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「ナナフシの恋」を読んで

病院で昏睡中の女子高生から、学校に呼び出しのメールが届いた6人の高校生の物語。

昏睡中の女子高生は、あたりまえだが、メールを送れない。社交的ではなく友達も少なかった女子高生。誰もいない学校に集まった6人の高校生。なぜこの6人が選ばれたのか、この6人にはどのような接点があるのか。

と、こんな感じで、ミステリー小説風に始まります。しかし、この小説は、ミステリー小説というよりは、苦悩を抱えた高校生達の青春小説でした。

謎解きや犯人探しもありますが、好きになった人、惹かれた人に対する高校生達の苦悩がメインテーマと感じました。

人が人が惹かれる理由なんて、自分にも他人にもはっきりとわからない。人が人を魅了するのは、「何か取り柄があるから好きになる」「取り柄がないから惹かれない」といった単純で論理的なものではない。理由なんてわからない、気がついたら好きになっている。そんな苦悩から事件が起きる小説です。


軽くて読みやすかった。なぜ、この人はこの人を好きになったのだろうか、好きなる人が違えば、こんな事件が起きなかったのになあ。好きになる人が違えば、ハッピーエンドだったのになあ。というのが勝手な感想です。

タイトル:ナナフシの恋 作者:黒田研二 出版社:講談社ノベルス
6/15読了 

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