見出し画像

[France]バカンスなんてどこにもない、山に埋もれるフランス遠征

微地形楽しい!伊藤樹です。
僕は今、フランスに滞在してオリエンテーリングのトレーニングをしています。ここでは、そこで僕がどんな生活をしているのか紹介できたらいいなと思います。

1. 最高のイベント「Bauges Summer Camp」

そもそもなんでフランス?かというと、今、ある最高のイベントがフランスで開催されているからです。その名も「Bauges Summer Camp」
これは、2011年にフランスで開かれた世界選手権(WOC)のテレインに常設コントロールが設置されて、自由に入っていいよってイベントです。(Baugesはテレインのある地域の地名らしい)
ホームページ:https://cdco73.wixsite.com/cdco73/woc-2011?lang=en
富士のサマーチャレンジみたいな感じのやつ。

WOC2011のテレイン知ってますか?これですよ、これ!

コメント 2020-08-31 175049

目が痛くなるような微地形!カルスト地形の凹凸地が無限に広がっていて数々の海外オリエンティアがその餌食となった伝説の難テレイン。

彷徨っている選手のGPSをまとめた動画が上がっているので興味のある方はどうぞ。このテレインの凄さを物語っています。
https://youtu.be/2zGXcsnQeOw
https://youtu.be/-XskezsL0Ws

こっちはテレインを走っている人のHeadCam動画
https://youtu.be/MEqwupTo_1c

オリエンティアとして死ぬまでに一回は入ってみたいテレインだったのでこのチャンスを逃してはならないと思い、参加を決めました。幸い、このコロナ禍でもフランスは入国制限が解除されてたので何とか出国することができました。

2. バカンスとはほど遠い修行のような生活

羽陽曲折あり、フランスに入国し今回の拠点であるシャンベリーという街に到着。さあ、今日からテレインに入り放題だ!
そんな、甘くはありません。シャンベリーは山のふもと街、テレインはまだずっと山奥なんです。
テレインまでの道のり、なんと22kmアップ1100m!!日本で例えると八ヶ岳レジャーセンターから瑞牆に行くくらいはありそうな気がする…(適当)

いったいどうするんだって?そんなこと決まってる、自転車で登るんだよ!そのために、日本からわざわざ自転車を持ってきました(笑)

キャプチャ

画像3

あの山の向こうにテレインがある!

いざ、テレインを目指して自転車を漕ぎ始めるも、まあきつい。無限に続く坂道を2時間近く登り続けました。でも、さすが自転車で有名なフランスだけあって、僕みたいに自転車で登っている人がちらほら…結構なおじさんもいたりして驚かされました。
日を追うごとに身体が慣れてきたのもあって、2時間の朝練だっと思って無心で登ってました。

なんでもっとテレインの近くに宿を取らなかったのか?って、もちろん理由はあります。
一つは、テレインの周りには大きなスーパーがなかったからです。今回の遠征は自炊が基本なんで、スーパーは必須、トレーニングをする以上「食」は充実させたかったので、大きなスーパーがあるシャンベリーに宿を取りました。二つ目は、行き帰りの移動でもトレーニングできるからです。あと、シャンベリーのほうが宿代が安かったのもあります(笑)

こんな感じで、
7:00出発→自転車移動(2時間)→テレインでトレーニング(2時間)→自転車移動(1時間)→帰宅13:00頃
基本はこんな感じのスケジュールでした。
しかし、これを毎日こなすのは厳しすぎる&オリエンティアの前に競輪選手になってしまいそうだったので、山に行くのは週五にして間の二日は平地を走っていました。

3. まさに魔境、恐怖、テレインを彷徨う日々を越えて

二時間の輪行を終えて一息、ついにテレインに着きました!
意気揚々と走り出し、めちゃめちゃツボりました、トレーニング初日。7kmのコースを100分彷徨って途中で帰ってきました。
このテレインは、筏場と瑞牆を7:3で混ぜたような感じで、でもエリアによっては苔むしてて走りづらかったり、落とし穴みたいな岩の隙間が大量にあったりしてまさに魔境でした。

画像4

最初の一週間は1レッグで10分とかツボってました。とにかく地図のイメージと現地が一致しなくて、地図に書いていない凹凸も無限にあって、訳分かりませんでした。訳分かんなすぎて森に入るのが怖かったです。

でも、負けじとテレインに通っていると、なんだかんだ慣れてきました。
大事なことは結局、自分の現在地をより正確に把握することでした。これができていると例えば、「この場所にコブがあるだろう」と思うとその地形がコブに見えてくる気がしました。
そして現在地をより正確に把握するために、
足場の悪い中で、地図から必要な情報を得る。
崖や岩や薮などで自分の進行方向がずれたときに、そのずれを把握する。
必要があり、現在はそれを意識してトレーニングしています。

ちなみに、2,3日前WOC2011middleの再走を行いました。自分の中ではかなり攻めて走ったのですが、海外選手のGPSと比較するとまだまだ森を走る速度が遅く(しかもミスってる)、世界は厳しいなあと改めて痛感させられました。
海外選手とのGPS比較はこちらから見れます。
http://3drerun.worldofo.com/index.php?id=-16781730&type=info
find other dates から選手のデータを選択すると見れます。

4.最後に

今回、このように結構無茶をして、フランスでトレーニングしていますが、
強く思うのは、環境は大事だなあということです。トレーニングしたくないなあと思ったとき、後に引けない環境(理由)があると、それがモチベーションになります。今回の場合、フランスまで来てしまって、もう退路はないからやるしかない、という考えのもと頑張れたところはあります。
そんなことにやる気を左右されているようじゃあ、まだ甘いのかもしれない。

遠征記は別にゆるく書こうと思っているので、また興味があったら読みに来てください。


今、一番の心配事はコロナと台風を乗り越えて無事に帰国できるかというところです。💦
あと、フランスのパンはとてもおいしいです。(元パン屋アルバイト)

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?