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◆レビュー.《映画『バーティカル・リミット』》

※本稿は某SNSに2021年2月1日に投稿したものを加筆修正のうえで掲載しています。

(※再録時注:ほぼ批判に終始しているように見えますが、今から思えば本作はとってもチャーミングなB級映画だったと思う。という事で記事のほうもツッコミ満載。嘲笑的な調子になってしまったのは失敗だったかも。でも「ツッコミながら見たいダメ映画」が好きな方には超オススメです。中古のDVDコーナーにこれがあったら普通にGETするレベルでお気に入り。思えば最近、この手のB級映画、ゴールデン洋画劇場みたいな時間帯にやらなくなっちゃいましたよね)

 2月1日月曜日、午後ローでやっていた山岳アクション映画『バーティカル・リミット』見ましたよ~♪ 2000年アメリカの典型的なハリウッド的娯楽作品です☆

『バーティカル・リミット』


<あらすじ>

「登山中の事故により目の前で父親を失った兄妹。その後、兄ピーターは山に入ることを拒み写真家に、妹アニーは父の夢を追い登山家の道を選ぶ。そして今、アニーは標高8000メートルで氷のクレバスに閉じ込められてしまった。命が持ちこたえられる時間は22時間。知らせを受けたピーターは、妹の命を救うためK2へ再び足を踏み入れることを決意する。しかし、そこは想像を絶する“死の領域”だった……。」――映画.COM「解説」より引用

 というお話。
 あらすじをまとめる事さえメンドイのでそのまま引用してしまった。


<レビュウ>

 2000年ってこんなに特撮レベル低かったっけ?と疑問におもうくらいアナログ特撮メイン。見てた時はてっきり80~90年代映画かと思ったけど違うのね。
 ちょっと調べてみたら『MATRIX』が1999年だから当時としてもレベル低かったんじゃないの?

うんもうわかったから話を先に進めて?」ってくらいサスペンスの押し売りにゲンナリ。
 強風で安定しないヘリコプターが登場人物に迫ってきて、危うく回転翼が彼女を切り裂きそうに!なんてどうでもいいサスペンス作らないで下さい。おもわず手叩いて笑っちゃいましたよもう。

 雪崩でふさがれたクレバスの中に閉じ込められている遭難者を救うためには、クレバス上を覆っている雪塊を爆破するしか手はない!たいへん危険なのだが遭難地点までニトログリセリンを人の手で背負って運ぼう!ぜったい爆発させるなよ!ぜったいだぞ!爆発をさせるなよ!……というお約束の「ダチョウ倶楽部コント」も登場。こんなのわざとやってませんか?
 人工雪崩を起こさせるためにも使われる爆発物を、わざわざK2なんて超危険地帯の雪山で爆発させるなんて「おれたちに向かって雪崩を起こしてくれ!」と言っているようなものでは?

 そんな切り立った雪山のどこで爆発させても危険極まりないニトロを、あえて救助に使うとかいう狂気を見せてくれるが、いまいちサイコ・サスペンス風味はなし。もしや全員正気でやっているのでは……?

 そして、予想した以上にマヌケな形でニトロが大爆発して2名の救助員が跡形もなく吹っ飛ぶ。って言うか大量に持って行きすぎでしょそれ。戦争でもしたいの?

 切り立った断崖絶壁のその10mくらい先に、向かう先の岩壁があるので、ピッケル二つ持ってダイビング。もう他にルートはないんだ!的な。
 向うの岩壁に体を激突させながらも、危うくピッケルを引っかけて取りつく事に成功!
 ……なんてやってましたけど、全身を岩壁に思いっきり強打させて顔面も岩壁にまともにぶつけているのに無傷という荒唐無稽さ。
 このアクションをアーノルド・シュワルツェネッガーがやっていたら説得力もあったろうが、あいにくそれをやった主人公は細身の優男。経歴は良く知らないんですがこの人、元サイヤ人か何かだったんでしょうか?

 無理矢理アクションしたいのは分かるけど、雪崩起きすぎ、ニトロ爆発しすぎ。で、救助される側よりも多くの救助員が亡くなる痛ましい事件に発展。それで「遭難者が無事救助された」からって簡単にハッピーエンドにしないで欲しい。
 あまつさえ「ワルぶる役」の登場人物のセクハラ発言は心底下品で胃がもたれそうなレベルだしもういい加減にして?

 こんな感じで「まじめに脚本精査した?」ってくらいにツッコミどころ満載のハリウッド・パリピ・B級アクション映画で久々に頭を全く使わずに見る事ができました。
 パーティなんかでお酒を飲みながら全員でやんややんやとツッコミを入れながら見るとかろうじて楽しめる良作ですネ。


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