獄中短歌①

いつかまた 楽しい日々が 来るからと
   励ます姉の手紙が濡れる

こいのぼり 妻の実家の 息子らを
   元気でいてと祈るほかない

こいのぼり 家族そろって泳いでる
   普通の事が一番の幸せ

償っても償いきれぬ事したと
   一生償うと心に誓う

家族らが一番大事と気づくまで
   なぜそんなに遠回りした

自分次第 自分次第と言い聞かす
   妻と息子に会える日来るも

妻からの 手紙無いのは当然と
   わかっているけど待つ我

本当の悪人なんてそうはいない
   刑事の励まし思い出し胸に

テレビ見て笑う自分が嫌になる
   すいませんと心でつぶやく

外にいる家族の方が辛いはず
   自分は塀に守られていて


十年以上前に、約四年の獄中生活で書いた短歌です。
Twitterに載せたものです。
「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。     

拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。