騙された!美術展だと思ったら、がっつり販売会だった話
Twitterを見ていたら、たまたま流れてきた『カーク・レイナート展』開催のお知らせ。
ふーん。長崎でこんなのあるんだ、珍しい。絵のタッチに惹かれたわけでもなんでもないんだけれど、無料だし、たまには見てみるか、と軽い気持ちで予約。
展示販売会、がどんなものかも知らずに。
当日。「いま会社で考えてる企画のアイディアにでも繋がるといいな〜」なんてちょっとワクワクしてた。
会場に入ってみると、ずらりと絵が並んでいた。でも、違和感が。
「ん…?地味にポップな音楽、流れてるぞ…?しかも、美術展では考えられないくらい、めっちゃスーツ着た人たちいる……。」
まぁいいや、と気にせず見ていたら、まぁ絵の内容が入ってこないし、浸れない。(芸術品見るときは自分の世界に入りたい派)。
音楽が原因か…と思っていたら、それだけじゃなかった。内容が聞き取れるくらいの、大きい声が聞こえてくる。
その方向を見ると、椅子が置かれていて、お客さんとスーツの人が話していた。そう、彼らは、展示されている絵の販売をがっつりしていたのだ。
「あぁ、騙された」と思った(笑)。販売展示会ってこんなゴリゴリ絵を売られるの…って。
でも、私がサイトをよく見ないで来たのが悪い。この美術展を主催している会社『アールビバン』は、版画の販売をしていると知った。
一つだけ、良かった点をあげるとしたら、「スタッフの方が解説をしてくれたこと」。話しかけられたら断ることができなかった。
「これ、1か月前に描かれた最新の絵画なんですよ〜。」
「へぇ〜、ここにあるの、全部本物なんですか?(それぞれ絵には値段が添えてあるから、わかってて聞いた)」
「そうです!小学生のときに経験した、木を彫刻刀で掘って、インクで刷って完成させる版画ってわかりますか?あれと同じで、何枚も複製させたのがここに展示されているんですよ。」
版画を作る前に、「この絵は何枚刷る!」と決めているらしい。だから、絵の下には、「100/200」みたいに、番号が振られていて、何枚目の作品なのかがわかる。
そして、世に出品される前に、アーティストはひとつ一つ、色ムラなどを丁寧にチェック。本物だけが販売される仕組み。
私は絵の世界なんて知らないし、もともと興味がないから面白かった。ここでやっと、「来てよかったかもな」と思った。また新しい知識が増えたから。
そう考えると、会話ができる美術館も意外と面白いのかもしれない。「美術館では静かにする」が暗黙のルールみたいになっているけれど、たまに誰かに感想を言いたくなるし、目の前で絵の解説をしてほしくもなる。
なんていうこのnoteを、展示会の外のロビーで書いている私は、きっと絵画になにかしらのインスピレーションをもらったのだろう。
「展示販売会」がどのようなものかもわかった。「騙された」なんて言ってごめんね。