見出し画像

足の構造と機能を学ぶ

【足の構造】


かつてイタリア盛期ルネッサンスの偉人、レオナルド・ダ・ヴィンチ は、足について、
 「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である。」
と述べています。

その足は大小様々な計28個の骨から構成されており、各々の骨は互いに関節を形成しそれぞれに可動性を有していますが、1つ1つが靭帯や筋肉、腱などの軟部組織で支持され、荷重による強い衝撃にも耐え得る力学的に安定した頑丈な構造をしています。

ここでは、数多くある足の構造と機能のうち“足のアーチ構造”のもつ役割について少し解説してみたいと思います。

【アーチ構造の役割】

足には“アーチ構造”と言うものが有ります。
足を内側から見たときに“土踏まず”と言う地面に接地しない部分がありますが、これを“内側縦アーチ”といいます。

同様に外観上からは分かりませんが、外側にも内側よりやや低めの“外側縦アーチ”が形成されています。
また足を前方から見ると横に広がるアーチ、“横アーチ”も認められます。
これら縦横の“アーチ構造”は、地面に足が接地し荷重が加わった際に地面からの衝撃を吸収し、足や足関節、さらには膝関節、腰などへの負担を軽減する重要なクッションの役割を担っているのです。

この足のアーチがクッションのような弾力性を有するためには、“足底腱膜”と言う強靭な縦走線維束が足裏の踵骨から足趾に向かい扇状に張っています。

【足底腱膜の役割】

この“足底腱膜”のもう1つの機能として“windlass機構”というものがあります。windlassとは船の「いかり」を巻き上げる機械のことですが、足においては指を背屈させると“足底腱膜”が巻き上げられ、アーチが挙上するように働きます。

この機能は実際には踏み返し動作の際に役立っています。
踏み返し動作の際に足の指が背屈することにより足底腱膜が巻き上げられ足のアーチが挙上します。すると挙上したアーチは元に戻ろうとする力(復元力)を生み出し、これが前に進むためのバネの役割(推進力)となり踏み返し動作を容易にしているのです。

外反母趾をはじめとし扁平足障害や開帳足などの足の障害はすべてこのアーチ構造の破綻により生じていると言っても過言ではありません。

アーチの破綻した足においては、クッションやバネの役割が失われているため、多くは疲れ易く、歩きにくいといった症状を伴うようになります。また、足底に胼胝(たこ)が出来ている人の多くもこのアーチ構造の破綻が原因となっています。

このように、足のアーチ構造は歩くことにおいて大変重要な機能を持っているのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?