アカデミー俳優が教える人生の歩み方|卒業式のスピーチから学ぶ
Orikago caféへようこそ。店長のひかるです。
今回は「卒業式のスピーチから学ぶ!俳優が教える人生の歩み方」というテーマでお送りします。
皆さんは卒業式の時のスピーチを覚えていますか? アップルのスティーブ・ジョブス氏のスピーチ等が有名ですが、最近は日本でも著名人が壇上に立つことが増えていますよね。
今回ご紹介するのは、2016年1月に俳優のマシュー・マコノヘイさんがアメリカ・ヒューストン大学の卒業式で行ったスピーチです。
ご存じの方も多いと思いますが、マシュー・マコノヘイさんはアカデミー賞主演男優賞を受賞したことのある俳優で、「評決のとき」や「インターステラー」等、様々な映画に出演しています。
通常、卒業式のスピーチはローブを着て表彰台に立って厳かにするものですが、マシューは登場するなりスーツのジャケットを脱いで、ステージの前に椅子を置いてカジュアルに話し始めました。そこから45分間の長いスピーチを繰り広げるのですが、自身の様々な経験から導かれた人生の歩み方を紹介し、このスピーチに共感して感動した学生たちから口コミで全米に広がっていきました。
マシューは人生の歩み方のヒントを13個上げていますが、今回はその中から厳選したこちらの4つのポイントをご紹介します。
① 人生は楽じゃない
② 幸せを求めず、過程を楽しむ
③「成功」は自分が決めるもの
④ ダメだと思う時は、ページをめくる
これらのポイントは22歳の若者だけでなく、社会人になって数多な経験を積んでいる大人にも響く内容です。現状に不満を持っている方、新しい一歩を踏み出す勇気が欲しい方はぜひ、参考にしてみてください。
では早速始めましょう。
①人生は楽じゃない
最初のメッセージは、「人生は楽じゃないことを受け入れよう」というお話。スピーチではこのように語っています:
Life’s not easy. It is not. Don‘t try to make it that way. Life’s not fair. It never was, it isn’t now, and it won’t ever be.
簡単に訳すと、「人生は楽じゃない。そう思い込むな。人生は公平じゃない。今までも今も、これからも」という内容です。
更にマシューは「人生は楽でも公平でもないから、自分だけが不幸だと思ってはいけない」と伝えています。
悪いことが重なると、他の人がうらやましく見えたり、「なんで私ばっかり・・・」という気分になりますよね。でも、人生は元々楽じゃないことを受け入れていると、「そういうものだ。次に進もう」と気持ちを切り替えることができます。
②番目のポイントは:幸せを求めず、過程を楽しむ
「幸せになりたい!」と思うことは一般的だと思いますが、マシューによると幸せを追い求めると返って不幸になりやすいと言います。その理由を次にように話しています:
Happiness is an emotional response to an outcome. If I win, I will be happy, If I don’t, I won’t.
幸せは、特定の結果に基づいた感情で、勝てば幸せだし負けたら不幸せになってしまう。結果次第だからこそ不安定な感情ということです。
マシューは学生たちにHappiness、つまり幸せではなく、Joy 喜びや楽しみを追い求めるように伝えています。
Joy is the feeling that we have from doing what we are fashioned to do, no matter the outcome.
喜びは、結果に限らず過程を楽しむことで得られる感情、という意味です。
マシュー自身、俳優を始めたころは結果ばかりを求め、映画の興行成績を気にしたり、賞が欲しい、みんなに認められたい、と考えていたそうです。ところが、ある時から日々の仕事をもっと楽しもうと気持ちを切り替えたら、より幸せになれたし賞などの結果も伴ってきたそうです。
私たちも、例えば「この仕事に受かれば幸せになれる!」と信じてしまうと受かったら幸せ、落ちたら不幸せ、という2択だけが残り不安になってしまいますよね。「結果がどうなっても、準備していることはきっとこれからの人生で活かせるから頑張ろう!」と考えると、前向きになれます。
③成功は自分が決めるもの
みなさんにとっての「成功」はなんですか?お金なのか健康なのか、結婚なのか、全く違う定義かもしれませんね。
マシューは、このどの選択肢も否定しません。自分にとって何が成功なのか、自分で決めることが大事だと言います。
「成功」の定義は年齢と共に変わるかもしれません。それもよし。ただし、どんな答えであろうと、「自分の信念を曲げるような選択肢を選ばないこと」と彼は伝えています。英語では Whatever your answer is, don’t choose anything that will jeopardize your soul、と言っています。Jeopardize your soul とは直訳すると、自分の魂を脅かす、という意味です。面白い表現ですよね。
このメッセージの意味を私なりに考えてみたのですが、その成功は本当に自分が求めていることか考える、と解釈しています。周りに「収入が○○になったら成功者だよね」って言われているから目指しているのか?それとも本当にそれが自分にとって大切なことなのか? と自分に問い続けることが大事なのかもしれません。
④ ダメだと思う時は、ページをめくる
毎日頑張っていても、時々悪い習慣にハマってしまうことってありますよね。最近、ずっと後輩に愚痴ばかり言ってしまう自分が嫌だけど、止められない。部屋を片付けたいのに、片づけられなくて自己嫌悪に陥ってしまう。禁煙したいのにできない、などなど。
変わりたい気持ちはあるのに、変われないからこそますます嫌になってしまいますよね。
マシューの友人ラリーも、こんな悪い習慣にハマっていた一人でした。
音楽で有名になったラリーはどんどん羽目を外すようになり、しまいには悪い薬に手を出していたそうです。
ある夜、ラリーがパーティーで恩師に出会ったときのこと。楽しくおしゃべりして去ろうとするラリーを恩師が呼び止めて、小声で「鼻に何かついているよ」と言われました。焦ったラリーが鏡で見ると、薬を顔に付けたまま恩師と話していたのです。
翌日、ラリーは恩師の家を訪ね、恥ずかしさと情けなさで泣きながら全てを打ち明けました。そして、恩師に「私はどうすればいいのでしょう」と聞いたところ、恩師が返した言葉がこちら:
Larry, I have never had any trouble turning the page in the book of my life.
ラリー、私は自分の人生のページをめくることに困ったことがないよ、と。
その日からラリーは薬をやめ、それから40年経った今もなお、一度も手を付けたことがないそうです。
ああもうダメだ、このままじゃだめだ、でも…と悪循環に陥ってしまっているときは、人生のページをめくって、いつでも新しいスタートが切れるよ、というメッセージですね。
以上!今回は「卒業式のスピーチから学ぶ!俳優が教える人生の歩み方」というテーマでお送りしました。おさらいすると、こちらの4つのポイントです:
マシュー・マコノヘイさんは実際のスピーチで13個のポイントをあげましたが、この4つを見るだけでもとても参考になりますよね。残念ながら今のところ全文を翻訳したページが見つかっていないのですが、エピソード話含めとても面白いスピーチなのでその内翻訳したページがアップされることを願っています。
実は私も、先日まで仕事のモチベーションが下がってしまい、やる気がでない、仕事が進まない、進まないことに落ち込む、というダメダメな悪循環に陥っていました。そんな時にこのスピーチを聞いて、やってみよう、と脳内でゆっくり人生のページをめくってみたら、不思議なことに翌日から気持ちよく仕事ができるようになっていました。
みなさんもちょっとしたきっかけで、前を向けたり、新たな一歩を踏み出せるかもしれません。
最後までご視聴ありがとうございました!
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