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獄中短歌④

羨まず流されないで我は我
   比べるはただ昨日の自分

夏の雲塀の向こうでスコールか
   風が届ける夏の匂いを

父の事忘れる程に楽し事
   息子らにあれと祈る

なぜあんな恐ろしき事したのだろう
   贖罪の気持ち忘れぬと誓う

どれだけの贖罪の言葉並べても
   私が逆でも許したくない

穏やかな心と我慢する事が
   今出来る事唯一の事

過去はもう消せない事とこの歳で
   情けないほど改めて知る

いつの日か会えるその時君の背は
   父の背越しているのだろうか

突然にいなくなった父の事
   息子は何を想っているのか

母の日に息子と一緒にカーネーション
   思い出す妻の笑顔がにじむ


十年以上前に約四年の受刑生活で書いた短歌です
Twitterに載せたものを十首づつまとめてみました。
併せて「塀のない刑務所」①~⑰も読んで頂けたら幸いです。

拙い文章ですが、サポートしていただけたら幸いです。