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《有料・冒頭試読》(49)「47」打のチームから投のチームへ変貌させた300勝投手の背番号47

割引あり

(写真 左から、24代・復活へステップアップ鈴木昭汰、8代・投のチームへ変貌させた小山正明、11代・3年の在籍ながら印象残した欠端光則、17代・外野の一角を担った井上純)


(49)「47」打のチームから投のチームへ変貌させた300勝投手の背番号47

 球団創設以来、ミサイル打線と評された様に、オリオンズは打線が看板のチームとしての印象が強かった。その歴史が塗り変わったのは、背番号47の大エースの移籍だった。「世紀のトレード」と呼ばれた大型トレードで阪神から移籍した小山正明のもたらした影響だった。オリオンズ時代は成田文男、木樽正明、村田兆治らに受け継がれ投手のチームとなった。その歴史はマリーンズとなってからも小宮山悟、伊良部秀輝、清水直行と繋がる投手の歴史は小山の影響から始まっている。背番号47の大エース小山正明がいたからこそ、その歴史が生まれたと言っても間違いないところだ。

----- 現在の背番号「47」 -----

 ★《24代》2023(H5)年〜2024(H6)・2年目 鈴木 昭汰(すずき しょうた)  投手(在籍4年目)

  1998(H10)年9月7日生(入団時24歳)、左投左打
  茨城・常総学院高–法政大−千葉ロッテ(21〜)

 【鈴木 昭汰 背番号変遷】35(2) ⇒ 47(2)
 3年目を迎えた鈴木昭汰が2023(H5)年に、背番号を35から47に変更して引き継いだ。1年目は開幕からローテーション入りしたが、前年22(H4)年は6試合(3先発)の登板に留まっていた。
 背番号を変更した23(H5)年は二軍で好投して5月に一軍登録。4日の楽天戦にシーズン初登板したが打ち込まれたことに加えて打球が右足を直撃し、登録を抹消される。その後は一軍と二軍を往復する。8月に登録されると、ようやく安定したマウンドを見せ、最終的に13試合に登板して防御率2.76を記録。ポストシーズンでもリリーフとしてマウンドに上がった。

 (23年シーズン終了時)
 ◆投手成績<42試合、2勝7敗、防4.25、0S、1H、15先発、0完封、94奪三振>
 ◇初登板、初先発<2021(R3)年3月28日・ソフトバンク3回戦/R(PayPayD)/先発/5回2失>
 ◇初勝利<2021(R3)年4月25日・ソフトバンク6回戦/H(ZOZOマリン)/先発/6.1回2失>
 ◇初ホールド<2021(R3)年5月16日・西武9回戦/H(ZOZOマリン)/2番手/1回0失>
 ◇初セーブ<2024(R6)年4月17日、対埼玉西武ライオンズ4回戦(ZOZOマリン)/3番手完了/1回0失>

----- オリオンズ&マリーンズ「47」の系譜 -----

※1950(S25)年〜1951(S26)年 空番


 ★《初代》1952(S27)年・1年 吉田 重義(よしだ しげよし)  内野手(在籍1年)

  詳細情報不明(入団時25歳)

 【吉田 重義 背番号変遷】47(1)
 1952(S27)年に入団した吉田重義が、2年間空番だった初代背番号47を背負った。入団時25歳以外の詳細は不明。

 <一軍未出場>


 ★《2代》1953(S28)年・1年 兵藤 冽(ひょうどう ただし)  内野手(在籍1年)

  1934(S9)年8月9日生(入団時18歳)、左投左打
  愛媛・八幡浜高−毎日(53〜54)–トンボ(55〜56)−近鉄(57〜58)

 【兵藤 冽 背番号変遷】47(1) ⇒ 26(1)
 1953(S28)年に愛媛・八幡浜高校から入団した兵藤冽が、背番号47を引き継いだ。
 1年目の53(S28)年はシーズン終盤に一軍ベンチ入り。9月15日の近鉄17回戦(後楽園)に一塁の守備に入り初出場。その後、打席にも立つが、4試合に出場して2打席無安打で1年目を終える。オフには背番号を47から26に変更した。
 → 兵藤冽 背番号 26 へ(無料エリア)

 ◆打者成績<25試合、打率.091、33打数3安打、0本塁打、34打点、0盗塁>
 ◇初出場<1953(S28)年9月15日・近鉄17回戦/H(後楽園)/途中一塁/打席なし>
 ◇初打席<1953(S28)年9月17日・近鉄19回戦/H(後楽園)/途中一塁/1打0安>
 ◇初安打、初打点<1954(S29)年3月30日・大映1回戦/R(西京極)/代打/適時打/1打1安>


 ★《3代》1954(S29)年〜1956(S31)・3年 水野 一(みずの はじめ)  外野手(在籍3年)

  1934(S9)年2月25日生(入団時20歳)、右投右打
  東京・駒沢高–駒澤大(中退)−毎日(54〜56)

