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【米崎りんご】サンふじ➀

ぼくが米崎りんごと改めて向き合うきっかけになった品種です。写真はみなさんご存知の「サンふじ」。1962年に品種登録されて以来、日本だけではなくアメリカや中国など、世界でも最も沢山生産されている品種です。noteでは「さんさ」「シナノスイート」「ジョナゴールド」とイドバダアップルにある品種をご紹介してきましたが、掛け合わせがどうとか、歴史がどうとかの話しになると途方もなくなる&調べれば誰でもわかるので、ここではぼくがそれぞれの品種に対する思いや物語などを綴っていきます。

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りんごといえば「冬休みの段ボール」というイメージでした。
実家はもちろん、友達や親戚の家に行ってもみかんと並んで常に段ボールでストックしてあり、今のように小包装になっているお菓子もない時代なので、おやつやお茶菓子代わりに出されていた記憶があります。そんな「おやつ感覚」だったから、特段にうまい!うまい!と連呼したり、焼き肉のように争いながら食べていたわけではありません。かといって給食で地元の特産品って出されてたっけ?と振り返ると、りんごや海産物よりもパックの「米崎牛乳」(今はありません)を思い出す。今はなくなりましたが、以前は高田納豆や個人でやってる豆腐店など、素晴らしい食品が今以上に沢山あったんですよね。世界三大漁場の三陸海岸に住んでいるものだから、親父やじいちゃんが獲ったウニやアワビやタコが普通に食卓に並ぶし、野菜はオーガニック級のものが庭の畑にあるし、牡蠣にホヤ、ワカメ、めかぶ他海藻類は毎日消費しゃきゃならないような量を頂くし、地元の特産品とは買うものじゃなく貰うもの、常に家にあるもの、位にしか思っておらず、特に美味しさに惹かれるとか、愛情はありませんでした。

シャープス

地場産品に興味を持ったのは、一人暮らしをしてから。
地元の高田高校を卒業し、盛岡のホテルに就職が決まって念願の一人暮らし。当時はファジーでコケティッシュなトレンディードラマや漫画「ツルモク独身寮」に憧れていたぼくは、今振り返ると楽しい社会人生活を送っていたのですが、一人暮らしとなると当然毎月の出費と向き合わなければならなくなり、スーパーに買い物に行くと今までタダ同然で頂いていた海産物がとんでもない高級食材だったのに気付く。マグロの切り身よりなんで瓶詰のウニがこんなに高いんだ、アワビがこのサイズで9800円⁉、あんなに美味しいワカメの茎がなんで売ってないんだ、とか。どーしても食べたくなって買ってはみるものの、美味しさが全く違う。職場のホテルでは高級食材として陸前高田や大船渡の海産物がメインを貼るコースはあったし、当時の料理長がミーティングで「広田湾産の牡蠣をどうしても使いたい」と熱弁していたのは胸が熱くなったものです。「陸前高田に親戚がいて、毎年冬になるとりんご送られてくるんだよ、超美味しいよね!」なんて女性の先輩から言われると、自分のことじゃないけど嬉しい。ここからかもしれません。「食」について関心を持ったのは。

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衝撃を受けた「支援物資」
時は2011年。東日本大震災の際には自宅も家族も無事だったものの、家族全員が仕事を失いました。幸い妻は大船渡市で薬屋さんを営んでいる母の手伝いを行い、早くにフル稼働することになります。有難いことに、世界から支援物資として様々な食材が届きました。水や乾麺、缶詰にお菓子、クロワッサン…。当時は毎日へとへとになりながら帰宅して、何を食べても美味しかったから太って痩せてまた太ってを繰り返していたように思います。やがて第一子を授かり、大船渡のアパートから陸前高田市広田町の実家へ戻り、家族が一人増えて最初の冬を越していた12月のある日、支援物資に紛れていたりんごを何気なくかじったときでした。

美味い…。

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なんだこのりんご!ムチャクチャ美味いじゃん!さすがに青森や長野のりんごは違うなあー!!国産すげえ!なんて一人で盛り上がっていたら、母が一言。

「それ、米崎のりんごだよ」。


つづく!

それではみなさま、素敵な1日をお過ごしください。
イドバダアップル 吉田司でした。


【お知らせ】

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