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《有料、冒頭試読》【ロッテ球団73年考察/(14) -投手-「奪三振」73シーズン歴代ベスト10】

(写真 左・通算奪三振球団最多数の村田兆治、右。昨シーズン様々な奪三振記録を塗り替えた佐々木郎希)


(14)(投手編)「奪三振」の73シーズンベスト10

 投手の華といえば「奪三振」。かつては力で奪っていた三振だったが、打力が向上し変化球が多様化した現在でも三振は投手にとって勲章である。それは昨シーズンの佐々木朗希のピッチングで改めてクローズアップされた。今回はその「奪三振」の73シーズンの考察。

【チーム シーズン奪三振】

★1位…2019(令和1)年 1110奪三振(143試合)(リーグ2位)(種市(135)/二木(115)/涌井(87))
★2位…2022(令和4)年 1022奪三振(143試合)(リーグ3位)(佐々木朗(173)/小島(89)/美馬(86))
★3位…1995(平成7)年 1004奪三振(130試合)【リーグ1位】(伊良部(239)/小宮山(169)/ヒルマン(121))
★4位…2010(平成22)年 989奪三振(144試合)(リーグ2位)(成瀬(192)/マーフィー(125)/吉見(76))
★5位…2009(平成21)年 976奪三振(144試合)(リーグ4位)(成瀬(156)/小林宏(120)/唐川(115))
★6位…2021(令和3)年 953奪三振(143試合)(リーグ5位)(小島、美馬(92)/岩下(87))
★7位…2017(平成29)年 939奪三振(143試合)(リーグ6位)(二木(128)/涌井(115)/唐川886))
★8位…2002(平成14)年 930奪三振(140試合)(リーグ3位)(加藤(148)/ミンチー(132)/清水(124))
★9位…2006(平成18)年 929奪三振(136試合)(リーグ3位)(清水(137)/小林宏(120)/久保(119))
★10位…2015(平成27)年 926奪三振(143試合)(リーグ3位)(石川(126)/涌井(117)/イ・デウン(106))

 近年、三振数は格段に増加している。マリーンズでもチームの奪三振記録73シーズンを紐解くと、マリーンズとなってから格段に奪三振数が増加していることが分かる。

 オリオンズ球団創設3年目に400個、4年目に500個、5年目に700個を突破して以降、長らく700個台で推移。1963(昭和38)に837個を記録したが、これがオリオンズ時代29年間の球団記録となった。
 1992(平成4)年に千葉移転。千葉マリンを本拠地とすると風の影響もあり奪三振が増加し、886個の球団新記録を記録、1994(平成6)年には919個と初めて900個を突破、翌1995(平成15)年には、パ・リーグでは初めて4ケタとなる1004個を記録した(当時セでは巨人と広島が記録)。
 歴代ベスト10をランキングすると、この1994(平成6)年以降の記録が並ぶ。ただ、リーグ1位となったのはこのシーズンだけ。1990年後半以降、前述したように総体的に三振の数が増加していることが分かる。
 ランキングトップは、2019(令和1)年の1110奪三振、2位は昨シーズン2022(令和4)年の1022奪三振、3位は前述の1995(平成7)年の1004奪三振と1000個を超えた3シーズンが並んだ。4位以下はリストのとおりとなる。

 続いて個人記録。まずは最多奪三振のタイトル獲得者をリストアップする。

【最多奪三振獲得 一覧】

★1973(昭和48)年…成田 文男(27歳) 178奪三振(273.2回)

★1976(昭和51)年…村田 兆治(27歳) 202奪三振(257.1回)
★1977(昭和52)年…村田 兆治(28歳) 180奪三振(235.0回)
★1979(昭和54)年…村田 兆治(30歳) 230奪三振(255.0回)
★1981(昭和56)年…村田 兆治(32歳) 154奪三振(230.2回)
★1988(昭和63)年…小川  博(26歳) 204奪三振(203.2回)
★1994(平成6)年…伊良部秀輝(25歳) 239奪三振(207.1回)
★1995(平成7)年…伊良部秀輝(26歳) 239奪三振(203.0回)
※パ・リーグは1989(平成元)年よりタイトル表彰

 プロ野球創設時から毎シーズン「最多奪三振投手」は発表されていたが、正式にタイトルとして表彰されるようになったのは1989(平成元)年から。この記録は球団史上、一番縁遠い投手記録だった。
 創成期、昭和30年代に絶対的エースだった荒巻淳、小野正一も届かなかったタイトル。初めてリーグトップに名前を連ねたのは、金田監督1年目の1973(昭和48)年の成田文男だった。それでも200個には届かない178個だった。
 そして、全盛期を迎えた村田兆治がパ・リーグ奪三振王の名称を連続して手中にする。1976(昭和51)年、村田兆治が自身初めて200個を超える202個で初栄冠。以降、3度トップに輝くことになる。
 1988(昭和63)年には、力でねじ伏せるピッチングが持ち味の4年目の小川博が自身の投球回を上回る204個で「奪三振王」となる。しかし以降はケガが重なり力を発揮できなかった。
 正式タイトルとなって初めて受賞したのが伊良部秀輝。1995(平成7)年から2年連続で239個という圧倒的な奪三振数で獲得した。

【歴代シーズン奪三振 ベスト10】

◆1位…小野 正一 258奪三振(リーグ2位)1960(昭和35年) ※NPB100傑52位
◆2位…小野 正一 245奪三振(リーグ4位)1957(昭和32年) ※NPB100傑63位タイ
◆3位…小野 正一 244奪三振(リーグ4位)1959(昭和34年) ※NPB100傑65位
◆4位…伊良部秀輝 239奪三振【最多奪三振】1994(平成6年) ※NPB100傑70位タイ
◆〃 …伊良部秀輝 239奪三振【最多奪三振】1995(平成7年) ※NPB100傑70位タイ

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