 【水野 一 背番号変遷】47(3)
 1954(S29)年に駒澤大学の外野手だった水野一が大学を中退して入団し、背番号47を引き継いだ。
 1年目の54(S29)年は9月に一軍合流。21日の大映11回戦(後楽園)に代打で登場し、適時三塁打となる初安打を記録。以降、スタメン出場も果たし5試合に出場、打率.250を記録した。55(S30)年はシーズン中盤に一軍合流。このシーズンは23試合と出場試合数を増やし、打率.250と前年と同じだったが、打席数は⑧打席から36打席と増やした中での打率だった.
 56(S31)年は一軍定着も視野に入れたが、打撃不振に陥る.最終的に自己最多となる29試合に出場したが、打率は.125と低迷.このシーズン限りで引退した。

 ◆打者成績<57試合、打率.203、64打数13安打、0本塁打、6打点、1盗塁>
 ◇初出場、初打席、初安打、初打点<1954(S29)年9月21日・大映11回戦/R(後楽園)/代打/2打1安/適時三塁打>
 ◇初スタメン<1954(S29)年9月22日・大映12回戦/R(後楽園)/1番三塁/3打0安>


 ★《4代》1957(S32)年・1年 梅野 慶志(うめの ちかし)  投手(在籍1年)

  1939(S14)年3月18日生(入団時18歳)、左投左打
  大分・日田高–毎日(57)

 【梅野 慶志 背番号変遷】47(1)
 1957(S32)年に大分県・日田高校から入団した梅野慶志が、背番号47を引き継いだ。
 高卒ルーキーながら5月に一軍抜擢される。30日の近鉄7回戦(大阪)に3番手として一軍初マウンドに上がる。しかし、1回を2失点と失点。登板はこの1試合に終わった。このシーズン限りで退団した。

 ◆投手成績<1試合、0勝0敗、防18.00、0先発、0完封、1奪三振>
 ◇初登板<1957(S32)年5月30日・近鉄7回戦/R(大阪)/3番手/1回2失勝敗なし>


 ★《5代》1958(S33)年〜1959(S34)年・2年 保坂 幸永(ほさか ゆきなが)  投手(在籍3年)

  1931(S6)年8月13日生(移籍時26歳)、右投右打
  山梨・日川高–立教大−大映(56〜57)−大毎(58〜60)

 【保坂 幸永 背番号変遷】47(2) ⇒ 27(1)
 大映時代は捕手として活躍していた保坂幸永が、合併に伴い現役を引退し、大毎の二軍コーチとなったが、その強肩が認められ投手として現役復帰。1958(S33)年に投手として登録され、背番号47を引き継いだ。
 投手として登録された58(S33)年だったが、一軍登板なく終わる。移籍2年目の59(S34)年は本職の捕手として登録される。ブルペン捕手として一軍に帯同し、登録されるが1試合のみ偵察要員として名前を連ねる。オフには背番号を27に変更した。
 → 保坂幸永 背番号 27 へ(試読エリア)

 ◆在籍時投手成績<一軍未登板>
 ◆在籍時打者成績<2試合・偵察要員のみ>


※1960(S35)年 空番


 ★《6代》1961(S36)年・1年 栗野 芳治(くりの よしはる)  外野手(在籍1年)

  1942(S17)年8月5日生(入団時18歳)、右投右打
  三重・松阪商業高–大毎(61)

 【栗野 芳治 背番号変遷】47(1)
 1961(S36)年に三重県松阪商業高校から入団した栗野芳治が、背番号47を引き継いだ。
 高校時代は甲子園で主軸打者として活躍し、大型外野手として期待されての入団だった。しかし、一軍未出場に終わり、1年限りで退団した。

 <一軍未出場>


 ★《7代》1962(S37)年〜1963(S38)・2年 土井 豊(どい ゆたか)  投手(在籍2年)

  1937(S12)年11月1日生(移籍時24歳)、左投左打
  和歌山・那賀高–大阪(56〜61)–大毎(62〜63)

 【土井 豊 背番号変遷】47(2)
 阪神に6シーズン在籍していた左腕・土井豊が1962(S37)年に移籍し、背番号47を引き継いだ。
 移籍1年目は6月に一軍登録され、球団初の沖縄県での公式戦で大毎初登板を果たす。しかし、3試合に登板し1.1回を無失点で切り抜けたものの、その後は出番なくニ軍落ち。2年目の63(S38)年は一軍未登板に終わり、63年のシーズン限りで引退した。

 ◆投手成績<3試合、0勝0敗、防0.00、0先発、0完封、0奪三振>
 ◇大毎初登板<1962(S37)年6月13日・阪急9回戦/R(沖縄奥武山)/5番手/1回0失>


 ★《8代》1964(S39)年〜1972(S47)年・9年 小山 正明(こやま まさあき)  投手(在籍9年)

 【野球殿堂入り】競技者表彰(2001年)

  1934(S9)年7月28日生(移籍時29歳)、右投右打
  兵庫・高砂高–大阪(53〜63)−東京(64〜72)–大洋(73)

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