スタッフの給与をあげたいという悩み
出産するまでは日常的に朝から晩まで宿にいたが、子育てが始まってからはまちまちになった。そんな前提のもと、今月は毎週日曜日の夜だけ新スタッフと出勤している。今日は、その夜シフトを終えた後に書いている(…と書き出したが、結局疲れすぎて数日後に持ち越して書いている…)。
<アルバイトは3名>
この6年ほどは、オーナーの飯室が事務的な仕事をし(どんな内容かは別の記事でそのうち書きます)、アルバイト3名が現場を回すというスタイルで落ち着いている。
<スタッフの労働時間と内容>
アルバイトのシフトは2パターンある。
午前:(7:30〜掃除終了 / 4.5H)
午後:(チェックイン〜消灯 / 7.5H)
同じゲストには同じスタッフが対応した方がスムースなので、「たすき掛けシフト」(旅館業でよくあるシフトパターン。午後出勤+翌日の午前出勤のこと)を採用している。午後チェックインを担当したスタッフが、翌朝のチェックアウトまで担当するということ。
ということでスタッフは変われど、仕事は12時間/日(午前の4.5H+午後の7.5H)なので、360時間/月。これを3人で割るので、一人の勤務時間が平均120時間/月。各スタッフの給与はこれに時給が掛かるわけだ。
余談だが、観光業・旅行業・宿泊業は繁閑の差が大きい。うちの場合、例えば宿泊者が1名でも15名でも(満室)、シフトの時間は同じで給与も同じ。1名の時は平和ボケしそうだし、満館の時は文字通り目が回るし、喋りすぎて口角から泡吹いてることもある。満館の翌朝の掃除は布団にぶっ倒れたくなるくらいにヘトヘトになる。
<繁忙日は二人体制にしたいし、給与だって上げたい>
多くの宿主はシフトに入っているし、宿によってはフリアコスタッフ(フリーアコモデーションの略。住処を与える代わりに数時間労働してもらうということ。ヘルパーとも呼ばれる)を採用することで人件費をコントロールしている。たかが1泊3500円の宿泊代では、そうでもしないと回らないくらいの利益しかあげられないのが実情だと思う。うちはスタッフに現場を任せないといけない理由(子育て)があるので前述の通り(ギリギリではあるが)フルで人件費を出している、珍しいタイプの宿だと思う。
とはいえ、ゲストハウス業界を一歩でて、一般社会のなかで考えると、うちのアルバイトスタッフの給料は低い。そして給与の割に、けっこうレベルの高いことをオーナー(つまり私)は求めてくる。これまでのスタッフたちは、そんな薄給の状況であっても金銭で換算できない報酬(出会いやスキルの獲得など)があるから、1〜2年をここで過ごしているが、私としては仕事内容からしてももっと上げてやらないと…と考えてはいる(私自身の給与だってあげたいが…あ、心の声が漏れた)。
<給与をあげるには利益を出さなきゃならない>
繁忙日は仕事量も多いので二人体制も視野に入れている。個々の時給だってアップしたい。それもこれも、やるには利益を増やさないといけない。それには、
宿泊代をあげる
ベッド数を増やす
稼働率をあげる
宿の収益以外の別解を作る
のいづれか、もしくは複数を叶えなければならない。一番簡単なのは宿泊代をあげることだが、ゲストが理解してくれるか心配。こちらとしては3500円のなかから捻出しないといけない経費は山のようで、しかも年々それが値上がりしていたりしているのだけれど、かといって旅人の給与が上がっているかというとそうでもない(かもしれない)し、マジョリティになる学生さんや20代前半のゲストにとっては少しでも安く旅できるのがゲストハウスのメリットだったりもする。ベッド数は面積的にこれ以上は増やせない。そうなると、できれば平日の低稼働の日を底上げすることか…(インバウンドが見込めない今は、これも簡単ではない)。別解はなかなかなかなか答えも結果もでない…。
<それでもやっぱり、稼働率を上げるところがキーか>
例えばラウンジで飲食の許可をとるとか、店舗展開するとか考えなかったわけではないけれど、自分の性格からして新しいことを始めるというのはあまり得意ではない(余談だけれど、幼少期から遠足やマラソン大会の日などが嫌いで、できることならば日々ルーティンのなかで過ごしたかった)。
そうなると、やはり稼働率を上げることに力を注いだほうがいい。かといって、誰彼構わず泊まって欲しいわけでもない。さて、稼働率をどうやってあげようか…それはまた、次の投稿あたりで店主の悩ましい頭の中を書いてみようと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?