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~高き壁を乗り越え優勝へ~RIKKIOのこれまでとこれから

東京六大学野球春季リーグの開幕から4週間が経過し日程としては折り返しを迎えました。2017年の春季リーグ戦優勝以降はBクラスに沈むことの多かった立教大学ですが、ここまで4試合を消化して負けなしの暫定2位につけています。
ここまでの戦いぶりと投打の注目選手、優勝のために乗り越えなければならない壁について話します。

①ここまでの戦いぶり

5月2日時点での順位表です。
試合数が慶應、早稲田、法政、東大より少ない4試合でありながら、2位につけています。
細かいミスはあるものの、ここまでの戦いぶりを見ていて攻撃は勝負強さ守備は粘り強さを感じます。

簡単に各試合の内容を振り返ります。


4/17法政戦:9回土壇場で追いつき引き分けに持ち込む。
4/18法政戦:少ないリードを小刻みな継投で守り切り勝利。
4/24早稲田戦:早稲田投手陣を攻略して大勝。
4/25早稲田戦:終止主導権を握られながらもシーソーゲームを制しての勝利


4/24の早稲田戦を除いては全て僅差のゲームです。
開幕戦も三浦銀二投手(福岡大大濠)の出来と試合展開を考えると”負けなかったゲーム”と捉えられる試合です。

①-1 欲しい1本を望める打線

ここまでの立教打線の基本的なオーダーです。​
今年の立教は勝負強さが目立つ、すなわち欲しい1本を望める打線です。

(中)道原慧(3駒大苫小牧)
(遊)井上剛(3佐久長聖)
(右)太田英毅(4智辯学園)
(ニ)山田健太(3大阪桐蔭)
(一)東怜央(4福岡大大濠)
(三)佐藤元(3福岡大大濠)or吉岡広貴(3広陵)
(左)宮崎仁斗(3大阪桐蔭)
(捕)黒岩陽介(3静岡)

三塁の佐藤選手、吉岡選手は併用されていますが、それ以外の守備位置、打順共にほぼ固定されています。
得点パターンとしては道原、井上、太田の1-3番でチャンスメークをして山田、東の4、5番コンビ一気に返すパターンが目立ちます。
下位打線や代打に目を向けても、貴重な得点を生み出す場面がよく見られました。

4/17法政戦:代打出場で三浦投手から値千金の同点タイムリーを放った吉岡選手
4/18法政戦:8回にダメ押しとなる貴重なタイムリーヒットを放った黒岩選手
4/25早稲田戦:一時逆転の3ランホームランを放った宮崎選手

太田選手、山田選手、東選手というリーグ戦での経験もある中軸を中心に、脇を固める選手も貴重な得点に絡む活躍も目立つ理想的な打線になっています。
この中でも特に目立つ活躍をしているのが5番一塁を任されている東怜央選手です。
183cm/95㎏の堂々たる体格から自分のコースに来たボールをスタンドに運べるパワーと、難しいボールをセンター返しできる上手さを兼ね備えたバッティングが持ち味です。

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高校は法政大学の主将兼エースの三浦銀二投手や、中央大学の主将の古賀悠斗選手と同じ福岡大大濠高校の出身です。
東選手の成績がこちらになります。

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4試合で7打点という成績が特筆していますが、その内訳が素晴らしすぎます。

4/18法政戦:先制2点タイムリーヒット(山下投手)
4/24早稲田戦:先制した直後に放った流れを一気に引き寄せる3ランホームラン(徳山投手)
4/25早稲田戦:試合を決める逆転2点タイムリー(田中星投手)


7打点全てがチームにとって大きな意味を持つ打点になっています。
勝負強さの要因としては4/25の試合後のインタビューで

チャンスでは何も考えずに自分のスイングをすることだけを考えている

と答えています。


また、

甘いボールを仕留めることができるようになっている

とも話しているので、3年間の取り組みが結果として現れ始め、自信が出てきたのではないでしょうか?

これからも東選手の勝負強い打撃に期待したいですね。
今の立教の攻撃ができていれば、ある程度の得点は期待できるので各選手が調子の維持に努めてあと3週間乗り切ってほしいです!

