本に囲まれれば、無限ループ。

金欠のくせに、ハードカバーの新刊に躊躇せずお金を出してしまう。いや、でも後悔したことはない。強がりではない。

題名のフォント、表紙のデザイン、中には紙の素材にも気を配ったかのような表面のざらつき、言わずもがな執筆の労力を考えると1600円?それくらいの価値はあると判断し、財布のひもは思わず緩む。

古本もたまに買うが、できれば新品を定価で買いたいという思いがある。これは星野源さんの受け売りなのだが、定価で買うことでその作品が出来上がらるまでの労力を労うことができるのでは?と思っているからである。

とはいえ、このコロナ禍。時間はあるけど、ボーナスや給料は削減されているのだ。本を読む時間はあるからたくさん買いたいが、何しろお金がないのだ。本能のまま買っていけば、赤字になること間違いなしだろう。

心の中の仕分け人は苦渋の判断をしなければならない。

娯楽費は削減しなければ・・・。

・・・仕方ない、図書館に行くか。

さすがにポリシーを守るよりも生きていくほうが大事。

ただ、仕方がないとは言ったけど、少しわくわくしているのは事実だ。

図書館ではいつもは読まない本にチャレンジができる。購入するとなると、本当にこの本は面白いのか、今の自分の気分に会っているのかをあらすじや本の雰囲気から判断して、十分に吟味してから買う。ただ図書館の場合は面白くなかったら読むのをやめてもいいと思えば存分に選書を攻めることができる。そしてやっぱり気に入ったら自分のものにしたくなって買ってしまうんだけどね・・。

ということで3冊選んでみた。

★「惜別」太宰治・・・・昔の日本文学は学生時代の教科書に掲載されていたものくらいしか知らないので教養として読み始めてみようかなと。太宰治は「人間失格」だけちゃんと読んだ記憶がある。

★「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」・・・完璧に「息吹」著テッド・チャンに感化された。(短編集でその中に科学的にあり得るタイムトラベルをアラビアンナイトの枠組みを使って書いた作品がある。)

★「現代ネパールを知るための60章」・・・発展途上国の現在について、教育、経済、観光、ジェンダー、差別問題など様々な切り口から細かく説明してくれる本。大学の時よく図書館でレポート書くのにこのシリーズ読んでて懐かしくなった。

他にもいろいろ手を付けたくなったが、なれない本は普段よりも時間がかかるだろう。とりあえず3冊でやめた。本が好きとは言うが、昔の文学は全く読まないので、これを機に教養も深めたいものである。はまれるかなぁ。

◇    ◆    ◇    ◆

せっかくなので、図書館のなかをふらふらと歩いてみる。

やっぱり図書館に来ると、外国文学とか、昔の日本文学を読みたくなるのはなんでだろうか。普段読まないくせに不思議だ。

外国文学のコーナーヘ吸い込まれるようにすすんでいくと、オレンジ色の表紙の、どんな時にどの本を読めばいいか教えてくれる本が目に付いた。(タイトルは忘れてしまった・・)

たとえば、「人を信用できなくなった時」「嘘をついてしまったとき」その時の状況に合わせて、「これを読んだらいいよ」とすすめてくれる本だ。項目も結構たくさんあり、なかなか分厚かったので参考になりそうだった。

私はいつも、「読み終わった後温かい気持ちになりたいから、ほのぼのするようなヒューマンドラマ」だったり、「すっきりした気持ちになりたいから悪をバッサリ裁くような刑事もの」を選んだりする。

だから、気持ちに合わせて本を進めてくれる本は、最高である。

◇   ◆   ◇   ◆

「キッチンの歴史」? そんな歴史の本もあるんだね。そうか考えると原始時代とかは石を削って包丁代わりにしてたんだっけか。

村上春樹って絵本の翻訳してたの知らなかったなぁ。

この本の表紙って、あの人のアイコンだなぁ。あの猫はただものじゃなかったのね。

そんなことを考えていたら、一時間以上たっていた。図書館に限らず、大きめの本屋でもそうだ。別に立ち読みしているわけではない。

本の表紙やタイトルを眺めて、次買う本の狙いを定める。あるいは「へぇこんな本があるのね」と未知の世界の扉を眺めてみる。

きっと本が好きな人って、物語が好きで、さらにその世界に「没入ができる人」なんじゃないかなって思う。

本屋さんや図書館は「こことは異なる世界の扉」があつまっているんだから、それはわくわくするに決まっているのだ。

アイコンを変えたい、、絵が得意な人にイラストを書いてもらいたいなぁと考えています。サポートいただければアイコン作成の費用にかかるお金に割り当てたいと思ってます。