家計簿エンタメ小説 2選。節約疲れの息抜きにぜひっ。

こんにちは。お金のお話し相手、ファイナンシャルプランナーのよーこです。

今日のタイトル、「ちょっと息抜き。家計簿エンタメ小説 3選!」ってしたかったけれど、わたしが好きな小説はここ何週間か考えていたけれど、この2冊でした。おまけで1冊、面白くないものをおすすめするのもおかしいし、すごく歯切れが悪いけれど、家計簿エンタメ小説、”2選”を紹介します。

1. 三千円の使いかた (単行本) 原田ひ香 (著)
20代も、40代も、70代が直面する女子たちの経済モンダイ。主人公の女性たちの奮闘が愛おしい!


お金と人生の選択をめぐる、娘、母、祖母の連作短編集。

人生とは、オカネ問題。そして、女子にとっては、オカネと切っては切れないパートナー問題でもある。


にっちもさっちもいかないけれど、見て見ぬふりをやめて、向き合うことにした、御厨家(みくりやけ)の母、娘、祖母。
女性たちの一生懸命さがいじらしく、他人事とは思えない、お金をめぐるショートストーリーズ。

まず、娘。
結婚を決めた彼氏に奨学金の残債がたっぷりあった!
彼のことは好き。
価値観も合う。
こんな人にはもう出会えない!

でも、借金持ち。教育ローンがたっぷりあるのです。結婚のあいさつに訪れた彼の実家の家族も金銭感覚が危うい人たちばかり。
結婚はする?
しない?
どうする?

そして、熟年離婚をひそかに企む母。わかる、わかるよ。

それから、老後資金に不安を覚え70歳にして終活ならぬ就活する祖母。
行動力バツグン!人生100年時代のロールモデル!

出てくるのは特別な事情や出生の背景を抱えているわけでもない、ごくごく一般的な巷の家族。
就職して、恋愛して、結婚して、子育て。そして、老いる。
しかし、ごくフツーな人でも、人生の節目には、お金の深い悩みがついて回ること、今の時代のリアルな設定に納得です。

家計簿つけてると、見たくない数字も見えて暗くなることもあるけれど、そこから、「じゃあ、どうする?」と視点を変えた登場人物の人間力に勇気をもらいました。

個人的には、BSプレミアムとかでぜひドラマ化して欲しいなぁ。
ちょっとリフレッシュしたいときに、さらさらっと読んで、元気になれる小説です。


原田ひ香さんは「彼女の家計簿」(光文社文庫)も素敵でした。これはテレビ東京で新春2時間ドラマにして欲しいなあ。亡くなった女性の芯の強い生き方が、当時つけていた古い家計簿が発見され明らかにされていきます。正統派ドラマになりそうな楚々とした佇まいのお話です。



2. 老後の資金がありません (中公文庫) 文庫 –垣谷 美雨 (著)


垣谷美雨さんの作品は、どれも他人の噂話では確実に盛り上がるだろう悩みがテーマ。でもそれは、「いざ自分に起きたのなら誰にも言えず隠しておきたい密かな悩み、かつ、一人では解決できない深い悩み」が描かれています。

今まで垣谷さんの小説のテーマになっているのは、
長生きリスクに迫った『七十歳死亡法案、可決』、
溢れかえる物で満たされない心をうめようとする現代人が何人も出てくる『あなたの人生、片づけます』、
他にも『夫の墓には入りません』『姑の遺品整理は、迷惑です』『うちの子が結婚しないので』など。
おすすめした『老後の資金がありません』では、会社員の夫の給料からせっせと貯めた老後資金が、100万~200万の単位でどんどん、どんどん、減っていくのです。もう、やめてあげて!
と思うけれど、家族のしがらみで
リアルに減る。
1200万円あっても、結婚式、葬式、お墓、、、。
コツコツ節約おかずをつくって頑張っても、使うのはあっという間なんです。って書くと、あまりにも切なく、気が滅入る。
けれど、主人公はたくましかった!その立ち直り?開き直り方がエンタメです。スカッと面白いです。



節約疲れが出てきたら、ぜひとも読んで欲しい家計簿小説2選でした。
あれ?原田さんの「彼女の家計簿」を入れたら、3選だったけれど(苦笑)

読んでいただきありがとうございました!