①-2 何かと話題になりがちな投手運用

立教の投手起用と言えば何かとアマチュア野球界隈をざわつかせますよね(笑)
今季も話題になっています。
どういう運用法かというと、ここまで4試合全て同じ投手が先発で、試中盤からは中継ぎ投手を繋いで行くという運用です。
10試合ポイント制&延長戦なしのレギュレーション下ならではの運用ですよね。
賛否両論ある中、今季はこの起用方法が当たっているのも事実チーム防御率はリーグトップの2.00を記録しています。
ここまでの立教の投手運用についてまとめました。


先発:池田陽佑(2智辯和歌山)
中継ぎ:栗尾勇摩(4山梨学院)
    野口裕斗(2東海大相模)
    石元悠太郎(2佼成学園)
    島田直哉(3龍谷大平安)
抑え:宮海土(3國學院栃木)


先発は甲子園で奥川投手(星稜ーヤクルト)と投げ合いU-18にも選出された池田投手が務めています。3-5回を目途に、ここまで4試合全てで試合は作っていて、役割は果たしています。
中継ぎはリーグ戦での経験豊富な栗尾投手を中心に、今季台頭してきた野口投手、石元投手の2年生投手で試合中盤を凌ぎ、抑えの宮投手に繋ぐという投手リレーを行っています。
投手起用のミスで大量失点したというケースもなく、ここまでの投手運用は当たっていると言えます。

防御率が示している様に各投手が良い仕事をしていますが、この中でも特に目立つのが宮投手です。

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國學院栃木高校から2019年に入学した3年生左腕です。
昨年のリーグ戦では全15試合中14試合に登板しました。
今季もここまで4試合全てに登板しており、8回無失点で規定投球回に到達しており、防御率ランキングも1位です。
宮投手の今季のここまでの成績がこちらになります。

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防御率0.00、K/BB5.00、WHIP0.50と素晴らしい成績です。

終盤の複数回を連投できるタフネスぶりがクローズアップされますが、勢いのある140km/h前後のストレートと130km/h前後のスライダーで六大学の強打者たちをねじ伏せています。球の力もさることながら、ストレート、スライダーともに左右関係なく両サイドに投げ分けるコントロールも持っており、2022年のドラフト戦線にも名前が挙がるサウスポーです。

溝口監督からの信頼も抜群です。
4/25の早稲田戦ではチャンスで栗尾投手の所に打順が回ったこともあり、宮投手が7回から登板しました。
このことに関して溝口監督


「本当は最後の2イニングの予定だったが、勝負どころだったので『申し訳ない』と言って送り出しました」

と話しており、宮投手を信頼しているからこその采配でした。

今後、立教が優勝争いを繰り広げる中で必ず訪れる試合後半での山場、そのマウンドには必ず宮投手がいます。
そこで宮投手がどういうピッチングをするのか、立教の優勝はこの3年生左腕にかかっていると言っても過言ではありません。

②優勝に向けて乗り越えなければならない大きな壁

RIKKIOが乗り越えなければならない大きな壁。
それはKEIOです。
立教大学は慶應義塾相手に近年苦しい戦いを強いられています。
今の4年生が入学した2018年春以降の対慶應の成績です。

2018年春 1勝2敗
2018年秋 1勝2敗
2019年春 0勝2敗
2019年秋 0勝2敗
2020年春 0勝1敗
2020年秋 0勝2敗

過去3年間で2勝11敗、現在8連敗中です。ちなみに勝ち点獲得はというと2016年の春までさかのぼります。
とにかく慶應に勝てないのです。
代も変わるのでこれまでのことは関係ない、という意見もあるでしょうし、選手はそう思っているでしょうが、ここまで勝てないと意識することはあるはず。。。

とは言え今季の立教は強い。
池田投手がゲームを作り、中継ぎ陣が試合の主導権を渡さない粘り強い投球を見せ、打線が勝負強さを発揮するこれまでの戦いができれば勝機は見えてきます。
慶應の戦力にも詳しく触れて、考察したいのですがそれをすると今回の趣旨と少し離れてしまいそうなので、それはまたの機会にしたいと思います。

慶應戦では投手陣はフル回転することが予想されますし、万全なコンデションで臨んでほしいですね。
慶應戦は第6週です。第5週には東大戦が控えています。
慶應は第5週は休みなので1週空いて、万全な状態で第6週を迎えます。
先を見据えて勝てる程、楽な相手ではありませんが、立教としては第5週の東大戦は投手陣をなるべく消耗せずに勝ちたいというのが本音でしょう。
そのためにも東大戦は打線爆発と行きたいですね。

今後の立教大学の日程をまとめました。

5/8,9 優勝争いのためにも内容も問われる東大戦
5/15,16 天王山になるであろう慶應戦
5/22,23 負けられない紫合戦(明治戦)

勝負強い攻撃と粘り強い守りで慶應を乗り越えた先に待つ8季ぶり14度目の優勝!
RIKKIOのこれからの戦いから目を離せません!
お粗末なプレーが出ませんように。。。

緊急事態宣言が解除されて天王山からは神宮球場で観戦できることを願っています!

・出展

写真については全て筆者撮影

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