりして積立設定をし忘れたり、残高が50万円を下回ると手数料とられる可能性がある。

  • 為替手数料はソニー銀行が安く、無料キャンペーンもある。プレスティアは手数料無料で両替するためには指値注文の手間がかかるし、積立の場合はタイミングを選べない。


結論:
一長一短ありますがほとんど同じようなサービスが使えるので好きな方を選んでいいと思います(笑)

大学院生として行くなら絶対プレスティアですが。


おまけ:残高証明

プレスティアは電話で依頼すれば英文発行できるようでしたが、外貨建てについては記載なしでした。郵送料金は880円です。
ソニー銀行は通常の残高証明は440円ですが、ドル建てで記載する場合は880円で、郵送で申請します。
なお、三井住友銀行では円建てなら日本語・英語表記ともオンラインで受付できますが、ドル建ては店頭に行く必要があり、料金は880円でした。



③WISE, Revolut


この2つはよく似ているのでまとめて扱います。

共通

・デビットや口座振り込みでチャージし、両替/送金が可能です。有利なレートの時に両替だけしておいておいて後で送金もできます。
・為替手数料は基本的にかかりません。
・デビットカードを発行でき、外貨口座から手数料なしで支払いできます。(GLOBAL PASSやSony Bank WALLETと同じ)
・手数料無料の金額や回数に制限がありますが海外ATMでの引き出しもできます。
・口座には100万円相当額までしか保持できず、送金も100万円以内など制限があります。
・残高チャージに手数料がかかることがあります(銀行振込チャージではWISEはPayPay銀行、RevolutはJPモルガン→楽天銀行に振込です)。同じ銀行など振込手数料無料の口座を用意するか、RevolutはVISAのデビットカードでチャージしましょう。
・正式な銀行ではないので万が一会社が倒産などしてもお金は保護されないようです。それほど高いリスクではないと思いますが…

WISE

◎為替手数料は0円です。またRevolutより若干レートが良いようです。
◎口座情報を持てるので、銀行口座のように使用でき、給与受け取りや家賃の支払いなどができます。
◎送金時に手数料を明示してくれ、送金途中の状態も見ることができるので透明感があり安心できます。
◎タイミングの問題かもしれませんが、Revolutより着金やチャージの反映が早い気がします。
✖送金手数料がかかります。(0.6-0.7%くらい)

Revolut

◎送金手数料0円です。ただし中継手数料がかかる場合があるようです。
◎デビットカードはVISAで、発行料は無料です。(WISEはMasterCardで、1200円かかります)
◎銀行振込だけでなく、デビットカードでのチャージも手数料0円です。WISEはデビットカードも少し手数料がかかります。
✖時間内は為替手数料0円ですが、時間外は1%の手数料がかかります。(ニューヨーク時間の日曜日午後6時~金曜日午後5時が無料期間です)

まとめ

少しでも節約したいならRevolut、安心安定をとるならWISEという感じでしょうか。併用している人も多いようです。
合わせて200万円程度送金できることになるので、大抵の場合は十分でしょう。

機能的にはプレスティアやソニー銀行のスケールダウンバージョンといった感じですね。海外旅行など短期の滞在にはこちらでも十分だと思います。
特にアジアではWISEの方が対応通貨が多く、銀行で開設しなくても口座を持てるのでノマドワーカーの方が東南アジアで使ったりしているようです。



④FX

私もやったことがないため、これについてはあまり書けません。
FXで外貨を入手するためには、取引をしない「両替」か、FX取引を行ってより安く両替できる「現受け」を行います。
会社や両替法によりますが、手数料は1ドルにつき数銭以下と格安です。

主な会社としては
・GMO外資
・セントラル短資FX
・マネースクエア
・マネーパートナーズ
などがあるようです。気になる方はやってみてください。
注意点としてはドルで出金できる会社を選ぶ必要があるのと、出金手数料がかかる場合があります。セントラル短資FXは三井住友銀行とみずほ銀行への外貨出金が無料です。
https://www.central-tanshifx.com/fxdirectplus/exchange/




総まとめ

いかがだったでしょうか。結構調べるの大変でした…
また情報があれば追記していきたいと思います。
最後に私の考えを書いてみたいと思います。
何もすごいことは書いていませんが興味のある方はどうぞ。

私の考え

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