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トップと現場の乖離はどこから生じるのか?

昨日、ある事業所で。

トップから研修参加を言い渡されたメンバーAさん。

研修の当日は、研修参加メンバー2名が抜けると

午後2時から3時までのメンバーと始業から午後3時までのメンバーのみ。

「え、これで当日運営できるの?」これがAさんの第一声でした。

「マネジャーも大丈夫でしょ?」の発言もあったとか。

Aさんがとった行動は、当日も現場の運営に支障が出ない方策を考え

調整し、研修参加申し込みを行った。

ちなみにマネジャーは、普段現場に1週間のうち2度ほど顔出しする程度。

どこの事業所も「現場力」で回っていると感じます。

トップと現場の乖離、2つの質問が思い浮かんだ。

1)トップがトップの役割を認識しているか?

創業当初は別にして、

最悪はトップが部長・課長・課員の仕事をしてしまう。

組織として機能不全になります。

役割分担をしているなら、

一般社員がトップの役割を担う必要がないように、

トップが一般社員の役割にまで口を出す必要もありません。

それが従業員を信じることになります。

それがないと従業員は自ら考えることを放棄し、

管理職は判断をすべてトップ決裁に委ねるため、

もはや組織としての機能を果たさなくなってしまいます。


2)方向性やビジョンが共有されているか?

会社の方向性を決める層と現場の社員たちとの思いや感覚のズレは、

期初に戦略・方針が発表となった段階からすでに始まっています。

そのズレが修正されないまま時間が経過し、浸透しきれずに期末までいって

しまうというのが典型的なギャップのパターンです。

負のサイクルが始まります。

戦略・方針を策定する側は、
外部環境分析や内部環境分析などさまざまな分析や
思考プロセスを繰り返して、最終的に戦略・方針を固めます。

しかし受ける側の現場社員たちは、
その戦略立案の過程を経ているわけではないので、
それを知らないまま、最終のかたちだけをポンと示されます。

そのため何となくトップ層がやりたいことは理解できるものの、
十分な理解や納得がないまま、「やらされる」ことになります。
ここでもうすでに、両者のギャップが生じてしまいます。

活動がスタートしてしばらくしても、
現場に戦略や方針がしっかり肝落ちしていないと、
成果はなかなか出てきません。
この段階では、「なんで、現場は戦略どおりに動かないのか? 
思考が停止しているんじゃないか?」というトップ層と、
「色々やれというけれど、
何が本当に結果につながるのかよく見えない。
結局、自分たちのミッションは業績を達成することだから数字を
出せばいいんだろう!」と視野狭窄で考え、
従来どおりのやり方のまま業績達成に邁進する現場社員という
構図ができます。

変化がみえてこないことで、戦略・方針を策定する側は
現状打開のために何とか戦略通り行動を変えさせるため、
さざまなことを検討しだします。
そこでトップ層が打ち出してくるのが追加施策です。
事業活動アンケート、KPIのトレース、会議での報告項目、
システム項目入力の徹底など枚挙にいとまがありません。
その多くは、これまでの施策のレビューがないまま、
新たな施策を積み増ししてくるケースが大半です。

そのため現場は、すべての追加施策がアドオンに感じ、
本部から矢のように降ってくる施策をただこなすだけの状況となり、
「やらされ感」が募っていきます。

成果につながらないことで結局、
期末には「うちの現場はこちらの想いをいつも実現してくれない」
(トップ層)、
「うちの会社には戦略らしい戦略がない」(現場社員)と、
両者ともに他責で終わらせ、
このサイクルが来期も続くことになります。

それによって「うちの現場はダメだ」
「うちの会社は信頼できない」となり、
〝蓄積された不信感〟が蔓延してしまうことになります。

戦略が思うように浸透していかない、業務変革につながっていかない。

いろんな事業所で起きている?

その根本原因は、ひと言でまとめるなら
「言葉を尽くしての理解促進の不足」です。

そもそもの出発地点で「なぜそうするのか」「何のためにやるのか」

「それを行うことでどのような結果が得られるのか」が

現場に伝わっていないことで、
互いの間に意識や行動のギャップが生じていきます。

一方的に戦略・方針が流れてくるだけという状況をつくらない
現場だけに責任を負わせない。ことが重要です。

ずいぶん前にツイートした記事も参考にしてください。

最後までよんでくれて、ありがとうございます。
あなたにとって、今日も良い1日に、なりますように♪
心からの感謝をこめて


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